★才人:渋谷毅(1939〜)の、オーケストラのメンバーとのデュオ・シリーズ第3弾、=今回は松風鉱一(1948〜)とのライヴ編。曲は全て松風作。
★柔らかくまろやかな掠れ気味のトーン(アルト中心)で半脱力調の憂愁節を軽妙に、きめ濃やかに綴るサックスのちょっとレイジーな吹鳴と、一音一音にキラキラした滴っぽい透明美や潤いを呈する端正なピアノの、エレガンスと朴訥さの入り混じったシブ優しい夜想詩風のブルージー・プレイ、とが、自然な和み感覚を保持しつつじんわり細密に、深い融け合いを見せた滋味内容。
★ブルースやバラードをメインとした柔和でインティメイトな、それでいて1曲1曲は簡潔・手短に構成されている辺りにさすがの練達さ〜「匠のワザ」をもしっかり感じさせる、息の合ったマイルド・メロディアス指向の寛ぎ談話っぽい抒情派妙演が一貫。
★サックス者の、気ままなラフ・スケッチのようでありながら、泉の如く潤沢な歌謡派インプロヴァイザー=生粋の美旋律家たる本領を伸び伸び発揮した、ふわっと涼しい波乗り遊泳調子のソフト・スムース吹奏や、ピアノ者の、スウィートでいて荘厳な気品漂う耽美的ロマンティック・フレージングと、ゴツッとしたパーカッシヴで暗影濃い硬派ブルース・バップ節、を的確に交錯させつつのどこか達観した風なストーリーテラーぶり、など、何げない中に充実した旨口ソロの名場面が横溢する。
1. Shallow Dream
2. Alone's Blues
3. Requiem
4. Trash For Lucky 7th.
5. Keep Straight On! (Blues For Naoko)
6. Sunday Afternoon
7. MD Lady
8. すっと二人で
9. The Lady Of Swan
10. Blue Blackの階段
渋谷 毅 Takeshi Shibuya(piano)
松風 鉱一 Kouishi Matsukaze(as,ts,bs,fl,bcl,bamboo-sax)
2008年10月30日・31日、11月3日アケタの店(東京・西荻窪)でのライヴ録音
在庫有り
特製紙ジャケット仕様CD