ジャズのCD,LPをご紹介します。メジャーからマイナー、自主制作盤までジャズのCD,LPをお届け致します。



catfishrecordsをフォローしましょう

ホーム2025年2月REVIEWクールなバップ・ピアノの残像を垣間見せつつ硬質感とシャープネス溢れる独自のダーク・ビター・リリカル・プレイに清新味を発揮した60年代ポール・ブレイ・トリオの瑞々しき出発点 紙ジャケット仕様輸入盤CD PAUL BLEY TRIO ポール・ブレイ / FLOATER & SYNDROME - THE UPRIGHT PIANO SESSIONS REVISITED
商品詳細
★24Bit&リマスタリング→音質も向上されての再発CD!
★全15曲からKing Korn(Alternate Take)とAround Again(Second Version)の2曲を除いたSAVOYセッション音源。
2025年現在、過去に発売されていたCDは廃盤ですので貴重な再発となります。
★Floater(Savoy Jazz-SJL 1148)+Syndrome(Savoy Jazz-SJL 1175)を編集。

★フリーとオーソドックスの間を自在に往来するピリ辛スパイスの効いた独創肌ピアノの耽美抒情詩人:ポール・ブレイ(1932年カナダ-ケベック州モントリオール生まれ、2016年米フロリダ州スチュアートで死去)の、本盤は、スティーヴ・スワロウ(b)&ピート・ラロカ(ds)とのトリオ編成による、1962年8月、翌63年9月に米ニューアーク(NJ州)のスタジオで吹き込まれ(ブレイの芸風・作風としては共演の顔ぶれも含めてバップ・スタイルからフリー派へと移行するその過渡期にあたる)、SavoyからLPで出ていた2作品、「Floater」と「Syndrome」(元々はこれらから8曲をセレクトして「Footloose!」としてアルバム化されていたのがオリジナルの形?)を2in1カップリング収録(但し別テイクの2曲をオミットしている)(その2曲も含めた全15曲入りの完全版も既にSavoyやGambitから出ていたが現在は入手困難)した新装CD化・再発版。

★キレ味鋭利に突き刺さる硬質タッチのピアノが、バップ・ピアノ的ダイナミズムやブルージーな吟醸感ある節回しを出発点としながら、次第にそこから離れて独自のニガみと陰影濃い乾いた感触の半抽象型パーカッシヴ傾向へ推移してゆく、甘さ控えめな中に詩情を多々有したニヒルげソリッド・プレイをシャープ&クリアーに綴って、ピリッとスパイシーかつどこか妖しい昂揚感を齎し、肉太くスピリチュアルでドライヴ感溢れる雄弁なベースや、音空間にハード・バップ的ノリを呼び込む安定律動型のドラム、らの助演と相まってアウトラインは幾分ダーク・ビターだがしっかり"グルーヴ"あるバランスのとれた歯応え充分の世界を創出した、思わず聴いているこちらの背筋も伸びる清新な会心打内容。

★グループ全体としてはハード・バップ系ピアノ・トリオのスタイル〜フォームを基調としていて歯切れよくスイングしつつグルーヴィーに邁進してゆくが、ブレイ(p)の弾奏ならびにオリジナル曲(主にカーラ・ブレイやP・ブレイ自身の手による。あと冒頭と4番目はオーネット曲)の醸し出す楽想にはカタギのバップ・ジャズから微妙に逸れた独特のドライでシリアスめ、時にはパンキッシュ(このパンキッシュさはオーネット曲の持つ明るいイカレ気分に引っ張られている傾向が多分にアリ)な趣があり、これにより上手く緊張感や刺激剤効果の保たれる中々生鮮度抜群の道程に仕上げられていて、そうした中で繰り出されるブレイ(p)のアドリブ妙技が、この時点ではまだ後年のような本格的フリー派タイプとまでは行かず、かと云ってノーマルなハード・バピッシュ・ピアノとも一線を画す、その絶妙の均衡で成り立った文脈展開が利いて瑞々しい感動とサスペンスを満喫させる。

→甘くないパーカッシヴ奏法で鋭角的にダイナミック・スイングする、という点では、似てはいないもののトリスターノやエディ・コスタ辺りに通じる味わいが認められ、バラード解釈における既に"妖魔が憑りついた"かの如き個性を覗かせたデカダン&ニヒリスティックな浪漫表現、特異な曲想といった要素も奏効、巧まずして類似例のないブレイ流のクール・ジャズ或いはクール・バップ的な(加えて後々更に発展してゆくことになる、そこはかとなく厭世観漂う内省文学路線の端緒も垣間見える)奥行きに富んだ音景色が鮮明に立ち現れており見事。

