★ニューヨーク・シーンで活躍するイスラエル出身の若手ベーシスト:イーラム・フリードランダー(1994年イスラエルのエルサレム生まれ)の、エイブラハム・バートン(ts)、ルイス・ペルドモ(p)、エリック・マクファーソン(ds)という強豪達と組んだカルテットによる中々肝の据わった一作=自作曲集。
★絞りを利かせて鋭く雄叫びを上げ、また滑脱スムースに流線形を描くリラックス面もあるフロントのテナー吹鳴が先ずは精悍朗々とヒロイックに華を成し、バネの効いたドライヴ感溢れるウネり波打ちを見せるベースも絶えず芳醇なコクとグルーヴを発散、また、甘さ控えめの硬質な殺陣風立ち回りで空間全体をピリッとさせるピアノや、シャープかつ精確に空を斬り刻むドラムらの働きも各々鮮やかにツボにハマりきった、全体を通じ現代流ポスト・バップの正統、ワンホーン・カルテットの本道たる正攻法熱演が続いて、壮快な昂揚感と旨味が堪能できる好投内容。
★歌心とスイング感を大切にするも甘すぎず一定の苦味走ったハードボイルドさの保たれる、ブルース・フィーリングにも富んだ至って真っ当な今日版ハード・バップ奏演が歯切れよく凛として展開され、随所に浮かび上がっては多彩で雄弁なソロをとるフリードランダー(b)のハッスルぶりもフレッシュ&テイスティーに際立つ中で、悠々と王者の貫禄を見せるバートン(ts)や、陰影豊かで彫りの深いビタースウィート節を紡ぐペルドモ(p)、らの活躍が、マクファーソン(ds)のパンチある敏捷アタック!にも上手く鼓舞されつつ迫力十分に見せ場を飾って、スリリング・グルーヴィーな硬派雄渾の音風景〜力強いタフネス孕むロマン世界を愉しませる。
★一座の花形役を担うバートン(ts)の、バップ&ブルースのオーソドキシーに則った粋渋な吟醸ブロウと、よりモーダル・アグレッシヴな熱情的アクション咆哮を的確に使い分けながら流麗に筆を滑らせてゆくその、先ず何より音色そのものに顕れる艶と薫りに満ちたスター性に心地よく圧倒される吹鳴のあり様が何ともアジな煌めきを放っていて卓抜で、かたやペルドモ(p)の、バッキング時にはエレガントな耽美性も垣間見せつつソロ・パートになると大凡のところキリッとしたソリッドな力学手法〜ダイナミズム表現で塩梅よく緊張感を齎す、という役回りを心得た的確なドラマティック弾術も見事。
1. Fire
2. Water
3. Earth
4. Air
5. Epilogue
Abraham Burton (tenor saxophone)
Luis Perdomo (piano)
Elam Friedlander (bass)
Eric McPherson (drums)
2023年4月15日米ニューヨーク市クイーンズ区ロング・アイランド・シティのGB's Juke Joint LIC録音
2024年カナダ作品
レーベル:
Cellar Music (Cellar Live)
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