山下洋輔トリオ、沖至トリオ、大野雄二トリオ、そして笠井紀美子。3組のトリオに1人のヴォーカリストで、トリオ・バイ・トリオ・プラス・ワン。1970年に行われたジャズ・ワークショップの実況録音で、オリジナルはビクター<日本のジャズ>シリーズの1枚としてリリースされた。ミュージシャンの並びを見るだけで、只ならぬ空気が漂ってくる特別な作品だ。時代の寵児としてシーンを先導していた山下。1960年代半ばに大阪から上京し注目を集めていた沖。しなやかな音楽性でモダン・ジャズからニュー・ジャズまでをこなしていた大野。そして、今まさに花開こうとしている笠井。それぞれの演奏が強力で魅力的なことは言わずもがな、本作には、後にも先にもない沖トリオ+大野トリオ+笠井の7人編成による演奏が収録されていることに注目したい。改めて日本のジャズがいかに独創的だったのかを思い知る、弩級の2枚組である。text by 尾川雄介 (UNIVERSOUNDS / DEEP JAZZ REALITY)
トラックリスト:
Side A
1. ドレ / 山下洋輔トリオ
※山下洋輔トリオ / 山下洋輔(p)、中村誠一(ts,ss)、森山威夫(ds)
2. 木輪〜グガン / 山下洋輔トリオ
※山下洋輔トリオ / 山下洋輔(p)、中村誠一(ts,ss)、森山威夫(ds)
Side B
1. 空間への飛翔 / 沖至トリオ
※沖至トリオ / 沖至(tp)、翠川敬基(b)、田中穂積(ds)
2. 水との対話 / 沖至トリオ
※沖至トリオ / 沖至(tp)、翠川敬基(b)、田中穂積(ds)