★1970年代から30年に渡って主流派シーンの第一線で多忙に活躍を続けて来、ここ最近も自己のクインテット、Super 4Brass、弦楽四重奏とのバンド、山下洋輔&八尋知洋との八向山、のグループ群を並行推進して精力的に演奏活動を行なう一方、アレンジャーや音楽教職者としても才覚を揮っている本邦ジャズ・トロンボーンの第一人者:向井滋春(1949年名古屋生まれ)の、度々ライヴ公演も重ねてきた4トロンボーン・アンサンブルによる一編。横浜録音。編成は、ピアノ・トリオを伴ったセプテット。曲は有名作品中心。
★端正に整ったアンサンブル・ハーモニーの様式美、その色彩感溢れる立体的可動建築ふうのクール&エレガントな流麗サウンド(柔らかでスムースな感触が◎)の調和性の反面、ソロ・パートでは意外と豪胆で荒削りな、威勢のいい熱血ブローイングの見せ場争いが展開するなど、リアル&アクシデンタルな緊張感と躍動的覇気も充分。曲により各tb奏者が分担してアレンジを手がけ、それぞれユニークな音響構成面の仕掛け(リズム・パターンも中々多様)で楽しませつつ、切れ味鋭くクッキリと鮮やかな晴朗さを呈した(おぼろな陰影と曇り感も微妙に混在している)アンサンブル空間に超快適気分で酔わせる逸品。
1 It’s all right with me
2 Beatrice
3 You don’t know what Love
4 Invitation
5 Spain
6 Recado Bossa Nova
7 Bluesett
8 Tanga
9 Nardis
10 Round About Midnight
向井 滋春(Tb)
佐藤 春樹(Tb)
中路 英明(Tb)
堂本 雅樹(B-Tb)
今泉 正明(Piano)
山下 弘治(Bass)
安藤 正則(Drums)
2002年12月29日,2003年1月16日 録音
在庫有り
CD