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ホーム2024年2月REVIEW微妙に仄暗くクール&ビタースウィートな軽みと脱力感ある独自の抒情派アクション・プレイが何げに卓越した練度で飄々と冴え渡った今日流ロマネスク・ピアノ・トリオの逸編 輸入盤CD VIJAY IYER ヴィジェイ・アイヤー / COMPASSION
商品詳細
★1990年代半ばにスティーヴ・コールマンのサイドで頭角を現して以来、独創的ラジカル街道を突っ走ってきた、尖鋭感覚溢れる突出個性のユニークな人気ピアニスト:ヴィジェイ・アイヤー(1971年米ニューヨーク州オールバニー生まれ)の、今盤は、好評だった前作「Uneasy」と同じ顔ぶれ、即ち、リンダ・メイ・ハン・オー(b)&タイショーン・ソーリー(ds)との鉄壁トリオによる快調編。

★端正で滑らかな無理なく流れ転がるような感触と、よりクッキリと輪郭を鮮明にして角を立てる鋭さ・キレのよさ、を表裏一体とした陰影濃いセンシティヴ・タッチのピアノが、ゆったりとスペイシーに浮遊しトグロを巻くが如きメディテイティヴな心象描写であったり、より動きのあるモーダル・バピッシュ&スウィンギンな敏活アクションであったりの、ほぼ一貫して「熱を殺しクールに醒めた」イメージの、だがしっかりとした深い情緒をも感じさせる躍動型リリカル・プレイを一定のゆとりを保ちながら軽やかに綴って、何とも云えぬ幽玄漂う風流な魅力を放ち、ベース&ドラムの機略縦横に絡み込んでくる自在な遊撃的サポートもグルーヴとサスペンスを的確に強化しきった、全体を通じ小気味のいいノリの中に無限の奥行きを湛えた憂きポエティシズムの世界に快調に遊ばせ、浸らせてくれる熟度十二分の好投内容。

★一聴何の変哲もないモード系ハード・バップのようだがその芸風・作風は作曲面も含め決して誰にも似ていない、アイヤー独自の根は詩人気質なアクティヴ・ロマネスク快演がどこか飄々と軽みをもって展開してゆき、雄弁でこってり味のオー(b)や敏捷で切れ味シャープなソーリー(ds)らの助演もきららかに光り、それに適宜触発される恰好で、アイヤー(p)のしかし終始マイペースの安らかさを維持した滑脱なインプロヴィゼーションが行間豊かに冴え渡って、さりげなく蠱惑的でさえある様相を呈している。

→奏法の元を辿ればマッコイやハンコックに行き着くのかも知れないが似ているわけではなく、テンポのあるダイナミックなアクション技には独特の翳りや脱力感が見え隠れして清新なる感動・昂揚を齎し、バラード・プレイヤーとしても甘すぎず自ずと張り詰めたアンニュイなメランコリー描写に瑞々しい妙味を発揮、一部ニューエイジ・ミュージック寄りだったりフリーに急接近したアブストラクトなアプローチとかもあるが、そうした中でも半ば力学的ではあっても幾何学的にはなって行かない(即ちいかなる局面でも決して情緒を犠牲にはしない)、そうした、マッコイ、ハンコックは勿論、エヴァンスともジャレットともメルドーとも全く異なる、しかも、殺陣っぽい立ち回りを演じていても達観したような穏やかで涼しげな息遣い(そして豊かな詩的情感)を絶やさない(→そこらへんが、例えば迷路を疾駆するようなB・メルドー辺りのソリッドな芸風とは根本的に異なるところ)、その仄暗くビタースウィートでライト&ソフトに滑り流れるような弾鳴のあり様には、実に得難い雅趣が漂っていて絶品だ。

01. Compassion
02. Arch
03. Overjoyed
04. Maelstrom
05. Prelude: Orison
06. Tempest
07. Panegyric
08. Nonaah
09. Where I Am
10. Ghostrumental
11. It Goes (solo piano)
12. Free Spirits / Drummer's Song

Vijay Iyer (piano)
Linda May Han Oh (double-bass except 11)
Tyshawn Sorey (drums except 11)

2022年5月米ニューヨーク州マウント・ヴァーノンのオクテイヴン・オーディオ(Oktaven Audio)録音

レーベル:ECM

在庫切れ
可能な限りお取り寄せ致します

スリーヴケース仕様CD

微妙に仄暗くクール&ビタースウィートな軽みと脱力感ある独自の抒情派アクション・プレイが何げに卓越した練度で飄々と冴え渡った今日流ロマネスク・ピアノ・トリオの逸編 輸入盤CD VIJAY IYER ヴィジェイ・アイヤー / COMPASSION[ECM 556 7498]

販売価格: 2,680円(税込)
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商品情報
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ECM

★21世紀のECMを牽引するピアニスト、注目トリオの最高傑作が完成!

●「21世紀のECM」を代表するピアニスト、3年ぶりのECM通算8作目は、Pitchforkの2021年の年間ベスト50アルバムにも選出され、各メディアが絶賛した前作『Uneasy』(2021年)に続き、リンダ・メイ・ハン・オー(double-b)、タイショーン・ソーリー(ds)を迎えた実力派トリオによる第2作目。

●前作以上にパワーアップしたトリオの演奏は、その信頼関係があるからこそ生み出される創造性、自由で生き生きとしたインタープレイに満ちた、暖かさとインパクト、透明感が融合したサウンドを展開。

●新たな領域を開拓しようとするアイヤーの意欲を継続させたメロディが魅力的でリズムが爽快なアイヤー自身の曲を中心にしながら、尊敬する先人たちの楽曲も収録している。故チック・コリアへの間接的なオマージュとしてアイヤーが選んだスティーヴィー・ワンダーの「オーヴァージョイド」や、大切な師だった前衛の賢人ロスコー・ミッチェルの旋風を巻き起こす「ノナー」など全編を通じて、直感的な目的の強さで響き渡り、機知に富んだ演奏を聴くことのできるアイヤーの最高傑作といえる1枚。

●アルバム・タイトル『コンパッション』=『思いやり』というタイトルについてのアイヤーのコメント: 「苦しみの中で芸術を創るときに経験する不安は、決して消えることはないし、消えるべきでもない。その緊張は、あらゆる段階において創作過程を形作っている。その緊張と対をなすもの、その呼びかけに対する応答は、人々とともに、人々のために、人々の間で音楽を作るという若返りの感覚である。私は、タイショーンとリンダから限りないインスピレーションを受けている…私たちは、ステージの上で、世界の中で、コミュニティと出会いの空間で、この音楽を発展させたのだ」。

●アル―ジ・アフタブ、シャザード・イズマイリーとの共演アルバム『Love In Exile』が、第66回グラミー賞にて、最優秀オルタナティヴ・ジャズ・アルバム、最優秀グローバル・ミュージック・パフォーマンスの2部門にてノミネートされ、ますます注目が高まる中でのピアノ・トリオの強力盤。 (新譜インフォより)

Recorded May 2022
Oktaven Audio,Mount Vernon,NY
Engineer : Ryan Streber
Mixed July / August 2022
Cover photo : Jan Kricke
Linoer photos : Ogata (3),Christian Padron (7)
Design : Sascha Kleis
Produced by Vijay Iyer and Manfred Eicher
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