ShaiやNocturneよりの過去作品群が好評を得ていた、フランスの主流派シーンで多忙に活躍するフランソワ(ベース)とルイ(ドラム)のムタン兄弟による快調4人ユニット(顔ぶれは前作と同じ)の一編。2007年3月ブルックリン録音。曲はオリジナル中心。キレのあるシャープな、そして重厚なダイナミズムと、コクの利いた渋旨な哀愁的情緒、にガッチリと彩られた、現代版新主流派モード・ジャズの本道然たる、ハードボイルドな熱演が精悍軒昂に展開される壮快編である。4ビート、ファンク、ラテン〜アフロ調、などなど、スタイルは多様に変転しながら、一本ビシッと太い芯の通った、勇猛でタフな硬派指向の力強い情緒型アクション、風の敢闘が中々濃厚に続き、テナー者を大方の主役としつつの、モード&ブルース&バップの伝統的イディオムに深く根を下ろした各人のストレートアヘッドなソロ活躍、が気迫と旨味たっぷりに鮮烈な見せ場を形成してゆく。ts者の、根底には烈しく猛々しいアグレッシヴな熱情を渦巻かせながら、適宜抑えを利かせてブルージーなシブめの吟醸味(や思索的・内省的な憂愁風情)も加え、陰影濃く風格ある文脈を毅然と編み上げて見せる、という、一聴武骨げ・逞しげでいて何げに筋道(構成)のしっかりした重みある語り口が殊の外テイスティーに際立っており、一方、エレピによる不思議メカニック音響も混ぜ込みつつ鋭く機動的に立ち回るピアノ者や、ブルース・フィーリングと温かなスピリチュアリティを満載したベース者の敏速アクション、も迫真力抜群でインパクト大。なお本盤は両面ディスク仕様で、CD面の裏がDVD(映像)面となっており、DVDサイドには2007年1月シカゴのSkokie Theatreでのライヴの模様(約90分、音声は2チャンネル・ステレオ)とインタビューを収録。→キリッとした(抑制ある)スタイリッシュなキメ的側面と、超白熱した怒濤のエモーショナル激走的な盛り上がり、の両極をこってり楽しませる、ライヴならではの腰の据わった長尺燃焼トラックが横溢。会心作。
1. The Speech
2. Kuki’s Dance
3. Trane’s Medley
4. A Good Move
5. Time Apart
6. Two Hits on the N.J.T.P.
7. A Blue Dream
8. Sharp Turns
Concert au Skokie Theatre de Chicago en janvier 2007 et interviews
1. Take It Easy
2. Echoing
3. Bird’s Medley
4. Surrendering
5. Something Like Now
Fran?ois Moutin(b, composition)
Louis Moutin(ds,composition)
Rick Margitza(ts)
Pierre de Bethmann(p,fender)
※CD : 2007年3月ブルックリン録音
※DVD : 2007年1月シカゴのSkokie Theatreでの実況収録
在庫切れ
リヴァーシブルCD+DVD