CATFISH RECORDS

★過去DodiciluneやこのAlfa Musicにリーダー吹き込みのあった、イタリアのキャリアあるピアニスト：フランチェスコ・ヴェネルッチ(1968年イタリアのローマ生まれ)の、今回は、アルゼンチン出身(主にイタリアで活動)のマルチ・リード名手：ハヴィエル・ジロット(1965年アルゼンチンのコルドバ生まれ)(本盤ではソプラノサックスをメインに吹き、バリトンや民俗フルートに転じるところもある)をフィーチュアしたカルテットによる一編。作曲&編曲は全てヴェネルッチ本人による。

★折り目正しくきめの細かい端麗にして豊潤なクリアー・タッチのピアノが、奥深き哀愁ロマンとバピッシュなグルーヴの掛け合わされた躍動型リリカル・プレイを軽快かつ精緻に紡いで、均整のとれた安定感ある、そして陰影にも富む余情豊かな魅力を揮い、鋭く囀るソプラノや豪快重厚に太々と吠えるバリトンも華々しくもテイスティーに和やかな拮抗ぶりを見せた、全般にごく分かりやすく親しみやすいアクティヴ抒情派タイプの現代モード系ハード・バップ演奏が終始輪郭も鮮明に繰り広げられて、至って真っ当に愉しませ感動させる誠心こもった衒いのない好投内容。

★歌心とスイング感を何より大切にしブルース・フィーリングも潤沢に備わった、ほぼ一貫してインティメイトな和気やリラクゼーションが好もしく空間を支配する明快この上なし、取っ付きやすさ抜群な人情娯楽派の鑑たるメロディック・グルーヴィー奏演が歯切れよくノリよく展開してゆき、ストレートアヘッドなハード・バップらしさとヨーロピアンならではの牧歌的ロマネスク詩情(やエレガンス)がバランスよく融和した流麗滑脱なる道程の中、ヴェネルッチ(p)とジロット(ss,bs他)の二人主役体制っぽいソロ・コーナーが実に豊饒で味わい深い盛り上がりを見せて全くゴキゲンだ。

★ヴェネルッチ(p)の、ハンコックやマッコイの成果を踏まえた上でそれをユーロ流にソフト・スマート化し、更にクラシック・ピアノに由来したと思しき荘厳優雅さも加えてあくまで吟遊詩人体質の筆運びを貫く、という、力学指向的硬派面と欧州流儀のポエティック面がごく自然に共存した中々打鍵も強いクッキリしたその弾鳴は一切ブレるところがなく美味さと説得力絶大で、かたやジロット(ss,bs他)の、メインとするソプラノではレイシーともリーブマンともコルトレーンともショーターとも異なる、ハイテクニカルでありながら独特の丸みを帯びた憂きロマンティストぶりを悠々と発揮してその響鳴に心地よく浸らせ、バリトンに持ち替えてはペッパー・アダムス寄りにもジェリー・マリガン寄りにも自在に推移する劇的語り口を余裕で披露し大いにウナらせる、といった具合で、そうした懐広さや円熟を呈した個性もこれまた滋味豊かで格別。

01. I Funamboli
02. Il Tempo Stinge
03. El Chiquiriño
04. Just A Ballad
05. Piccadilly Circus
06. Le Stagioni
07. Dream
08. Indian Summer
09. Girotondo
10. Lament Song

Javier Girotto (soprano saxophone except 02, 04, 09) (baritone saxophone on 02, 04, 09) (bamboo flute on 10)
Francesco Venerucci (piano) (keyboard on 09, 10)
Jacopo Ferrazza (bass)
Ettore Fioravanti (drums)

2024年イタリア作品

レーベル：Alfa Music

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輸入盤CD
入荷予定時期：2025年1月下旬〜2月上旬 受注締切：2024年12月19日
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