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ホーム2024年5月REVIEW豪快でおおらかなモダン・ビッグ・バンドの正統的側面とちょっと不思議な宇宙飛行の趣やスピリチュアル・フリー傾向を併せ持った適度に猥雑で賑々しいサーカスを見るような絶頂ライヴ! 2枚組CD SUN RA ARKESTRA サン・ラ・アーケストラ / LIVE AT PIT-INN TOKYO, JAPAN, 8, 8, 1988
商品詳細
★奇才:サン・ラ(p,synth)(1914年米アラバマ州バーミングハム生まれ、1993年死去)率いるアーケストラの、1988年夏の来日時、8月8日新宿ピットインで行なったライヴの模様は、過去8曲をセレクト収録したアルバムがDIWからリリースされていた(LP:DIW-8024/CD:DIW-824)が、今回その拡大コンプリート版とも云うべき多数の未発表トラックを含む全20曲入りの新装2枚組CD・最終決定打編が登場。

★2ドラムによる強硬に捲し立ててくるような轟鳴に上手く触発されながら、フリーキー・トーンで狂おしくも屈強に泣き叫び咆哮するサックスや、潰し気味の音色でパワフルに唸るトランペット&トロンボーン、猥雑にわめき散らすが如きホーン・アンサンブル、結構ストレート・グルーヴィーなブルージー・バップ的行き方と怪しいノイジー攻勢を交錯させるギター、らがイキイキ溌溂として豪快軒昂に見せ場を繋いでゆき(序盤ではリーダーのサン・ラ本人はあまり表には出て来ず粛々とバッキングに勤しんでいる)(→だがしかし徐々に出番が増えてやがて大活躍に転じる!)、胸のすく清々しい興奮と感動が齎される、何げにしっかり高密度でもある会心打内容。

★ここぞの場面ではボスであるサン・ラのブルース・フィーリング溢れるノリにノッたピアノ・プレイもばっちりフィーチュアされつつ、トータルなアウトラインとしてはある種の"奇形の祝祭性"を帯びたサーカスを見るような、開放感にも富むおおらかなダイナミック・スウィンギン熱演が壮大なるスケールとドラマツルギーをもって雄渾に展開され、サン・ラ自身の演奏もバップ&ブルースとフリー・ジャズを自在に往来するものだがバンド全体もそれと同様に、モダン・ジャズ・ビッグ・バンドの正統らしい側面とより渾沌としたフリー面を併せ持った(但しどちらかと云うとフリー色は控えめで、全体のテイストは幾分変り種ではあるもののわりかしオーソドックスなモダン・ビッグ・バンドとして聴けるというのが大凡のところだ。)(→エリントン楽団をサン・ラ流に変形させたような趣があったりも...)、一貫して風抜けよく賑々しさ満点の晴れやかな行軍を見せており、適度に異形さもあるもののあくまで取っ付きやすいエンタテインメント性を重視した陽気な敢闘が続いて、大いに沸かせる。

★サン・ラの、ウォーラー、テイタム、モンクらの影もチラつくジャズの本道然としたピアノ・ソロや、一転してよりブッ飛んだ宇宙飛行の趣あるシンセ技など、その気力も充実しきった猛ハッスルの様が中々テイスティーに映えている他、サックス陣のバップ&モードの語法にキッチリ則ったアーシー・ソウルもみなぎる骨太滑脱ブローイング(或いは怪異に呻き吠えるアブストラクト吹奏)(→とりわけジョン・ギルモアの晴々朗々とおおらかに歌って見せたりフリーキーに音をヒネくり捩らせて見せたりの気合軒昂なるグルーヴィー・プレイ=独壇場的モーレツ勇躍が素晴らしい!)や、スピリチュアリティ溢れる気さくそうなヴォーカル・アンサンブル、タイロン・ヒル(tb)のスモーキー&ダウン・トゥ・アースな吟醸ワザ、トランペット勢のピリッとして聴いているこちらの背筋にも鋼を入れてくれるような精悍凛々プレイ、そしてまた、ブルース・エドワーズ(g)のエキサイトしてくると生粋バッパー&ブルースマンの本性を露わにする洒脱でアジな渋い至芸、更にはローロ・ラッドフォード(elb)の弾力団子っぽいトーンでテイスティー・グルーヴの極みを見せる敏活躍動ぶり、といった辺りも各々奮いに奮っていたりと、ソロ・コーナーは超美味しい聴きどころの連続。

CD 1:
01. Introduction 〜 Cosmo Apporoach Prelude
02. Deciplin 27 B
03. Angel Race 〜 I Wait For You
04. Tokyo Dance Blues
05. Queen Notions
06. Chopin : Prelude
07. I Want To Be Happy
08. If You Come From Nowhere Here
09. East Of The Sun
10. Can You Take It?

