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ホーム2024年12月REVIEW2ギターのメロウ&アンニュイな牧歌的フォーキー・プレイにあてどなく宙を浮遊するアルトサックスのソフト・テンダーな憂愁ブロウが風流に絡む深山幽谷の趣を宿した夢幻音空間 輸入盤CD JAKOB BRO ヤコブ・ブロ / TAKING TURNS テイキング・ターンズ
商品詳細
★コペンハーゲンとニューヨークを行き来しつつ精力的に活動、かつてはポール・モティアン・バンドとトマシュ・スタンコ・クインテットのレギュラー掛け持ちで超多忙な八面六臂ぶりも見せていた、リーダー・アルバムも多数発表して高い評価を得ている、デンマークの人気個性派ギターの雄:ヤコブ・ブロ(1978年デンマーク生まれ)の、本盤は、いずれも度々共演している故リー・コニッツ(as,ss)とビル・フリゼール(g)をフィーチュアしたセクステット編成による、2014年3月ニューヨークのアヴァター・スタジオで吹き込まれていた未発表の一作。

★左右に分かれた2ギターのあくまで穏やかな息遣いでメロウ&アンニュイに憂き詩情を映すレイジー・メロディック・プレイや、律動的でいてたゆたうようでもあるベース&ドラムの響鳴、がリラクゼーションとサスペンスの中間ぐらいの幽遠なる音空間をちょっと控えめに形作る中で、あてどなく宙を浮遊するかの如き、それでいて優しく牧歌的な美旋律を奏でるアルトが夢幻のようにどこか儚く霞んでゆく風な華を成し、時折後ろの方から聞こえてくるクールなピアノ弾鳴も全体に上手く透明感と潤い(+爽涼さ)を齎した、全体の構図として花形役はサックスではあるもののしかし2ギター・アンサンブルの妖しいメランコリー漂うまろやかな鳴り様がトータル・サウンドの物悲しき心象風景っぽさ〜奥深い性質を決定づけている感じもある、不思議なバランスで成り立った独創性溢れる抒情世界。

★無重力遊泳する或いはゆったりトグロを巻くようなスペイシー&スローリーなバラード・コンセプトを基調とした美メロ重視の優しいリリカル妙演、が独特の艶と香りをもってしっとり展開してゆき、シリル(ds)&モーガン(b)の落ち着いて慎重にグルーヴとスリルを醸成する折り目正しい立ち働きも快適に、そしてモラン(p)はリズム・セクションではなく"音響役"に回ったひたすら心地よく流れてゆく和んだ道程の途上、登場するやその圧倒的存在感で理屈を越えた蠱惑力を発揮するコニッツ(as)を中心として、内省スケッチのようであり風流な旅唄のようでもある即興妙技が微カラフル&テンダーに次々と繰り出され、味わい深く愉しませる。

★ソロに関しては殆どコニッツ(as)の一人勝ちな印象もあり、その端正であり無欲恬淡そうでもある侘び寂の境地に達したかの如き哀愁節が何とも雅やかで妙味豊かだが、ブロ(g)とフリゼール(g)の吟遊牧歌詩人っぽく達観した趣のフォーキー・ブルージー技にも得難い魅力があり、個人芸に着目すれば大体そういったことになるのだけれど本作のキモ〜真髄はソロ云々よりも作曲面・編曲面まで含めたコンセプチュアルなトータル音響のあり様、空間理念の深遠さにこそあり、という感触だ。何げにユニーク。

1. Black Is All Colors At Once
2. Haiti
3. Milford Sounds
4. Aarhus
5. Pearl River
6. Peninsula
7. Mar Del Plata (quintet)

Jakob Bro (guitar)
Lee Konitz (alto saxophone except 2, 7) (soprano saxophone on 2)
Bill Frisell (guitar)
Jason Moran (piano)
Thomas Morgan (double bass)
Andrew Cyrille (drums)

2014年3月米ニューヨークのAvatar Studios録音
2024年作品

レーベル:ECM

在庫有り
輸入盤スリーヴケース仕様CD

2ギターのメロウ&アンニュイな牧歌的フォーキー・プレイにあてどなく宙を浮遊するアルトサックスのソフト・テンダーな憂愁ブロウが風流に絡む深山幽谷の趣を宿した夢幻音空間 輸入盤CD JAKOB BRO ヤコブ・ブロ / TAKING TURNS テイキング・ターンズ[ECM 750 6872]

販売価格: 2,900円(税込)
数量:
商品情報
ECM

★繊細なサウンドに定評のあるデンマーク人ギタリストが、多世代にわたる個性豊かなインプロヴァイザーたちと共演した10年前の貴重なセッション。

■今作品は新作といえども、10年前にニューヨークで録音されたもので、転換期におけるヤコブ・ブロの音楽のスナップショットと言える内容。ブロのセッションを年代順に並べたディスコグラフィでは、ECMからリリースされたデンマークのギタリストのリーダー・デビュー作『ゲフィオン』の数ヵ月後にあたる。雰囲気的にもコンセプト的にも、サックス奏者リー・コニッツとの初期の仕事を拡張し、丸くまとめたものである。参加メンバーは、コニッツのほか、現代ジャズを代表するギタリストの一人、ビル・フリゼール、実力派ピアニスト、ジェイソン・モラン、長く一緒に演奏しているトーマス・モーガン(double-b)、そしてヴェテラン・ドラマー、アンドリュー・シリル(ds)と注目の面々。

●『クールの誕生』以降のジャズ史における重要人物であるコニッツは、ポール・モチアンの推薦で2008年にヤコブ・ブロの音楽活動に加わり、ブロ自身のレーベルからリリースされた3部作のアルバム『Balladeering』、『Time』、『December Song』に参加した。 このコラボレーションによって、彼の優先順位が変わったとヤコブは言う。「リーが私の作品を演奏し始めたとき、自分に合う方向性を見つけたと感じたんだ。 即興演奏家としてのコニッツの偉大さを考慮すれば、当然のことのように思えるかもしれないが、私にとっては天啓だった。初日から、リーは私の音楽をかなり自由に解釈し、メロディのまわりで演奏し、ほのめかし、必ずしも書かれたとおりに演奏するわけではなかった。 そして、グループ・サウンドが自然なバランスと流れを見つけるために、どれだけの音楽を持ち込むべきか、どれだけの方向性を与えるべきかについて、新しい方法で考えさせられた。それ以来、ずっとそれを模索している」。

●ヤコブ・ブロは、この11月に6年ぶりの来日ツアーが決まっており、さらに本作品のレコーディングの時期も捉えているドキュメンタリー映画『ミュージック・フォー・ブラック・ピジョン』が2025年2月28日から日本で劇場公開が決定。現代ジャズのトップで活躍する世界的に有名なジャズ・プレーヤーたちは、何を考え、何を感じているのか。彼らの貴重なレコーディング風景や日常を、実に14年もの歳月をかけて追い続け、ジャズの生まれる瞬間をとらえた音楽ドキュメンタリーとのことで、音楽ファンはどちらも見逃せなさそうだ。(新譜インフォより)

Recorded March 2014
Avatar Studios,NY
Engineer : James A.Farber
Mixed August 2024
by Thomas Vang(engineer) and Jakob Bro
at the Village Recording Studio,Copenhagen