★かつては人気寛ぎ系お洒落ジャズ・ユニット:Mind Gamesの中心人物として圧倒的支持を集め、その後ソロになってからも着実にアルバムを発表し続けて幅広く好評を博してきた、早ヴェテランの域に入るドイツのトップ歌姫:リザ・ヴァーラントの、今回はピアノ・トリオをバックにして(一部ギターやオルガンも入る)の一作。
★ヒンヤリ爽涼で透明感と潤いに溢れ、時折ハスキーに掠れるところもある(→中々チャーミング!)、清楚可憐かつクリーンなイメージのトーンは高めの端麗しなやかヴォイスによる、歌詞の一言一言とメロディーの美を何より大切にした、優しく瀟洒に語りかけてくるような自然体調子のリリカル演唱が誠に清やかで瑞々しい華を成し、演奏陣のバップ&ブルースの権化たる吟醸的グルーヴィー・プレイの数々もノリノリにしてコクのある粋渋な魅力を放った、全編至ってオーソドックスな抒情派ジャズ・ヴォーカルの鑑とも云うべき安定の鉄板妙演が横溢して、小気味よく快適にハマらせ、憩わせてくれる衒いなき充実内容。
★インティメイトな和み気分や温もり感が変らず底流し、テンダー&ハートフルではあるがハード・バップ・ジャズならではの硬質ダイナミズムや力強い重厚スイング感覚そして熟した旨味も自ずと有した、トータルとしてはあくまで軽妙洒脱なシックさやウィットっぽさを失うことのない"寛ぎラウンジ小唄セッション"風の行き方、が流麗に続き、1曲1曲は比較的簡潔にまとめられたトントン拍子に進む快調な道程の中で、結構ソリッド&スクエアーな堅牢アクションをぶつけてくるJ・アシュケ(p)以下バック勢の手加減なき濃い口のバックアップにガッチリ支えられつつ、ヴァーラント(vo)の、軽みと優しさとグルーヴ・センスに満ち満ちた歌い回しが、生鮮でありしっかり円熟してもいる魅惑の冴えを見せて実に素敵だ。
→先ずは言霊派とも云える詩の情緒を丁寧に噛み締める風なメロウ&ロマンティックな真心こもった柔和節でしっとりと感動させ、転回としてこなれたスキャット〜ハミング系統の手法を使うところもあるが、決して器楽的でなく飽く迄も「抒情の一環」としてそうしたグルーヴ表現を軽やかに活用している辺りにも好感が持て、アウトライン的には一貫して清潔感と丹誠(加えて厭味にならない控えめなエレガンス)あるスウィート・プリティーな歌声キャラに巧まず収束している、という、作為なげにして充分精進を積んだ者ならではの包容力〜懐深さを感じさせるそんな個性のあり様は説得力も満点。
01.
デイズ・ライク・ディス Days Like This (Van Morrison)
02.
ステイン・アライヴ Staying Alive (Barry/Maurice/Robin Gibb)
03. ライダース・オン・ザ・ストーム Riders On The Storm (Densmore/Krieger/Manzarek/Morrison)
04. ハイウェイ・トゥ・ヘル Highway To Hell (Young/Young/Scott)
05.
クラッシュブームバング CrashBoomBang (Lisa Wahlandt)
06.
トゥルー・カラーズ True Colors (Steinberg/Kelly)
07. ベッテ・ディヴィス・アイズ Bette Davis Eyes (DeShannon/Weiss)
08. ハードロック・カフェ Hard Rock Cafe (Carol King)
09. ビリー・ジーン Billie Jean (Michael Jackson)
10. ノルウェーの森 Norwegian Wood (Lennon/Lennon/McCartney)
11. シスターズ・オブ・マーシー Sisters Of Mercy (Leonard Cohen)
12. グッド・タイムズ Good Times (Edie Brickell)
Lisa Wahlandt リザ・ヴァーラント (vocal)
Jan Eschke ヤン・アシュケ (piano) (organ on 12)
Sven Faller スヴェン・ファーラー (bass)
Manfred Mildenberger マンフレード・ミルデンベルガー (drums) (percussion on 10)
special guest:
Lukas Häfner (guitar on 03)
2023年録音
レーベル:
Yellowbird (Enja分派) ウルトラ・ヴァイヴ (Ultra-Vybe)
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