CATFISH RECORDS

★過去にもこのProphoneにリーダー録音のあった、ストックホルム・シーンで活躍するスウェディッシュ・トランぺッター：エーリク・パルムベリの、前作と同じ顔ぶれの鉄壁カルテットを率いての自作曲中心の一編。

★ごく自然に呼吸するかのようなまろやかで滑らかな風合いを呈し、と同時に力強く躍動する雄渾のアクティヴィティやちょっとハスキーに掠れる辺りには独特のシャープネスが仄めいたりもする、中々細かなニュアンスを感じさせるリキみなきマイルド・フレッシュ・トーンのトランペットが、北欧ジャズらしいクール・テンダーな詩的情緒や牧歌性とハード・バッパー体質のダイナミック・グルーヴ傾向を上手いバランスで掛け合わせた、リズミカルな動きのあるメロディック・プレイを敏活滑脱に繰り出して、スッキリとした生鮮で爽やかな魅力を放ち、幾分フォーキーなピアノやコク深くウネる濃い口ベース、鋭く斬り込みパンチ・アタックを掛けてくるドラム、らの活躍もそれぞれハマるべきツボへ絶妙にハマりきった、全体を通じナチュラルに醸し出されるスカンジナヴィアン・カラーとオーソドックスなハード・バップ・テイストの融和した音空間に清新気分で心地よく浸れる、至ってハートフルな好演内容。

★歌心や詩趣と今風のスイング感を何よりキッチリ重んじる、親しみやすい温もりと旨味が清々しく伝わって来て実にイイ心持ちの抒情派快演が、柔和にして歯切れよくもある調子で展開してゆき、1曲1曲は比較的簡潔にまとめられたスイスイ好テンポで進む道程の中、リズム・セクションのいずれも芸の細かい気配りのこもったサポートも各々キラリと光りながら、フロントに立つパルムベリ(tp)のアクティヴだが結構マイペースの安らかさを絶やさず、イキのいい立ち回りにあっても一定の節度と余裕を変らず身上とした哀愁漂うアドリブ妙技が、含蓄豊かに冴え渡って素晴らしい。

→オリジナル曲の曲想にはフォークやゴスペルとかにも通じる北欧固有のブルース感覚ならびに吟遊牧歌性が見え隠れするところもあるが、パルムベリ(tp)の吹奏は必ずしもそれに引っ張られずロマネスクな中にもハード・バップらしさを失わない、トータルとしては巧まずレイドバックした精悍でありつつメロウ&ソフトでもある何げに幽玄深き音キャラにゆとりをもって仕上げられており、そうした抜群の鮮度と懐の広さを併せ持った吹鳴〜個性のあり様は大いにデリシャスかつ説得力十二分だ。パルムベリに代わって?おおらかなフォーク調やアーシーなR&B風などに目一杯振り切った劇的ジグザグ感ある立ち働き(緩急も中々巧みだ)を見せるドロムベリ(p)の奮戦もナイス・アクセント。

01. Faces (Erik Palmberg)
02. Daybreak (Erik Palmberg)
03. French Flavors (Erik Palmberg)
04. Behind The Clouds (Erik Palmberg)
05. Birch Trees (Erik Palmberg)
06. Hits And Misses (Erik Palmberg)
07. I Remember You (Victor Schertzinger / arr. Anton Dromberg)
08. Silver Moon (Erik Palmberg)
09. Views (Erik Palmberg)
10. Moon And Sand (Alec Wilder)

Erik Palmberg エーリク・パルムベリ (trumpet) (flugelhorn on 02, 10)
Anton Dromberg アントン・ドロムベリ (piano)
Niklas Wennström ニクラス・ヴェンストレム (bass)
Sebastian Voegler セバスチャン・フォーグラー (drums)

2023年11月22日,2024年4月19日スウェーデン-ストックホルムのリクスミクスニングヴェルケット(Riksmixningsverket)録音
＊追加録音：2024年4月5日ストックホルムのヤードハウス・スタジオ(Yardhouse Studio)

レーベル：Prophone

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CD
入荷予定時期：2024年10月下旬
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