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ホーム2024年3月REVIEWモーダル・スピリチュアル&メディテイティヴでいて吟遊牧歌詩人風の優しさや浪漫溢れるテナー吹鳴が浮遊感も伴いつつ芳醇に映える逸編 2枚組CD CHARLES LLOYD チャールズ・ロイド / THE SKY WILL STILL BE THERE TOMORROW
商品詳細
★80代半ばを迎えてもなおチャレンジングな音楽探究に余念がない、テナーサックスの孤高の詩人:チャールズ・ロイド(1938年米テネシー州メンフィス生まれ)の、今回は、ジェイスン・モラン(p)、ラリー・グレナディア(b)、ブライアン・ブレイド(ds)との新生オールスター・カルテットによる2枚組の力作。

★ドスの利き様と掠れ様や脱力感の兼ね合いが絶妙な、中々表情豊かでニュアンスに富むトーンのテナーが、ちょっとけだるくアンニュイそうに白昼夢っぽくもあるメランコリックな心象風景を映す感じの憂愁漂うリリカル・プレイをゆったりと綴って、何とも奥深く幽玄ある風流の極みとも云うべき妙味を放ち、
一方、タッチ&フレーズとも硬質かつ鋭角なキレのいい弾奏で適宜刃を突き立ててくる風なピアノや、機略縦横なる変幻ゲリラ攻勢を掛けるドラム、ドライヴ感満点に太くウネり波打つ重厚ベース、らのいずれも背筋の伸びた研ぎ澄まされ感(或いは考え抜かれ感)充分のバックアップも、主役テナー(またはフルートorアルト)のあくまでマイペースな彷徨に興じる遊泳ぶりとはコントラストも鮮やかに、ソリッドネス&シャープネスを好もしく醸成しきった、全般に仄暗い瞑想詩のような半ば散文的音世界をしかししっかりと分かりやすく親しみやすく楽しませる、さすがの熟達内容。

★モーダル・スピリチュアルな情緒性と幾分浮遊傾向を含みながらも確固とスイングする卓抜なタイム感、に概ね支配された、メディテイティヴであり同時に明快旨口なメロディーの美しさにも事欠かぬ抒情派サスペンス調の行き方がセンシティヴかつ滑脱に展開してゆき、リズム・セクションの極めて芸の細かい遊撃的サポートの生々しきスリリングさと巧緻なノリも大いに光るが、やはり何よりロイド(ts)の、自由気ままな吟遊詩人になりきったインプロヴィゼーションが余情も豊かにダントツの魅力を振るっていて圧巻。

→殊にメインのテナーにおいては、節回しそのものは結構攻めたところも多々あるのに決して"アグレッシヴ"には聞こえて来ず至って風雅な趣を呈しており、コルトレーンからアクや暑苦しさを除去して脱力的遊泳感を強めたが如きその、どこまでも悠々と軽やかに一筆描きスケッチを愉しむかのような翳りあるほろ苦いスピリチュアル・フレージングが、実に懐深く独特の丸みを帯びた半牧歌的醸熟感を伸びやかに発揮していてとりわけ見事。

★かと思えばよりビートの利いたダイナミック・スウィンギンな局面もしくはフルートやアルトに持ち替えたトラックでは、一転して熟慮の跡を感じさせる作劇構成的(もしくは韻文的)アプローチも鮮麗にキメたりと、伊達に年季を重ねてはいないそうしたバッチリ幅のある吹鳴キャラは説得力も絶大だ。モラン(p)やブレイド(ds)の懸命な活躍も随所に際立つが、ロイドの理屈を越えた圧倒的存在感の前ではやや影薄め、か。

Disc 1:
1. Defiant, Tender Warrior
2. The Lonely One
3. Monk's Dance
4. The Water Is Rising
5. Late Bloom (overdubbed a-fl & b-fl duo)
6. Booker's Garden
7. The Ghost Of Lady Day
8. The Sky Will Still Be There Tomorrow

Disc 2:
1. Beyond Darkness
2. Sky Valley, Spirit Of The Forest
3. Balm In Gilead
4. Lift Every Voice And Sing (ts & p duo)
5. When The Sun Comes Up, Darkness Is Gone
6. Cape To Cairo
7. Defiant, Reprise; Homeward Dove

Charles Lloyd (tenor saxophone except Disc1-5, Disc1-6, Disc1-8, Disc2-1) (alto saxophone on Disc1-8) (alto flute on Disc1-5, Disc1-6, Disc2-1) (bass flute on Disc1-5)
Jason Moran (piano except Disc1-5)
Larry Grenadier (bass except Disc1-5, Disc2-4)
Brian Blade (drums except Disc1-5, Disc2-4) (percussion on Disc1-2, Disc1-7, Disc2-1, Disc2-6)

2024年アメリカ作品

レーベル:Blue Note

在庫有り
紙ジャケット仕様2枚組CD

モーダル・スピリチュアル&メディテイティヴでいて吟遊牧歌詩人風の優しさや浪漫溢れるテナー吹鳴が浮遊感も伴いつつ芳醇に映える逸編 2枚組CD CHARLES LLOYD チャールズ・ロイド / THE SKY WILL STILL BE THERE TOMORROW[Blue Note 581 6794]

販売価格: 3,200円(税込)
数量:
商品情報
Blue Note

★2020年以降の世界情勢に落ち着かないチャールズ・ロイドは、新しいバンドをフィーチャーした新しいスタジオ・レコーディングという形で音楽を提供する構想を練り始めた。このカルテットは、伝説的なサックス奏者がピアニストのジェイソン・モラン、ベーシストのラリー・グレナディア、ドラマーのブライアン・ブレイドとともに、初めて4人の個性的な声を集めた名門ブル-ノートに移籍して11枚目となる作品!

■ロイドが85歳の誕生日を迎えた2023年春にこの壮大な2枚組アルバムが完成した。20世紀から21世紀にかけて最も重要なミュージシャンの一人が、今なお絶頂期にあることを示す荘厳な作品群で、新旧のロイドのオリジナル曲を集めて再構築した。
■収録曲のうち「The Water Is Rising」、「Late Bloom」、「The Ghost of Lady Day」など6曲がロイドのペンによる新曲で、2枚組となる壮大なボリュームとなっている。新たなメンバーによるカルテットのパフォーマンスも彼が想起した世界観を見事に描き出しており、現在も作曲家、ミュージシャン、バンド・リーダーとしてオーディエンスに感動を与え続けているジャズ界最高峰の新たな代表作となり得る注目の作品だ。 アルバムの発売日に86歳の誕生日を迎えるチャールス・ロイド。今もなおシーンの最前線で活躍を続ける彼から新たに届けられるアルバムに期待が高まる。(新譜インフォより)