CD 2:
01. We Travel The Space Ways
02. Prelude Avantguarde No.2
03. Astro Black
04. Prelude To A Kiss
05. Frisco Fog
06. Why Was I Born
07. Opus Spring Time
08. Intersteller Lo-Ways
09. Cosmo Swing Blues
10. Space Is The Place

Sun Ra Arkestra:
Sun Ra (piano, synthesizer, vocal)
Michael Ray (trumpet, vocal)
Ahmed Abdullah (trumpet)
Tyrone Hill (trombone)
Marshall Allen (alto saxophone, flute, percussion)
John Gilmore (tenor saxophone, clarinet, timbale, vocal)
Danny Ray Thompson (baritone saxophone, percussion)
Eloe Omoe [Leroy Taylor] (alto saxophone, bass clarinet, contra-alto clarinet, percussion)
June Tyson (violin, vocal)
Bruce Edwards (electric guitar)
Rollo Radford (electric bass)
Samarai Celestial [Eric Walker] (drums)
Earl "Buster" Smith (drums)

1988年8月8日新宿ピットインでのライヴ録音

レーベル:Super Fuji Discs

在庫有り
国内制作2枚組CD


豪快でおおらかなモダン・ビッグ・バンドの正統的側面とちょっと不思議な宇宙飛行の趣やスピリチュアル・フリー傾向を併せ持った適度に猥雑で賑々しいサーカスを見るような絶頂ライヴ! 2枚組CD SUN RA ARKESTRA サン・ラ・アーケストラ / LIVE AT PIT-INN TOKYO, JAPAN, 8, 8, 1988[FJSP 501]

販売価格: 3,750円(税込)
数量:
商品情報
SUPER FUJI

サン・ラ・アーケストラ、ライブ・イン・ジャパン!1988年8月8日、新宿ピットインでの録音がマスター・テープから最新マスタリングによる初出音源含む全曲収録盤が世界初登場!
(*1988年11月発売 DIW824「LIVE AT PIT-INN.TOKYO, JAPAN」(CD) の拡大版=コンプリート盤となります)


★1980年代、サン・ラ・アーケストラは世界ツアーを活発に行い、1988年春からの全米、全欧ツアーを終え、7月30日に初来日、この時、サン・ラ74歳。「ライヴ・アンダー・ザ・スカイ」で神奈川読売ランド、富山、福岡、大阪万博記念公園を回り、途中、渋谷クアトロでの連日公演を挟み、ツアー最終8月8日が、この新宿ピットインでのクラブ出演だった。この日本公演は、驚くほどサービス精神に溢れた演奏に終始したスタンダード曲含むビッグバンド・ジャズを披露。しかし、複雑なアレンジ、各プレイヤーの名人芸、テレパシーであるかのバンドの一体感が素晴らしく、“音の神話の科学者"たるサン・ラのサウンド・バイブレーションを通じミステリアスなスペース・ミュージックを魅せてくれた全盛期のような記念碑的ライブであった。(メーカーインフォ)

Sun Ra Arkestra
Sun Ra (piano,synthesizer,vocals)
Michael Ray (trumpet, vocal CD2/M6)
Ahmed Abdullah (trumpet)
Tyrone Hill (trombone)
Marshall Allen (alto sax,flute,percussion)
John Gilmore (tenor sax,clarinet,timbales,vocal CD1/M9)
Danny Ray Thompson (baritone sax,percussion)
Eloe Omoe [Leroy Taylor] (alto sax,bass clarinet,contra-alto clarinet,percussion)
June Tyson: violin (vocals)
Bruce Edwards (electric guitar)
Rollo Radford (electric bass)
Samarai Celestial [Eric Walker] (drums)
Earl "Buster" Smith (drums)

1988年8月8日 新宿ピットインでの録音