★徹底して明朗快活に親しみやすいエンタテインメントを志向して他の追随を許さぬ、これぞジャズ・ピアノたるモダニッシュ・ブルージー・ピアノの天下無敵の巨匠:オスカー・ピーターソン(1925年カナダ-ケベック州モントリオール生まれ、2007年カナダ-オンタリオ州ミシサガで死去)の未発表音源を発掘リリースするMack Avenueの好評シリーズ第4弾、=今回は、ピーターソンが脳梗塞を患って1年後の1994年11月、ライヴ活動を再開して間もない頃の独ミュンヘンでのステージの模様を捉えた初出ライヴ編。編成は、ローン・ロフスキー(g)、ニールス=ヘニング・エルステッド・ペデルセン(b)、マーティン・ドリュー(ds)とのカルテット。
★ドラム&ベースの圧倒的なまでにノリノリでスイングしまくる躍動や、潤い溢れるトーンでブルース&バップの権化然たる旨口ワザを繰り出すギターの立ち働き、にガッチリとプッシュされながら、キレよく粒立ちのいい輪郭のクッキリした、そして重心もしっかり安定したクリアー・タッチのピアノが、ファンキー&アーシーなブルース色濃くも適度に好もしいハッタリ(もしくは装飾)の利いた敏速アクションであったり、ウォーム&テンダーにしっとりと和ませる端正な寛ぎ節であったり、正々堂々と真っ直ぐに豪快驀進する粋でイナセなダイナミック・ブルージー・スイング攻勢であったりと、一貫して人情味に満ちた大衆派娯楽の王道を行くソウルフル・メロディック・プレイを嬉々として愉しげに綴って、これぞテイスティー・グルーヴィーの極み、ブルース系バップ・ピアノの真髄とも云うべき超おいしい華を成した、ひたすらノリよくもハートウォーミングな、思わずウキウキさせられる会心打内容。
★歌心とスイング感とブルース・フィーリングに潔くポイントを絞り込み、無論バップ・スピリットも云うに及ばず潤沢に備わった、ワンポイントのゆとりとウィットをもって軽妙洒脱に律動し、邁進する晴れ晴れとしたエンターテイニングな行軍が続き、クリスチャン〜ケッセル系の正統らしいロフスキー(g)や雄弁でスピリチュアリティと温もり一杯のペデルセン(b)、らにも随所で見せ場が振られる色彩感に富んだ半ドラマティックな道程の中、ピーターソン(p)の、悠々と構えた王者の風格を感じさせる吟醸味たっぷりの鍛え抜いたアドリブ至芸が、コク深くも懐の広そうなさすが練達の魅力を放ってゴキゲンだ。
→例によって豪放磊落でダイナミックなケレンないしアクロバティカルさを含んだ活劇ヒーローを思わせる大立ち回り=アクションが鮮やかに炸裂するところもあるが、本盤に限って云うならそれよりもむしろ落ち着いた調子で繰り出されるメロウ・ムーディーな温もり溢れるリラクゼーション表現や、ハイ・テンポであってもきめの細かいプリティーさ〜可愛らしさや軽みを失わぬ粋筋小唄風フレージング、といったロマンティシズムと機智(orインテリジェンス)に根ざしてのジェントルな端麗美を肝とするアプローチにこそ、殊の外瑞々しい新味があり、いつもの威勢のいいファンキー・スイングとそうしたまろやかなスウィートネスが絶妙に絡み合った弾鳴には、実に得難い醸熟の煌めきが散見する。
1. There Will Never Be Another You (8:49)
2. The Gentle Waltz (11:11)
3. Kelly's Blues (8:49)
4. Love Ballade (10:34)
5. City Lights (8:32)
6. You Look Good To Me (7:18)
7. Samba Petite (5:39) (solo bass)
8. Satin Doll (8:14)
9. Nighttime (9:34)
Oscar Peterson (piano except 7)
Lorne Lofsky (electric guitar except 7)
Niels-Henning Ørsted Pedersen (bass)
Martin Drew (drums except 7)
1994年11月15日ドイツのミュンヘンでのライヴ録音
レーベル:
Mack Avenue
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輸入盤CD
入荷予定時期:2024年11月上旬
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