★ホームタウンのカンザスシティを拠点に活動し、セルフ・プロデュースでアルバムも幾つか発表していた米ジャズ・オルガンの逸材:クリス・ヘイゼルトン(Dr.ロニー・スミスに師事)の、本盤は、バリトンサックス&ギター&ドラムとのカルテットに一部コンガも加わりつつの快編。
★腰を据えてじっくりと地の底へ降りてゆくようなオルガンのダウン・トゥ・アースでソウルフルな沸騰的プレイが、絶えず小気味のいいグルーヴとイナセげな熱気を音空間底部に醸成し続け、鋭いアタックの利いたドラムや時折現れるホット・スピリチュアルなコンガもこれに上手く拍車をかける中で、ブットく重厚な豪快バリトン咆哮やアーシー・ブルージーでキレのあるギター弾奏、そして雄々しきパッションとブルース・フィーリングを威勢よくハジけさせるが如きダイナミックなオルガン・プレイ、らが色とりどりに濃密な見せ場を繋いでゆく、全編オルガン・ジャズ〜ソウル・ジャズの真髄たる活劇エンタテインメント・タイプの躍動的熱演が続いて、スカッと壮快に昂揚させ、また豊かな旨味を満喫させてくれる会心打内容。
★ヘイゼルトン(org)の怒涛のように大ヴォリュームで押し寄せてくる濃い口のダイナミズム攻勢には、オルガン物ならではの堪えられない妙味や迫力があるが、トータルなアウトラインとしては所謂オルガン・ジャズとファンキー系ハード・バップの中間ぐらいのイメージの、即ちノリノリのリズミカルなグルーヴ感と純正バップならではの粋渋テイストを併せ持った、何より歌心を大切にする大衆娯楽的なブルージー・スウィンギン驀進がイキイキと展開してゆき、どこまでも明快かつシンプル・ストレートな気さくさ+人情味溢れる歯切れよく風抜けのいい道程の中で、各人がリキまず伸びやかに本領を発揮するソロ・コーナーが清々しいまでのおおらかな盛り上がりを、大豊作ぶりを呈して全くゴキゲンだ。
★ヘイゼルトン(org)の、アツく烈しく猛々しいエモーションをブルース・スタイルに乗せて力強く叩きつけてくるが如き勇み肌の大吟醸節や、よりコンテンポラリーめにスタイリッシュされたポップなフレージングなど、泥臭さと洗練さがナチュラルに掛け合わされたその旨口インプロヴィゼーションが絶好調に冴え渡っており、また、ジャクソン(bs)のペッパー・アダムスの流れを汲んだ硬派バリトンの正統らしいブリッと吠える武骨ブロウや、アンダーソン(g)のベンソン〜グリーン系統とバレル型スタイルをミックスした風な鋭角的プレイ、といった辺りもコク深く際立つなど、個人プレーの聴きどころはすこぶる充実している。
1. Amsterdam After Dark
2. Easy Talk
3. Jammin' At The Kirk
4. