★中学生の頃からトロンボーンを始め、甲南中学/高校そして慶應義塾大学でアレンジやコンダクトの技能を徹底的に磨き、現在自身の大編成バンドを率いて活躍している若手の名アレンジャー&名コンポーザーにしてモダン・トロンボーンのホープ:池本茂貴(1996年生まれ、兵庫県出身)の、本盤は、広瀬未来(tp,flh)や馬場智章(ts,ss)ら強力な精鋭達が顔を揃えたラージ・アンサンブル=isles(アイルス)のデビュー・アルバム。作曲と編曲は全て池本が手がけている。
★ピタリと息の合った中々端正なホーン・アンサンブルが歯切れよくもダイナミックにスケール感&ゴージャス感溢れる旗めくような轟きを示し、続いて登場する各人のハード・バップ魂に満ち満ちたアツいソロ活躍もノリノリにして旨味濃厚なる華やいだ魅力を遺憾なく発散、合間合間に挿入されるセクション毎の整ったクールな合奏も清涼剤的に好アクセントを成した、全般に、ソロ・コーナーの白熱した生々しい盛り上がりにはセッション風の迫真力もあるものの、1曲全体を俯瞰すると大河ストーリー様にキッチリ「構成」されてもいる、という誠に鮮やかな流れを瑞々しい感動と興奮一杯に愉しませる、スカッとした会心打内容。
★コンテンポラリーなモダン・ビッグ・バンドの正統らしいサウンド設計を旨とし、リズム・スタイルやアンサンブルのパターン、起承転結的な流れの組み立て、クライマックスの置きどころなどの作劇展開面、は曲毎に異なり多種多様、といった具合で先ずはスコアー上に十全な創意工夫の凝らされた山あり谷ありのドラマティックな行き方が続き、オーソドックスなバップ・スイングがあったかと思えば一転尖鋭的なファンク・グルーヴ路線もあり、壮大なロマネスク・バラードや軽妙なボッサ調もあったりと、清新味&スリルの途切れない道程の中で、銘々の、伸び伸びと自由形っぽく自己の本領をフル発揮する面と、曲想に合わせて"役"を演じる面、とを上手いバランスで並立させたアドリブ奮戦が、カラフル&テイスティーに極めて密度の高い豊作ぶりを呈していて卓抜だ。
★ピリッとスパイスを効かせて苦味走ったハードボイルドな鋭敏アクションをキメるトランペットや、ウォーム&ソウルフルなおぼろに霞む煙霧の如き懐深いスモーキー・トロンボーン、粋で渋〜い純正ハード・バップ派あり、モーダル・アグレッシヴなシリアス筋もありのテナー連、クーリッシュ・メディテイティヴな奥行きあるバラード表現とリズミカルな鋭角的ファンク妙技の双方に確たる魅力を揮うピアノ、ケッセル〜バレル辺りの流れを汲む豊潤にしてキレのある速攻ギター、等々、ウマみ〜コクたっぷりで忘れ難い鮮麗なる個人プレーの名場面多数。
1. Comet
2. Hidamari
3. Rhythm Blocks
4. Oath
5. Wind At My Back
*all compositions written by 池本 茂貴
*all compositions arranged by 池本 茂貴
池本 茂貴 (conducting, trombone)
広瀬 未来 (trumpet, flugelhorn)
佐瀬 悠輔 (trumpet, flugelhorn)
和田 充弘 (trombone)
デイヴィッド・ネグレテ David Negrete (alto saxophone, flute)
馬場 智章 (tenor saxophone, soprano saxophone)
陸 悠 (tenor saxophone, soprano saxophone, flute, clarinet)
宮木 謙介 (baritone saxophone, flute, bass clarinet)
Taka Nawashiro 苗代 尚寛 (guitar)
海堀 弘太 (piano)
小川 晋平 (bass)
小田桐 和寛 (drums)
岡本 健太 (percussion)
2023年4月13日東京SOUND CITY録音
レーベル:
JAZZmmBONE
在庫有り
国内制作デジパック仕様CD
↓参考動画
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