★1920年代末期にジャンゴ・ラインハルトとのコンビで頭角を現し、以後70年に及ぶプロ・キャリアを超精力的な活動で濃密に完うしたジャズ・ヴァイオリンの第一人者にして最高実力者ステファン・グラッペリ(1908年フランスのパリ生まれ、1997年死去)の、本作は、ローランド・ハナ&ジョージ・ムラーツ&メル・ルイスという強力な布陣と組んだカルテットによる、1973年9月ロンドン録音の秀作「Parisian Thoroughfare」または「Stephane Grappelli Meets The Rhythm Section」(Black Lion BLP 30183)のCD化・新装版(但し、以前のCD化版でプラスされていた3曲は今回は収録されていない)。
★明朗でおおらかな和みの歌謡性と、キレ味鋭く敏捷(かつ重厚)でダイナミックな迫真のバップ・グルーヴ感、をキッチリ兼ね備えた、中々骨芯の太い抒情派演奏が聴かれるテイスティー編である。
★歌心とスイング感を徹底尊守した、ストレートアヘッド勝負のハートフル&エモーショナルな快進撃が続き、グラッペリの、マイルドな哀愁牧歌的スピリチュアリティ(ミュゼットorマヌーシュ的な親しみやすい歌謡フィーリング)と、甘さを排したシャープで硬質な速攻アクション性、を結構細かに交錯連動させた、緩急メリハリ満点のドラマティックな即興プレイが生鮮に冴えており、一方、モンキッシュ技やエレピ弾奏も効果的に使ったハナの陰影深いソリッドな立ち回りや、強烈にバネとうねりの利いたムラーツのコク味ある情熱的アクション技、もこってり芳醇に彩りを添えている。旨味と歯応えある濃密作。
1 Love For Sale
2 Perugia
3 Two Cute
4 Fascinating Rhythm
5 Parisian Thoroughfare
6 Improvisation On Prelude In E Minor
7 Waves
8 Hallelujah
Stephane Grappelli(violin)
Roland Hanna(piano,el-piano)
George Mraz(bass)
Mel Lewis(drums)
1973年7月5日,7日 LONDON 録音
在庫有り
紙ジャケットCD