★まさに飛ぶ鳥も落とす勢いの益々快調な驀進が続く現代硬派和ジャズ・ピアノの代表選手=剛腕女子:片倉真由子(1980年宮城県仙台市生まれ)の、今回は、以前Days of Delightの2連作(2作同時リリースのコルトレーン集とスタンダード集)でも格別の名演を聴かせていた、粟谷巧(b)&田中徳崇(ds)との鉄壁トリオによる、録音場所も先作と同じ福岡県浮羽市、うきは市文化会館・白壁ホールで吹き込まれた片倉の自作曲をメインとする好演集;片倉のセルフ・プロデュースでMayuko Katakura Musicからのリリース。
★強堅で骨太く鋭角的キレと透明感や潤いを併せ持った芯にブレなき石転がし風ソリッド・タッチのピアノが、モード・ピアノの本道を行く殺陣っぽい力学的アクションにアーシーなブルース節やバップ文体も適量加えた、旨味充分にして甘くない、苦味走ったハードボイルド調の躍動感溢れるプレイをテキパキと精悍軒昂そうに綴って凛々しい妙味を揮い、分厚くヴォリューミーにウネり撥ねるベースやシャープに空を斬り刻むドラムのいずれも瞬発力に長けた機略縦横の助演も鮮やかにツボにハマり、的確にノリとスリルを向上させた、全編片倉一流の硬派なアクティヴィティー並びにメランコリックな思索性の彩る道筋を歯応え一杯に愉しませ、ジワリと昂揚させる密度の高い敢闘内容。
★歌心とスイング感は変らず尊重されるも決して甘さに流されることなくインストゥルメンタル・ミュージックならではのある種のメカニカルさの際立った、ブルース・フィーリングも巧まず豊富に有する毅然としたシリアスな表情のエネルギッシュだが抑制ある陰影も深いビター・テイストの機動的立ち回り熱演、が歯切れよくも強固に展開してゆき、雄弁でスピリチュアルな粟谷(b)やエッジを効かせて精巧精細にアタックしてくる田中(ds)に上手く触発されつつ、片倉(p)の、腰を据えて一切揺らぐところなく頑強に雄渾フレーズを繰り出すアドリブ奮戦が、独特の起爆感をもってタフ&スリリングな見せ場を飾り実に壮快だ。
→マッコイやハンコックの力学面を踏襲し、或いはエヴァンスから甘みを除去したようでもあるその、独自の和ジャズらしい哀愁と逞しさが加味されたちょっとグルーミー&メディテイティヴな側面もアリのピリッとしたモーダル・ダイナミズムの極みたる"片倉構文"が中々頼もしげに確立され、完成されている辺りはさすが見事で、自作曲群における幾分コワモテなストロング・イメージとラストで聴かれるアビー・リンカーン曲"Being Me"での一転してマイルド・テンダー&ハートウォーミングなしっとりとしたロマンティストぶり、の落差がまた「味」。
1. A Dancer's Melancholy
2. The Duality Of My Soul
3. Merciful Eyes
4. Dusk
5. Pursuit
6. The Circle Of Color Emotions
7. Canvas
8. Being Me (Abbey Lincoln)
片倉 真由子 Mayuko Katakura (piano)
粟谷 巧 Takumi Awaya (bass)
田中 徳崇 Noritaka Tanaka (drums)
2024年6月27&28日福岡県浮羽市、うきは市文化会館・白壁ホール録音
レーベル:
自主製作 (Mayuko Katakura Music)
在庫有り
国内自主製作 W紙ジャケット仕様CD