★ピアノのジェリ・アレン(1957年米ミシガン州ポンティアック生まれ、2017年ペンシルヴェニア州フィラデルフィアで死去)&ギターのカート・ローゼンウィンケル(1970年米ペンシルヴェニア州フィラデルフィア生まれ)、というともにワン&オンリーの個性と進取性そして最高の実力を持つ花形名手二人がガッチリとコンビを組んだ、2012年パリでのデュオ・コンサートの模様を捉えた未発表ライヴ音源を初ディスク化した、価値ある発掘アルバム。
★おぼろでスモーキーな霞むような陰影っぽさと清涼なる潤いを併せ持ったニュアンスに富む繊細トーンのギターが、アンニュイ&センシティヴに憂き心中を吐露するが如く切々と、そしてちょっと訥々とメランコリック節を綴って余情豊かな妙味を放ち、澄みきった透明感と歯切れよい鋭角性を兼ね備える堅牢タッチ・ピアノの、ある時はしっとりと淑やかに耽美的ロマンティシズムを映し、ある時は微妙に翳や曇りの射した風な半メディテイティヴな仄暗い情景を描写する、という中々シャープ&ソリッドかつ哀感滲む抒情指向プレイも奥行き深い魅力を揮った、全般に両者が細密に息を合わせ超敏感にフィーリングを通わせて同じ一つの心象風景をともにじっくりとスケッチしてゆく、といったイメージの機微ある交感が紡がれて静かに、そして力強く豊饒な感動を齎す渾身の好演内容。
★インティメイトな和気が変らず底流するバラード・コンセプトを大方の根幹としているものの、より動きのある、テンポのあるキレのいいバピッシュ・スウィンギン・グルーヴが結構分厚く体現されるところも多々あったりと、アプローチはあくまでメロディアス&リリカルだが所謂寛ぎ路線とは一線を画す、穏やかで柔和な落ち着いた中にもピリッとした緊張感を絶やさない、フレッシュなスリル&サスペンスも充分の詩的インタープレイがじっくり交わされてゆき、ローゼンウィンケル(g)の例によって妖しくグルーミーな面もあることはあるがどちらかと云うとここでは端麗メロディストとして非凡な底力を見せたデリケート技や、アレン(p)の濃やかな気配りでローゼンウィンケルを的確に盛り立てつつ、ソロ・パートにおいては折り目正しく唯美的なリリシスト面をイキイキと全開させた骨芯の太い浪漫プレイ、その各々が瑞々しくも含蓄ある冴えを、絶好調ぶりを示していて秀逸だ。
★ローゼンウィンケル(g)の、煙霧のような霞みの中に細く尖ったキレ&張りをも呈する音色も蠱惑的に、独特の思索瞑想性をあくまで分かりやすく表す半ミステリアスなコンテンポラリー奏法を基調とし、そのダークでビタースウィートな詩情描写に幽玄深く酔わせる一方、敏活なアクションを伴う局面においてはわりかしオーソドックスめのバップ・スタイルに接近した筆致も垣間見せたりと、そうした何げに幅があって懐の広い弾鳴のあり様は誠に雅趣豊かで説得力抜群。
★かたやアレン(p)の、普段はメインストリームからファンク、フリーまでこなす多才人ながら、本盤ではハンコック&エヴァンス以降の抒情派ピアノの正統様式を基底に敷いたロマネスク・バピッシュ・バラード表現、に潔くほぼ徹していて、真っ当にしてばっちりエレガントな本領を一切ブレることなく確固と発揮しており、これまた見事。
↓収録曲は同じですが、曲の配列は未定です。判明後、更新致します。
1. A Flower Is A Lovesome Thing
2. Embraceable You
3. Introductions (Geri Allen)
4. Simple #2
5. Ruby My Dear
6. Introductions (Kurt Rosenwinkel)
7. Open-Handed Reach
Kurt Rosenwinkel (guitar)
Geri Allen (piano)
2012年パリのThe Philharmonie de Parisでのライヴ録音
レーベル:
Motema Music
※制作過程上の都合により、発売が遅延しております。
※現在のところ、2024年1月〜2月予定です。
(変更の場合は、更新致します)
御予約商品
輸入盤LP
2024年1月〜2月入荷予定 受注締切:2023年10月15日
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