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ホーム2024年10月REVIEWアメリカン・ファンキー・バップの粋渋吟醸感を基調にヨーロピアンらしい耽美牧歌性も程好く加味された人情溢れるメロディック・ピアノ益々絶好調! CD FRANCESCA TANDOI TRIO フランチェスカ・タンドイ・トリオ / HOPE ホープ
商品詳細
★澤野やalbore、Birdbox等よりの諸作で好評を博してきた、イタリア出身の人気女性ピアニスト兼ヴォーカリスト:フランチェスカ・タンドーイ(1984年イタリアのローマ生まれ)(蘭ハーグ王立音楽院に学ぶ)(主な活動拠点はやはりオランダか?)の、シンプルなトリオ編成によるヴォーカルも3曲で聴かせる一作。

★骨太く重みがあって鋭角的キレのよさと濃い陰影を有した固いストーン・タッチのピアノが、"アメリカン小唄の心"をしっかり汲んだイキでシブい旨口のメロディー感覚とアーシー&ソウルフルなブルース・センス、ソリッド&スクエアーな伝統的バップ・ピアノの言語マナーをそれぞれふんだんに掛け合わせた、ごく親しみやすいド直球のメロディック・スウィンギン・プレイを歯切れよく紡ぎ、或いはまたオリジナル曲やイタリアン・ナンバーの一部ではヨーロピアンならではの耽美性・吟遊牧歌性なども発揮、加えて涼やかで仄かに翳りある弾き語りヴォーカルも絶妙のタイミングで現れて、上手く清新に興を散らして見せた、トータルとしては優しい人情味と美旋律フィーリング溢れるメインストリーム・ピアノのリリカル面を理想的に体現したその個性が奮いに奮って爽やかな魅力を放ち、ベース&ドラムの堅実にして機略縦横の瞬発力にも長けた律動的かつ半遊撃的サポートもピタリとツボにハマッた、全体を通じ至ってオーソドックスな抒情指向の大衆娯楽的行き方が続いて、スッキリと愉しませる快演内容。

★歌心とスイング感に重点を絞り、ブルース・テイストやバップ魂も自ずと潤沢に備わった、明るく晴れやかでシンプル・ストレートこの上なき「潔し!」の溌溂としたハートウォーミング・ハード・バップ大会が楽しげに展開してゆき、1曲1曲は比較的簡潔にまとめられたトントン拍子に進む快テンポの道程の中、コク深いSenni(b)や威勢のいいパンチ・キック力抜群なLandesbergen(ds)にも適所適量バトンが渡されて色彩転換が図られつつ、一貫して主役タンドーイ(p)の余裕と品格とはや円熟を感じさせるアドリブ妙技が、瑞々しさと芳醇さを兼ね備えた鮮麗なる冴えを見せていて全く素晴らしい。

→先述した通りオリジナル曲辺りでは欧州人らしい浪漫詩人の才覚が垣間見られるところもあるが、それもさほど凝ったものではなくエヴァンスをユーロ化してルイス・ヴァン・ダイクとかに近づけた感じのごく分かりやすい趣であり、それよりもタンドーイの本領はむしろメインストリーマー然たる"ファンキー・バップ"的アプローチにこそ遺憾なく伸び伸びと発揮されていて、ファンキーとは云っても軽涼なブロック・コード云々の細い行き方でなくもっと線の太い分厚めの石団子(?)をぶつけてくるような男性的ダイナミック・スウィンギン・アクションに確たる揺るぎない妙味を示す、という、そうした、粋渋な吟醸感溢れるアメリカ正統派ジャズへの深い憧憬の顕れ様が説得力&旨味をもって迫ってくるその一つ一つの弾鳴は、殊の外テイスティーだ。

01. Old Devil Moon
02. Gee, Baby, Ain't I Good To You
03. Hope
04. Forse
05. I'll See You In My Dreams
06. A Time For Love (solo vo/p)
07. Moanin'
08. The Gentle Art Of Love
09. 'S Wonderful
10. Step Right Up
11. Old Folks

Francesca Tandoi (piano) (vocal on 04, 06, 09)
Stefano Senni (bass except 06)
Frits Landesbergen (drums except 06)

2023年録音
2024年作品

レーベル:澤野工房

在庫有り
デジパック仕様CD
※このCDのみご購入ご希望の場合は送料込み価格2,640円です。

アメリカン・ファンキー・バップの粋渋吟醸感を基調にヨーロピアンらしい耽美牧歌性も程好く加味された人情溢れるメロディック・ピアノ益々絶好調! CD FRANCESCA TANDOI TRIO フランチェスカ・タンドイ・トリオ / HOPE ホープ[AS 504]

販売価格: 2,520円(税込)
数量:
商品情報
澤野工房

★サワノらしい新しさと懐かしい響きを持った作品。
そこに程よいイタリア的哀感も加わった、フランチェスカの魅力全開盤!!

★イタリア生まれ、オランダでピアノと歌を学んだというフランチェスカ。ピアノトリオの名門サワノのお眼鏡にかない、いままでに3枚の作品をリリースしていて、本作が4枚目。

★サワノのピアノトリオというと、やはり(ざっくりと)欧州ジャズの美しさをパッケージしたものが多いのですが、フランチェスカはちょっと持ち味が違うんですよね。地がファンキー、それも 50 〜 60’s のマナーに通じていて、惚れ込んでしまいます。
例えば、オープニング「Old Devil Moon」、次の 2「Gee , Baby , Ain't I Good to You 」。このファンキーなフィーリング、レイドバックしたブルース感はどうでしょう。続く、 3「Hope」 、5「I'll See You in My Dreams」は彼女の自作曲。イタリアらしい、カラッとした哀愁と美しいメロディがたまりません。そして、もう一つの魅力がヴォーカルです。 4「Forse」は同郷のピアニスト、ブルーノ・マルティーノの曲。イタリア語による艶やかな弾き語り。途中のピアノソロも感情豊かでいい。さらにファンキージャズといえば、7「Moanin '」は来日コンサート(2016年)でも弾いていた彼女のルーツにある曲。8 のオスカー・ペティフォード、 10オリヴァー・ネルソンの隠れたジャズオリジナル曲を取り上げるのも興味深い。最後の11「Old Folks 」... ... 何か引っかかると思ったら5拍子に編曲された演奏でした。全曲を聴いて、サワノらしい新しさと懐かしい響きを持った作品ですね。そこに程よいイタリア的哀感も加わった、フランチェスカの魅力全開盤だと思います。
Text by 神尾 孝弥