★ユリシス・オーウェンズ・ジュニア(ds)と組んだNYのニュースター・チーム:New Century Jazz Quintet(加えてベン・ウィリアムズ-b&ネイト・スミス-dsとのTBNトリオ)での活躍でも大いに鳴らした敏腕ピアニスト:大林武司(1987年広島市生まれ)(米バークリー音大に学ぶ)が、六本木のジャズクラブ:Alfieで録られたライヴをアルバム化するお馴染みLive at ALFIEシリーズに登場、=2種類のピアノ・トリオを率いた快演が聴かれる(あとソロ・ピアノも1曲)。
★一音一音にクッキリとキレがあって鋭角で硬質な勢いある鳴り様を示すと同時に、その所作動静にはきちんと作法に適った端正でエレガントな趣もある、中々ニュアンスに富んだ鮮明かつ堅牢なストーン・タッチのピアノが、先ずは伝統的バップ・イディオムに則ったソリッド&スクエアーな陰影濃い"殺陣の型"風の力学的ハード・アクションでグルーヴの基盤を創り、より抒情的であったり歌謡的であったりのメロディアスな行き方においてはファンキー語法もしくはエヴァンス以降のリリカル・ピアノの典型たる躍動型の耽美浪漫フレーズなどを効果的に用い、文脈を転回させ興を散らす、という、ごく親しみやすく人情味に満ちた正攻法プレイを綴ってノリよく美味しい魅力を放ち、性質の異なる2種のベース&ドラムのともに安定律動力と当意即妙の機動性・遊撃性を併せ持ったフレキシブルなサポートも頼もしい妙味を揮った、一貫して大衆娯楽指向の明快晴朗な詩的ハード・バップ大会が続いてスッキリと愉しませる、胸躍るクリーンヒット編。
★歌心とスイング感を何より大切にし、ブルース・フィーリングやバップ・スピリットも自ずと潤沢に備わった、歯切れよく確固としてノリにノる人情肌バピッシュ奏演がダイナミックに、風通しもよさそうにおおらかさをもって嬉々溌溂と展開され、ベース&ドラムの繊細さと攻撃性を兼備した表情多彩なバックアップに上手く刺激を受け、ノセられながら、大林(p)の、縦横無尽で結構多角的、それでいて泰然自若っぽく一本揺るぎない骨芯の通ったアドリブ妙技が、わりかし頑としてテイスティー・グルーヴィーに冴え渡っており秀逸だ。
→硬派筋のバップ語法もしくはモード語法を使ったハードで力強く切れのいいダイナミズム攻勢でもってブレのないタフ&ストロングな重厚グルーヴ感+スリルを雄々しく醸成、並行して、アーシーでソウルフルなファンキー派タイプの吟醸的ブルース・フレージングや、エヴァンスに倣ったと思しきメロディー&ハーモニー感覚を活かしての唯美的ロマンティック節、などを豊富に織り混ぜてメリハリ満点に歩を進めてゆくそのドラマティックな弾鳴のあり様は、まだ三十代ながら既に百戦練磨の堂々とした風格並びに芳醇な旨味を多分に感じさせ、説得力も抜群。
★同じメンバーでも曲によってそのやりとり・呼吸は微妙に違ってゆくが、大雑把に捉えるならワシワシ荒々しく豪快に猛襲する粟谷(b)&石若(ds)チームと、よりセンシティヴで精確巧緻なズバリ核心を衝いてくる小川(b)&中村(ds)チーム、の対比も興趣充分。
1. If Ever I Would Leave You
2. Stella By Star Light
3. V.S.
4. Four
5. Lonely Woman
6. Portrait Of Bill (solo piano)
7. Foresight
大林 武司 (piano)
with Trio Standards [#1, #4, #5]
粟谷 巧 (bass)
石若 駿 (drums)
with Trio Renaissance [#2, #3, #7]
小川 晋平 (bass)
中村 雄二郎 (drums)
2023年日本作品
レーベル:
LIVE at alfie
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国内制作・三つ折り紙ジャケット仕様CD