近作でも依然元気一杯なところを見せているシカゴ・シーンの重鎮=ソウル・テナーの独創的名手ヴォン・フリーマン(1922年イリノイ州シカゴ生まれ)の、本盤は、ジョン・ヤング参加のカルテットによる、1977年8月オランダ-LarenでのNOSジャズ・フェスティヴァル出演時の放送用ライヴ音源をアルバム化した人気作「Young And Foolish」(Daybreak D 002)(CD:DBCHR 75017)に、未発表曲1つをプラスしたCD化・新装再発版。逞しげでコク味に満ちた、骨太・肉厚な濃い口トーンによる、渋いソウル・フィーリングとおおらかな歌謡性を生鮮に、力強く表した豪快ブローイングがスカッと、かつ、こってりまったりと、さすが熟練の絶好調ぶりを見せた壮快豊穣編である。いずれのトラックも尺は長めで迷いなく腰の据わった、ブルージー&スインギーな半セッション感覚の直球型ハード・バップ熱演が意気溌剌と決め込まれており、主役tsの、若々しくキレのいいダイナミックな跳躍パワーに溢れる一方、例によって微妙な粘着味やヨタり感も随所に巧みなく散りばめられる、全体的に好もしい泥臭さを呈した武骨でストロングなプレイが、理屈抜きに圧巻な説得力と濃厚な旨味を放ち続け、一方p者の、ファンキー・テイストを基調にモード色も若干加味された、ちょっとアクロバティカルなところもある機動的アクション技、もキラリとおいしく光るフレッシュな彩りを成している。超芳醇。
1. I'll Close My Eyes (B. Reid/B. Kaye)
2. Young And Foolish (A. Hague)
3. After Dark (E.L. Freeman)
4. Bye Bye Blackbird (R. Henderson)
Von Freeman (ts)
John Young (p)
David Shipp (b)
Charles Walton (ds)
1977年8月蘭Laren-NOSジャズ・フェスティヴァルでの録音
在庫有り
CD