●先年のImpure Music盤も好評だった、多才な個性派ピアニスト:Tom Cawleyの主導する英国精鋭トリオ=Curios(2006年結成)の快調作。曲はCawleyのオリジナル。クリーンな透明感や潤いを自然に呈する反面、頑強堅固な角張りを鮮烈に顕示するところもある、骨芯にブレなく重心のしっかりしたクリスタル・ストーン?風の明瞭タッチでの、マイルド・メロディックな親しみやすい抒情派フレージングと、重厚ハードに凸凹起伏を描く力学指向のアクション技、を自在に交錯させた、意気溌剌な機動的プレイが、フレッシュで旨味充分の映えを見せた、個性ある敢闘内容。全編を通じて電脳的エフェクト音響も随所で細かくミステリアスに被りながらの、端麗柔和なリリカル体質とハード・メカニックな力学派という両極端傾向を併せ持ったメリハリ満点の劇的妙演(耽美派バラード、フューチャー・グルーヴ調、硬派ハード・バップ、等々)、が滑脱に、スリリングに続く。主役:Cawleyの、端正で甘美な、ロマンティストらしいしっとり風味の歌謡バラード的節回し、で心地よく和ませてくれたかと思えば、ガキゴキしたパーカッシヴ感強調型の殺陣的ダイナミズム攻勢で圧迫してきたり、そうした力学手法も加味しつつのビター・デカダンな硬質的バラード表現に深みを見せたり、一転してごくストレートアヘッドなハンコック・タイプのモーダル・スウィンギン熱演に凛然と没頭したりと、中々先読みを許さないオールラウンドな即興展開が何とも新鮮だ。
1. Pursuit
2. Plea
3. Roadster
4. Pure
5. Impure
6. Dream
7. Articles
8. The Swan
9. Belief
10. 2009 World Champion
Tom Cawley(p,effects)
Sam Burgess(b)
Joshua Blackmore(ds)
2009年9月15&16日 英国 West SussexのCurtis Schwartz Studios録音
レーベル:
DISKUNION JAZZ
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CD