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ホーム2024年4月REVIEWクラシック的管弦オーケストラとジャズ系ビッグ・バンドの2種バック・フォーマットでフリゼール流リリカル・ギター・プレイの奥義が悠々示されるさすが風格と貫禄の充実作 2枚組CD BILL FRISELL ビル・フリゼール / ORCHESTRAS
商品詳細
★ジャズのみならず広く今日の"アメリカン・ミュージック"を代表する現代ギターの巨匠:ビル・フリゼール(1951年米メリーランド州ボルチモア生まれ)の、今回は、馴染みのトーマス・モーガン(b)&ルディ・ロイストン(ds)との鉄壁レギュラー・トリオを基軸に、2つの異なるオーケストラ(第1はベルギーのブリュッセル・フィルハーモニック;60人編成、第2はイタリアのウンブリア・ジャズ・オーケストラ;11人編成)と共演した2セッションでの音源(恐らくライヴ?)を各々ディスク1枚ずつに収めた2枚組の力作。全体のアレンジをマイケル・ギブスが手がけている。

★先ずディスク1では現代クラシック的趣を呈する管弦オーケストラの荘厳で雄渾なる鳴動がエレガント&ドラマティックに響き渡る中、鋭さと滑らかさを併せ持った実に豊潤で味のあるトーンのギターが、コンテンポラリーでありバピッシュなところも多々あるブルージー・メロディック・プレイを細やかに綴って中々テンダネス溢れる余情深き華を成し、これと一体化しつつゆったりとスイングするベース&ドラムの助演もギターとともにテイスティー・グルーヴィーな魅力を発揮、並行して押し寄せる波の如きオーケストラ・サウンドも的確に広大な奥行きやある種のドラマツルギーを上手く演出しきった、概ねそのロマネスク・ムーディーな詩的(或いは大河ストーリー的?)音空間に心地よく浸らせ、爽やかに感動させる快演内容。

★オーケストラ側の予め厳密に譜面化されていると思しき隅々まで一糸乱れぬアンサンブルが精巧緻密にしてムードたっぷりの妙味を放つ一方で、フリゼール(g)の周到(&慎重)に考えられていそうなのと同時に結構飄々とマイペースで気ままに筆を滑らせている感じもある、さすがヴェテラン名手ならではの余裕と貫禄を湛えた流麗アドリブ技が、オーケストラとは絶妙のコントラストを示しながら悠々と冴え渡っており、その、ジム・ホールやパット・メセニーとかにもどこか通じるところのあるあくまで"ジャズ・ギタリスト"になりきった、ひんやりクールで仄暗い憂愁節の歌い様はバックの楽団の半ば劇伴音楽っぽい効果も手伝って誠に颯爽とした、かつ旨味満点の煌めくような映えを見せていて全く快調だ。

★そしてディスク2ではバックのオーケストラ・サウンドも今度はよりオーソドックスな「ジャズのビッグ・バンド」然とした風合いを見せつつモダニッシュ・バップらしい音場をグルーヴィーかつ細密に構築、その中で繰り出されるギターのちょっと妖しいフューチャー傾向だったりごく真っ当なバピッシュ・ブルース節だったり十八番の牧歌的アメリカーナ(所謂ルーツ・ミュージックか)寄りだったりの自在な弾術が、ビッグ・バンドの重層的でスケール感に富んだ巨大建築様の響鳴とも抜群の相性よさを表しながらこちらもまた裕然と見せ場を飾ってゆく、という、"現代流ギター・トリオ+モダン・ビッグ・バンド"の正統・本道たる快演の連続で大いに愉しませる。

★ここではギターと背景音響という構図では必ずしもなくギターと楽団双方が濃やかに融け込み合いつつ端正に道筋を進めてゆく、独特のレイドバックしたメランコリックな抒情世界が創出されており、決して出しゃばらず深遠に鳴動する折り目正しいビッグ・バンドに、フリゼール(g)のある時はブルージー、ある時はフォーキー、ある時は独自のラウンジ・リラックス・グルーヴ調、またある時は未来派指向、などといった、ジャズらしさとジャズの本道から外れた行き方とを巧まず半々ずつぐらい並行させる「フリゼール流」の奥義ワザが、ビッグ・バンドとしっかり絡んだ上でチョチョイのチョイと軽やかに冴えていて殊の外鮮麗。

