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ホーム2025年2月REVIEW剃刀と剃刀が敏速にぶつかり合うかのような強硬で妥協なきフリー・インプロ激突がシャープ&ソリッドにけたたましく展開される圧倒的昂揚編!壮快!!! 輸入盤CD SCHLIPPENBACH/NARVESEN DUO シュリッペンバッハ&ナルヴェセン・デュオ / KAIROS
商品詳細
ドイツ・フリー派ピアノの巨匠:アレクサンダー・フォン・シュリッペンバッハ(1938年ドイツのベルリン生まれ)の、ここ凡そ10年来頻繁に活動を共にし、レコーディングの上でも過去デュオ・アルバム2作品やシュリッペンバッハ名義のオーケストラ作品などで息の合ったところを見せてきた、ノルウェーの即興派ドラマー:ダグ・マグヌス(またはマニュス?)・ナルヴェセン(1983年生まれ)、との名コンビによる、今回はまた差し向かいのデュオ・フォーマットでのアルバム3作目。岩石様の硬角質タッチで甘さを排したアブストラクトの極致を示す半記号的パーカッシヴ打撃音をガキゴキ連ねてゆくピアノが厳然とハードコアな気魄を放ち、不気味な生き物の蠢きのようでありその殊の外すばしっこい速射砲撃の中に独特のグルーヴ感を匂わすところもあるドラムのゲリラ・アタック!がまた中々アジな閃きを見せた、全体を通じ両者の打楽器タイプの戦闘的ぶつかり合い〜アクション交感が結構歯切れよく壮快に昂揚気分ならびに生々しいサスペンスを齎す、意外にスカッとした会心打内容。抽象性や破壊力に溢れたダイナミックな妥協なきフリー・インプロ激突が強硬に推し進められてゆき、一触即発の圧倒的緊迫感・起爆感に貫かれたシリアスなやりとりが、しかし「曲」という比較的簡潔な区切りをつけつつ(但しこれが曲の体をちゃんと成しているかどうかと云うとそこらへんの情勢は極めて自由奔放でありちょっと微妙なところ)展開してゆく様は、分かりやすさこそないものの立ち回り〜殺陣の妙味に特化したかのような「音の活劇」めいた面白さがあり、ドラムの全機能をフル稼働させて機略縦横に迫るナルヴェセン(ds)、そしてコワモテな打楽器戦法と半バラード的耽美哀愁描写の両極端をイキイキと往来するシュリッペンバッハ(p)、それぞれのインプロヴァイザーとしての最良の姿が鋭く捉えられていて何げに卓抜だ。シュリッペンバッハ(p)の、ピアノを打楽器の集合体として烈しく騒々しく(けたたましく?)攻勢をかけてくる純度の高い抽象面と、妖しく物憂き詩情や浪漫を映すヨーロッパ・フリー派一流のバラード解釈、の双方にさすが鍛え抜かれ磨き抜かれた練達、加えて生鮮度抜群の輝きが示されており、その一貫してダーク・ビターでシャープ&ソリッドな音像とも相まってのっぴきならない切迫した音景色が立ち現れていて圧巻。かたやナルヴェセン(ds)の、殺気をもって荒々しく攻め立て、シュリッペンバッハの一音一音に執拗に喰らいついてゆく風な何げに獰猛さある大暴れぶりも凄味十二分で好インパクト。

01. Fuga Continuum 6:08
02. Intralude 3:35
03. Syncopsis 4:06
04. Sweeping Statements 4:45
05. Tranquil Modality 8:50
06. Furiosa 4:39
07. Arcani Numeri 2:28
08. Obscura Sententia 2:44
09. Torso 5:20
10. Wayang 7:38
11. Fuga Futura 6:03

Alexander von Schlippenbach (grand piano)
Dag Magnus Narvesen (drums)

2021年1月19日ドイツ-ベルリンのBerlinaudio録音

レーベル:Fundacja Słuchaj!

在庫有り
輸入盤・見開き紙ジャケット仕様CD



剃刀と剃刀が敏速にぶつかり合うかのような強硬で妥協なきフリー・インプロ激突がシャープ&ソリッドにけたたましく展開される圧倒的昂揚編!壮快!!! 輸入盤CD SCHLIPPENBACH/NARVESEN DUO シュリッペンバッハ&ナルヴェセン・デュオ / KAIROS[FSR 262024U]

販売価格: 2,750円(税込)
数量:
商品情報
Fundacja Sluchaj

★アレクサンダー・フォン・シュリッペンバッハが、2014年以来高い評価を得ているノルウェーのドラマー/パーカッショニスト/カラリストのダグ・マグナス・ナルヴェセンとデュオを組むことは、ほとんど珍しいことではなかった。 世代も文化も異なり、即興音楽に対する独自のアプローチを持つナルヴェセンは、現代ノルウェーのジャズ・シーンの多様性から得た経験に加え、正確な瞬間に正確なものを演奏するという、決して教えられることのない貴重な才能を提供してくれる。

★アレクサンダー・フォン・シュリッペンバッハとダグ・マグナス・ナルヴェセンが初めて出会ったのは、前者がスタヴァンゲルを拠点とするキッチン・オーケストラ(スカンジナビア屈指のフリー・ジャズ・アンサンブル)のレジデントだった時だ。 彼らは2014年、ベルリンのヴァイセ通り24番地にあるクラブ、ソヴィエソで初のデュオ・コンサートを共演した。 文化や世代の衝突となる可能性もあったこのコンサートは、実りあるコラボレーションを予感させるような、両ミュージシャンの予想を超えた目的の一致を達成し、心を通わせるものとなった。

★2018年には初の共演アルバム『Interweaving』が、続く2019年にはライヴ盤『Liminal Field』がリリースされた。 2024年、シュリッペンバッハはドイツ・ジャズ賞(生涯功労賞)、ドイツ・ジャズ賞(ピアノ奏者部門)、ベルリン・ジャズ賞を受賞し、シュリッペンバッハ/ナルヴェセン・デュオは結成10周年を記念して、3枚目のアルバムとなる本作『Kairos』を発表した。 シュリッペンバッハの「空間を持ったメロディー」は、ナルヴェセンとの対話を発展 & 結実させている。(Stuart Nicholson氏のライナーを抜粋)

Recorded 19th January 2021 by Christian Betz at Berlinaudio, Berlin, Germany.
Mixed and edited by Dag Magnus Narvesen. Mastered by Olaf Rupp.