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ECMならではのリリシズムとメランコリーの流れを汲むスイス人ピアニスト、コリン・ヴァロンの7年ぶりとなるトリオ作品。
●2017年にリリースされた前作『Danse』以来の作品で、このメンバーのトリオとしては3枚目。3人のケミストリーはさらに強く進化し、分厚い音のタペストリーをより深く掘り下げている。ダイナミックな極端さが追求され、メロディ、ハーモニー、ビートなど、曲調のフックが辛抱強く組み立てられ、しばしば魅惑的な形で完成する。微妙なリズムのひねりや、ピアノの3連符を中心に構成された和声進行が、アート・ロックの世界からの最先端のインスピレーションを思い起こさせる場面もあれば、緊密なジャズ・トリオが、耳を澄まし、反応することに重点を置いた室内楽的なサウンドを精巧に表現している場面もある。全体として、さまざまなパルスは、心臓の鼓動のように音楽を貫く根底にあるテーマによってつながっている。
★「ラシーン」(根)、「ロンス」(荊またはブラックベリー)、「ブリン」(小枝または草の葉)、「サマレス」—コリン・ヴァロンの新しいトリオ・アルバムの結合概念は、構成される曲とタイトルに明確に綴られている。フランス語の 「Samares」は、サマラという実のことを指している。サマラは、見た目は種と葉の中間のような形をしており、翼のような羽ばたきが特徴だ。このイメージは、このトリオ・アルバムを通して展開される瞑想的な音世界にこれ以上ないほどふさわしい。今回もコントラバス奏者のパトリス・モレとドラムスのジュリアン・サルトリウスを従え、スイス人ピアニストは、自然(特に植物)からのインスピレーションを有機的なグルーヴとテレパシーのような相互作用で映し出すプログラムを展開している。ジャズタイムズ誌は、後者を「クールな冷静さ、執拗なグルーヴ、ポスト・ポストモダンの感性」と評している。
●多民族国家スイスらしく、東ヨーロッパ、バルカン半島そしてトルコに至る多種多様な音楽要素をブレンドしつつ、現代的なセンスで紡ぎだされるその繊細かつ鋭敏でメロディアスな世界は、非常に高い評価を受けているピアニスト。
●本作では全9曲、すべてヴァロンのオリジナル曲。
●2025年初頭に来日公演を予定。(新譜インフォより)
1. ラシーン
2. マーズ
3. ルー
4. ロンス
5. エタンセル
6. ティモ
7. サマレス
8. スーシ
9. ブリン
コリン・ヴァロン Colin Vallon(piano,electronics)
パトリス・モレ Patrice Moret(double-bass)
ジュリアン・サトリウス Julian Sartorius(drums)
御予約商品
国内製作 SHM-CD
2024年12月4日発売予定