★ピアニスト、コンポーザーとして長らく幅広い活躍を続け(最近ではスチールパン・ドラム奏者ルディ・スミスのStoryville作品などにサイド参加したりとか)、アルバム・プロデューサーとしても数々の優良な作品を手がけてきた、キャリア豊富なデンマークの逸材オーレ・マティエセンの、今作は、ピアノ・トリオを骨格としつつ、1曲毎に入れ代わりで様々なゲスト・ソロイスト(管楽器奏者がメインで、ギターやヴォーカルも)(各曲1人ずつか2人ずつ)をフロントに迎えたカルテットやクインテットによる、バラード演奏に徹したコンセプチュアルな企画作品。2007年10月録音。曲は本人の自作。
★ピアノ者の、折り目正しくきめ濃やかな、涼気や透明感と堅く力強い鋭角さを併せ持った端麗タッチでの、抑えを利かせて甘苦混合の陰影深い憂愁フレーズを編み上げてゆく、一聴滑らかな中に非常に細かく凹凸明暗を表したような含蓄あるロマンティック・プレイ、がちょい質素げにじんわりと渋い魅力を放ち、フロントに立つ客人連もこれと巧いコントラストで、凛々しく華々しい主役スターぶりを鮮烈にキメてそれぞれ好インパクトを残す、色とりどりのジェントル・テイスティーな好内容である。
★落ち着いたインティメイトなリラクゼーションを底流させつつ、穏やかな中にもキリッとしたダンディズム(緊張感あるシャープな身だしなみのよさ?)を匂わせる、さりげなくメリハリの利いた夜想的な哀愁バラード・セッションが、柔和にそしてイキイキと続き、ピアノ者の、バップ&モードの基本イディオムを根幹としながら、仄暗い淡彩画を抑制調子で流麗に描いてゆくようでいて、時折ハッとするほど艶やかでキラキラした色香溢れる徒花?的アクセント・フレーズを閃かせたりもする、堅実にして幽玄豊かな熟練の語り口が優しく冴え渡っている。交代ソロイストの中では、B・ロックウェルやL・メラーのコク旨でいて節度ある端正なテナー・ブローイングや、ギターのB・ロウペのオクターヴ技も織り混ぜつつの中々慎重に練り込まれた作劇構成的ストーリーテラーぶり、辺りが特にGOOD。
1.Requiem
2.Natascha
3.Beauty
4.Friendship
5.Still Around
6.Ballade
7.You Have My Heart
8.Left Behind
9.Morning Song
10.One For Ben
11.Portraits, Poems & Places
Ole Matthiessen(p,comp)
Jesper Bodilsen(b on 2〜6)
Kaspar Vadsholt(b on 1,7〜10)
Ole Streenberg(ds on 2〜6)
Alex Riel(ds on 1,9)
Dennis Drud(ds on 7,8,10)
Bob Rockwell(ts on 1)
Jens Sondergaard(ss on 2)
Henrik Bolberg(flh on 3)
Uffe Markussen(ts on 3)
Lars Moller(ts on 4)
Jens Winther(tp on 5)
Bjarne Roupe(g on 5)
Christina Von Bulow(as on 6)
Malene Mortensen(vo on 7)
Hans Ulrik(ts on 7)
Erling Kroner(tb on 8)
Fredrik Lundin(ts on 9)
Mads La Cour(flh on 10)
2007年10月録音
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