★甲南高校(兵庫県芦屋市山手町)ブラスアンサンブル部在籍時にウッドベースを始め、2003年守口・門真ジャズ・コンテストでグランプリ、ベストプレイヤー賞を受賞、日野皓正、吉田次郎、嶋本高之らとの共演を経て2005年に活動拠点を東京へ移し、以来、山口真文、佐山雅弘、鈴木勲(OMA SOUND)、市原ひかり、古谷淳、清水絵理子らのサイドで並外れた英才を遺憾なく発揮、2008年に自己のカルテットを結成し、リーダー作もミニアルバムの「Graffiti」や2nd「The Times」と着々リリースして評判を上げてきた、キャリアあるモダン・ベースの中堅実力者:中林薫平(1981年生まれ)の、今回は、広瀬未来(tp)や西口明宏(ts,fl)他、錚々たる精鋭達が顔を揃えた総勢10名のオーケストラを率いての、丸の内のCotton Clubでのライヴ編。作曲・編曲は全て中林の手による。
★張りとバネを利かせて歯切れよくウネりドライヴするベースの鳴動も中々強烈に際立った魅力を放ち続ける中で、超ダイナミックかつ突発的爆裂性みなぎった力強いホーン・アンサンブルや、各人の腰を据えて悔いを残さず完全燃焼する勇猛濃厚なソロ活躍、がこってりテイスティー・グルーヴィーに堂々と見せ場を飾りきった、全編劇的メリハリに富む高密度な驀進世界をスカッと壮快に、エキサイティングに愉しませる会心打内容。
★コンテンポラリーなモダン・ビッグ・バンド=ハード・バピッシュなラージ・アンサンブル物の正統らしい、歌心とブルース・フィーリングとバップ・スピリットを変らずキモとし、リズム・スタイルやアンサンブルのパターン、作劇構成面には曲毎に異なる多彩な意匠の凝らされた、抑揚豊かでノリノリかつフレッシュなスリルの途切れない勢いあるドラマティック・スウィンギン熱演、が嬉々溌溂と楽しげに、タフ&ストロングに展開してゆき、ほぼ一貫して正攻法勝負のハード・バップ・セッションを大型化した感じの、ごく明快で分かりやすい活劇エンタテインメント指向の道程が続く中で、銘々のいずれも千両役者然とフロントに躍り出ては気さくな人情味と旨みに満ちた即興妙技をキメるリレー合戦コーナーが、背後から迫るセクション毎のカラフルな重層合奏の煽り効果・捲し立て効果もあって殊の外充実した盛り上がりを、大豊作ぶりを呈していて云うことなし。
★ピリッとスパイシーに苦味走った鋭敏ハードボイルド・アクションとまろやかで優しいロマンティックな抒情派アプローチの双方に揺るぎない妙味を発揮する広瀬&黒田のトランペット連や、おぼろでウォーム・スモーキーな寛ぎブルージー節の聴く者を包み込むようなテンダネスの一方2人のアンサンブルでは金属的・建築的なソリッド感も見せる池本と酒本のトロンボーン陣、粋なファンキー風情と熱いファンク・グルーヴの間を自在に往来する土井(as)、モーダル・アグレッシヴな熱情的大立ち回りで圧倒したかと思えば美味さ芳醇な純正ハード・バップ・タイプの渋いバラード表現で大いに和ませてもくれる懐深い西口(ts)など、そうした、生鮮味とコクに溢れた個人プレーの名場面は全く目白押し状態だ。
1. Circulo
2. Evenfall
3. Daddy Duty
4. Passing
5. Choro For Charlie
6. Partagas
7. R.B.
黒田 卓也 (trumpet)
広瀬 未来 (trumpet)
池本 茂貴 (trombone)
酒本 廣継 (trombone)
土井 徳浩 (alto saxophone, flute, clarinet)
西口 明宏 (tenor saxophone, flute)
陸 悠 (baritone saxophone)
宮川 純 (piano)
中林 薫平 (bass, electric bass, leader)
菅野 知明 (drums)
2022年5月16日 丸の内"Cotton Club"(東京都千代田区丸の内2丁目)でのライヴ録音
レーベル:
Days of Delight
在庫有り
国内制作CD
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