★2012年より米ニューヨークを拠点に活動し、Outside In MusicやCellar Live/Cellar Musicから着々とリーダー・アルバムも発表して好評を博してきた日本人女性ピアニスト:ミキ・ヤマナカ(山中美樹;兵庫県神戸市出身の34歳)の、今回は鉄壁のレギュラー・トリオ=Stellar band(w./Tyrone Allen-b&Jimmy MacBride-ds)単独で真っ向勝負に出た一編。
★陰影濃く鋭角で硬質骨太な、岩石を転がすような力強いタッチのピアノが、モーダル・ダイナミックに押せ押せの大攻勢をかけるアグレッシヴ・アクションや、ブロック・コードを使った粋なファンキー節、哀愁歌謡的なメロディック・フレーズ、パーカッシヴさを強調したリズミカルな力学指向のアタック、ブルース色豊かなハード・バップ・ピアノの正統らしい吟醸スイング技もしくはちょっとレトロなストライド奏法、軽妙洒脱な寛ぎ小唄風アプローチ、などを適所に使い分けながら抑揚ある流れを形作ってゆく根は人情肌の娯楽活劇的プレイ、を溌溂と闊達滑脱に綴って、結構雄渾なる男前っぽい魅力を揮い、バネを利かせてウネウネと波打つベースやドシャバシャ賑々しく攻め立てるドラム、らの機略縦横の遊撃的サポートもグルーヴィーかつスリリングにばっちりツボにハマッた、全編現代ハード・バップ系ピアノ・トリオの鑑たる正攻法勝負の邁進が続いてスカッと壮快に昂揚させてくれる、旨味も十分の中々充実した敢闘内容。
★メロディーの美や抒情性と安定律動的ノリのよさを先ずは何より大切にし、ゲリラ奇襲型のサスペンスも随所に仕掛けられた、基本は硬派タイプの精悍軒昂な、そして伝統的ブルース・フィーリングやバップ(&モード)・スピリットも自ずと潤沢に備えるド真っ当スウィンギン熱演、が嬉々としてイキイキ展開され、敏捷な瞬発力をもって自在に迫るアレン(b)やマクブライド(ds)のニュアンス濃やかなバックアップに上手く触発される恰好で、ヤマナカ(p)の腰を据えて快活に、伸びやかに躍動するアドリブ妙技がスッキリと清やかに吹き抜ける青嵐の如く冴え渡ってゴキゲンだ。
→大凡のところは重厚でスケールのデカいアメリカン・メインストリーマー気質の勇壮でタフな熱気みなぎる力投ぶりを見せて凛々しく雄々しく圧倒するが、B-3とかA-1とか辺りでは女性らしいデリケートなエレガンスや機微を感じさせるマイルド・ロマンティックな美メロの歌い様に独自のセンシビリティー+爽やかさ溢れる妙味も発揮して流れを新鮮に転回させ、しかしその本性はやはり猛々しくジワジワと沸騰し煮えたぎってゆく感じのアツい激動〜パッションの爆発にこそ真髄あり、といった風な、至ってストレートアヘッド&エモーショナルかつエネルギッシュな男っぽい弾き倒し具合が、何より胸のすく最高に清々しい魅惑力の要。
Side A:
1. Unconditional Love (G. Allen) (6:39)
2. Trinkle Tinkle (T. Monk) (6:41)
3. Chance (K. Kirkland) (5:48)
Side B:
1. I Wish I Knew (H. Warren) (4:02)
2. Herzog (B. Hutcherson) (5:29)
3. Jitterbug Waltz (F. Waller) (8:42)
Miki Yamanaka (piano)
Tyrone Allen (bass)
Jimmy MacBride (drums)
2024年3月18日米ニュージャージー州イングルウッド・クリフスのVan Gelder Studios録音
2024年カナダ作品
レーベル:
Cellar Music (Cellar Live)
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輸入盤LP
入荷予定時期:2024年10月上旬〜中旬 受注締切:2024年8月19日
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