★スウェーデン出身で現在は独ベルリンに移って活動中とも伝えられる、ソングライター・タイプの若手女性歌手:イルマ・ノイミューラー(2001年スウェーデンのストックホルム生まれ)の、小コンボ体制でのフレッシュな1stアルバム。
★透明感と潤いに満ちたきめの細かいトーン高めの端麗クール・ヴォイスが、先ずは優しく柔和に語りかけるような落ち着いた自然体調子のデリケート節を丁寧に綴り、転回としてスキャット技を用いるところもあるがトータルなアウトラインとしては軽妙洒脱さやポエティシズム+リラクゼーションが失われることはない、というあくまで抒情指向のテンダー演唱を誠実そうに紡いで何とも瑞々しい、そしてちょっぴり吟醸感も仄めくアジな華を成し、バック陣のバップ&ブルースの権化然としたストレートアヘッド演奏も殊の外テイスティー・グルーヴィーなコク深い魅力を放った、全編リリカル系ジャズ・ヴォーカルの鑑とも云うべき至ってオーソドックスな寛ぎめの快演が続いて、心地よく和ませてくれる中々の極楽内容。
★インティメイト&ハートウォーミングな和気あいあいの親密リラックス気分を変らず底流させた、趣味のいいラウンジ空間で一服休憩する感じの誠に快適、誠に滑脱な行き方が進められ、ホット&シャープなギターやちょっと泥臭い芳醇テナー、ジェントルマンぶりを貫くブルージー・ピアノら、インスト勢の手加減なくハード・バップの真髄を堂々と示すリアル熱演も濃い口の妙味を揮い、彼らに適宜触発される恰好で、ノイミューラー(vo)の、オーソドキシー徹底重視のマイルド・スインギーな歌い回しが鮮度抜群かつ美味しい冴え&キレを見せて、実に素敵だ。
→アメリカ白人系抒情派ジャズ・ヴォーカルの伝統をキッチリ踏まえた、爽涼でしなやかな伸張力を見せながら流れるように小気味よくどこまでもソフィスティケートに瀟洒さ満点の文脈を形作ってゆく(ブルース・フィーリングもナチュラルそうで十全である)歌声のあり様は、正に"小粋の極み"、"軽みの極み"たる魅惑力に溢れており、母国語で歌う曲の一部での北欧フォーキー・テイストの顕示を含め、声音そのもののヒンヤリ冴えた風合いも奏効して全般にちょっとクール派寄りのキャラに仕上がっている、辺りも好もしいやみつき要素と云える。
1. Time Will Tell
2. Sovetåka
3. Världens Ände (vo-ts-g-p-b-ds)
4. Maybe It's You
5. Once Again Looking For Love
6. Lördagskväll
7. No, I'm Not In Love With You (vo-ts-p-b-ds)
8. Solen Har Fått Nog (vo-g-b + radio-noise? & sound of rainfall?=雨音?)
Irma Neumüller (vocal)
Bo Nygårds (guitar except 7)
Stefan Wingefors (piano except 8)
Albin Halvordsson (double bass)
Johan Löfcrantz Ramsay (drums except 8)
guest:
Fredrik Lindborg (tenor saxophone on 3, 7)
2024年スウェーデン作品
レーベル:
Prophone
在庫有り
デジパック仕様CD