といった具合で、同じ曲のヴァージョン違い・聴き比べの楽しさも含めて、フリゼールのわりかし寛ぎ和んだリリシストの真価が遺憾なく揮われたデリシャスな充実作となっている。

Disc 1:with The Brussels Philharmonic
1. Nocturne Vulgaire
2. Lush Life
3. Doom
4. Rag
5. Throughout
6. Electricity
7. Sweet Rain
8. Richter 858, No.7
9. Beautiful Dreamer

Disc 2:with Umbria Jazz Orchestra
1. Lookout For Hope
2. Levees
3. Strange Meeting
4. Doom
5. Electrcity
6. Monica Jane
7. We Shall Overcome

Disc 1:
Bill Frisell (electric guitar)
Thomas Morgan (bass)
Rudy Royston (drums)
Brussels Philharmonic (orchestra)
Alexander Hanson (conductor)
Michael Gibbs (orchestration, arrangement)

Disc 2:
Bill Frisell (electric guitar)
Thomas Morgan (bass)
Rudy Royston (drums)
Umbria Jazz Orchestra (orchestra)
Manuele Morbidini (direction)
Michael Gibbs (orchestration, arrangement)

Disc 1:
2022年9月23日&24日ベルギー-ヘント(Ghent)のDe Bijloke、ベルギー-ブリュッセルのFlageyでの録音

Disc 2:
2021年12月30日〜2022年1月1日イタリア-オルヴィエート(Orvieto)のTeatro Mancinelliでの(ライヴ?)録音

レーベル:Blue Note

在庫切れ
可能な限りお取り寄せ致します

見開き紙ジャケット仕様2枚組CD




クラシック的管弦オーケストラとジャズ系ビッグ・バンドの2種バック・フォーマットでフリゼール流リリカル・ギター・プレイの奥義が悠々示されるさすが風格と貫禄の充実作 2枚組CD BILL FRISELL ビル・フリゼール / ORCHESTRAS[588 3733]

販売価格: 3,200円(税込)
数量:
商品情報
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BLUENOTE

★ジャズのみならずポップスやルーツ・ミュージックなどあらゆるジャンルを独自のサウンドで表現し、これまでにグラミー賞受賞1回、ノミネート6回を数えるギター・レジェンド、ビル・フリゼールの1年半振りとなるニュー・アルバム『Orchestras』がリリース。

■ブルーノートから4作目となる今回のアルバムは、トーマス・モーガン(b)、ルディ・ロイストン(ds)とのレギュラー・トリオをベースに、マイケル・ギブスによるアレンジメントを施したコンサートを記録した2枚組の作品。1枚目には60人編成のブリュッセル・フィルハーモニックとの、2枚目には11人編成のウンブリア・ジャズ・オーケストラとの共演が収録されている。楽曲はジャズ・スタンダード「Lush Life」やフォスター作曲の「Beautiful Dreamer」、ウディ・ガスリーの名曲でビル自身も度々演奏している「We Shall Overcome」、ビル自身の作曲である「Strange Meeting」、「Monica Jane」などバラエティに富んでいる。

■異なるオーケストラとのプレイやアレンジの違いなどを楽しめる興味深い内容となった本作について、ビルは「自分が知っているギリギリのところか、そこから外れて知らない領域に飛び込むということにいつもトライしているんだ。イマジネーションの赴くままにプレイしていたよ」と語っている。また、ゲイリー・バートンなどとの作品でも知られ、86歳の現在も精力的な活動を行っている旧友のマイケル・ギブスについては、「ひとたび僕のプレイを聴くと、彼はそのプレイから様々な倍音を聴き取って、そのサウンドを拡張していくことができるんだ」とコメントしている。(メーカーインフォ)

Disc1
Recorded September 23 and 24, 2022 at De Bijloke, Ghent, Belgium and Flagey, Brussels, Belgium
Commission by Muziekcentrum De Bijloke, Flagey and Brussels Philharmonic, in the series "Jazz Meets Symphonic"
Many thanks to Kristof Roseeuw, Marten Van Rousselt, Judith Van Eeckhout, Jim Saynaeve, Tom Pipeleers and everyone at Brussels Philharmonic.

Disc2
Recorded December 30, 2021 - January 1, 2022 at Teatro Mancinelli, Orvieto, Italy
Additional recordings by [...] at 25th St. Recording, Oakland, California
Many thanks to Carlo Pagnotta, Enzo Capua and Fondazione Di Partecipazione Umbria Jazz.