★未知の異世界へ突入せんとするブレイ(p)に比し、懸命にハード・バップのフィールドに踏みとどまろうと腰を据えるラロカ(ds)やスワロウ(b)の活躍も好コントラストでナイス。ポール・ブレイの音楽遍歴を踏まえると(=つまりバリー・アルトゥシャル-dsを大黒柱としケント・カーター-bを経てゲイリー・ピーコック-bやマーク・レヴィンソン-bらの去来した、更にはアネット・ピーコック作の独創的・神秘幻惑的楽曲群を得た60年代半ば〜後期頃のブレイ・トリオこそ、この路線における孤高の到達点と見るならば)幾分か未完成なところはあれど一聴の価値ある優れた名演作。

01. When Will The Blues Leave 6:10
02. Floater 6:29
03. Stereophrenic 5:08
04. Crossroads (The Circle With The Hole In The Middle) 5:10
05. Around Again 4:09
06. Syndrome 7:12
07. Cousins 4:42 (p & b duo)
08. King Korn 4:01
09. Vashkar 4:07
10. Ballad No.1 4:29 (p & b duo)
11. Ballad No.2 4:49
12. Ballad No.4 (p & b duo) 4:51
13. Turns 3:17

Paul Bley (piano)
Steve Swallow (bass)
Pete LaRoca (drums except 07, 10, 12)

#01〜#05:1962年8月17日米ニュージャージー州ニューアークのMedallion Studios録音
#06〜#13:1963年9月12日米ニュージャージー州ニューアークのMedallion Studios録音

レーベル:Ezz-thetics

在庫有り
輸入盤・見開き紙ジャケット仕様CD


クールなバップ・ピアノの残像を垣間見せつつ硬質感とシャープネス溢れる独自のダーク・ビター・リリカル・プレイに清新味を発揮した60年代ポール・ブレイ・トリオの瑞々しき出発点 紙ジャケット仕様輸入盤CD PAUL BLEY TRIO ポール・ブレイ / FLOATER & SYNDROME - THE UPRIGHT PIANO SESSIONS REVISITED[EZZ-THETICS 1178]

販売価格: 3,100円(税込)
数量:
商品情報
(画像をクリックすると大きく見られます)
EZZ-THETICS
(画像をクリックすると大きく見られます)
#1〜5
1962年8月17日 Medallion Studios, Newark, N.J 録音
#6〜13
1963年9月12日 Medallion Studios, Newark, N.J 録音

Sound restoration & mastering by Michael Brandli
Hardstudio AG;Liner notes by Chis May;Cover
photo by Phillipe Grass;
graphic concept by fuhrer vienna;
Associate producer;Christian C.Dalucas;
Executive producer;Werner X.Uehlinger
Honorary producer:Bernhard "Benne" Vischer

関連
【Freedom Paper Sleeve Collection vol.3  60年代から70年代にかけ、沈滞したジャズ・シーンに新たなる生命を吹き込ん だインディペンデント・レーベル,Freedom復刻第三弾 !】CD PAUL BLEY ポール・ブレイ / TOUCHING タッチング + 1
国内盤CD PAUL BLEY ポール・ブレイ /  ランブリン RAMBLIN'
CD PAUL BLEY ポール・ブレイ /  TOPSY  トプシー
CD   PAUL BLEY ポール・ブレイ / SOLEMN MEDITATION
UHQ-CD   PAUL BLEY  ポール・ブレイ  /  OPEN TO LOVE   オープン、トゥ・ラヴ
日本初CD化 CD  THE PAUL BLEY GROUP ザ・ポール・ブレイ・グループ /  HOT  ホット
CD  PAUL BLEY,GARY PEACOCK ポール・ブレイ〜ゲイリー・ピーコック /  MINDSET  マインドセット
スリルとサスペンス渦巻くトライアングル・インタープレイ型ピアノ・トリオの権化たるピリッとした本領が悠々発揮された充実未発表ライヴ! CD PAUL BLEY, GARY PEACOCK, PAUL MOTIAN ポール・ブレイ、 ゲイリー・ピーコック、 ポール・モティアン / WHEN WILL THE BLUES LEAVE
完全限定輸入復刻盤LP (見開きジャケット仕様)   PAUL BLEY  ポール・ブレイ  /  OPEN TO LOVE   オープン、トゥ・ラヴ