★1963年に本格的なプロ活動をスタートしたイタリアン・ハード・バップ・ピアノの超ヴェテラン大御所:フランコ・ダンドレア(1941年イタリアのメラーノ生まれ)の、ベース&ドラムとのピアノ・トリオによる依然フレッシュな気概溢れる一編。
★カキコキと鋭角で固い風合いの石を転がすような陰影にも富んだ骨太堅牢タッチのピアノが、先ずはバップ・ピアノのオーソドキシーにキッチリ則ったソリッド&スクエアーな殺陣の型っぽいダイナミック・アクションで中々重厚にグルーヴ感を醸成し、並行してブルース色の濃い歌的メロディック・フレーズを豊富に盛り込んで粋な吟醸味を齎し、その合間にモードの手法も使うが"熱さ"よりも"渋さ"が圧倒的に勝った印象のアーシー・スモーキーな音キャラに確固と着地させる、という、醸熟感もハンパでない焦げたようなニガ旨なコクのあるソウルフル・バピッシュ・プレイをダーク&ヘヴィーに綴って、揺るぎなげな燻し銀の魅力を粛々と揮い、バネを利かせて大きくウネるハジきのいいベースや、ガッチリ安定律動しながらきめ濃やかに奇襲遊撃をも掛けてくる俊敏ドラム、らの立ち働きもノリとスリルを鮮やかに高めた、全体を通じ精悍毅然と苦味走った面持ちの硬派なハード・バップ演奏が貫かれて歯切れよく壮快に昂揚させ、また濃厚なウマみを堪能させてくれるさすが十全に鍛え抜かれた密度の高い敢闘内容。
★旋律の美や情緒性とスイング感そして伝統的ブルース・フィーリング並びにバップ・スピリットをあくまで大切にした、大衆娯楽指向ではあるが決して甘くない幾分シリアスな表情〜一定のハードボイルド感を保った上でのバピッシュ・グルーヴィー快演、が重みをもって太く強固に推し進められてゆき、存在感充分にして盛り立て役の分をわきまえたエヴァンジェリスタ(b)やグルーヴの芯をシッカと支えつつ自在なゲリラ攻勢も適所に炸裂させるガット(ds)、両人の何げに芸の細かいバックアップに上手く触発される恰好で、ダンドレア(p)の1ミリの迷いもブレもない強硬ささえ感じさせる分厚くもシャープなアドリブ妙技が、厳然にして芳醇なる威風堂々の冴え渡り様を見せて、全く降参だ。
→何よりも硬質強固に尖った太いタッチを活かしての打楽器的なハード力学体質のダイナミズム表現で迫力&重量感も満点に聴く者を圧倒し、ストロング&グルーミー・スウィンギンに乗せ、味つけとして軽涼な玉転がしブロック・コードによるファンキー節が繰り出されて一気に"寛ぎ小唄ムード"や"ラウンジで一服休憩気分"が高まるが、しかしまたすぐにピリッとしたハード・アクション・モードに立ち返って座を引き締め直す、といった風な、結構妥協を許さないコワモテともとれるそのノワールな語り口には、ちょっとシブすぎる奥深い妙味がある。ウ〜ム見事。
01. St. Louis Blues
02. Caravan
03. Livery Stable Blues
04. Exploration
05. Soft Winds
06. Half The Fun
07. I've Found A New Baby
08. The Telecasters
09. A Love Supreme
10. Tenderly
Franco D'Andrea フランコ・ダンドレア (piano)
Gabriele Evangelista ガブリエーレ・エヴァンジェリスタ (bass)
Roberto Gatto ロベルト・ガット (drums)
2024年イタリア作品
レーベル:
Parco Della Musica
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見開き紙ジャケット仕様CD
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