★ニューヨーク・シーンで活躍するキャリア豊富な中堅ドラマー:ブランドン・サンダース(1971年米カンザス州カンザスシティ生まれ)の、満を持しての初リーダー・アルバム。編成は、テナーサックス、ヴィブラフォン、ピアノ、ベースとのクインテットが基本で、2曲には人気女性ヴォーカリストのジャズメイア(ジャズミーア?ジャズマイア?)・ホーンがゲスト参加。
★鋭いキレとワシワシ迫るパンチ・アタック力をもって問答無用っぽく安定したスウィンギン・ビートを刻むドラムの敏活鳴動、も終始頼もしげに旨口グルーヴ感を醸成し続ける中で、「純正ハード・バップ」の匂い濃い太く丸みあるテナー・ブロウや、清涼感とブルース・テイストの宝庫然としたヴィブラフォンの潤い豊かな滑脱マレット捌き、全体の抑え役を担うピアノのソリッド&スクエアーな堅牢弾奏、加えて時折現れては爽やかに漆黒ソウルみなぎった演唱でテイスティーな魅力を際立たせる女性ヴォーカル、らが代わる代わる色とりどりの美味しい見せ場を繋いでゆく、全編ひたすら真っ当なモダン・ジャズ黄金時代を思わせるマイルド・ブルージー快演が連続して心地よくノセ、また深々と和ませてくれる中々の芳醇内容。
★歌心とスイング感にポイントを絞った、ブルース色も濃厚な、そして根底には絶えずインティメイトで温かいリラクゼーションが息づいた、単純明快大衆派娯楽指向の極めて"ハード・バップらしいハード・バップ"演奏が愉しげに、柔和に綴られてゆき、リーダー:サンダース(ds)のきっちりツボを心得、最良のノリとスリルを的確に齎す揺るぎない船頭ぶりも光る、適度にメリハリの利いた道程の中で、花形の座を和気あいあいの友好ムードで競い合うルイス(ts)とウルフ(vib)のソロ活躍が殊の外豊饒なる盛り上がりを見せて、コク深くも胸躍る思いだ。
★ルイス(ts)の、モード色は殆ど感じさせない「生粋ハード・バッパー」たるシンプル・ストレートな芸風を身上とし、ロリンズやモブレー、デクスターらの影を映しながら時にはレスター系やB・ウェブスター辺りにも接近してゆくその、ブルース・センス&バップ・スピリットに溢れた美メロの泉たる潤滑まろやか吹奏が旨味たっぷりに冴え渡っており、かたやウルフ(vib)の、ここでは潔くミルト・ジャクソン直系のクール・ブルージー・スタイルにほぼ徹した流麗ワザがまた(音色そのもののちょっと木琴っぽくもあるドライな風合いと相まって)大層デリシャス・グルーヴィーかつナイーヴ&スモーキーな妙味を放って格別。手堅く硬質なブラウン(p)の職人芸や、絶妙のスパイス効果を提供するホーン(vo)の堂々たる客演、も卓抜。
1. Softly, As In A Morning Sunrise 3:45
2. Compton's Finest 5:10
3. I Can't Help It 5:30
4. Voyage 5:06
5. Body And Soul 4:54
6. Monk's Dream 6:07
7. In A Sentimental Mood 4:30
8. SJB 4:24
Chris Lewis (tenor saxophone except 7)
Warren Wolf (vibraphone)
Keith Brown (piano)
Eric Wheeler (bass)
Brandon Sanders (drums)
*special guest:
Jazzmeia Horn (vocal on 3, 7)
2023年2月18&20日NYブルックリンのThe Bunker Studio録音
レーベル:
Savant
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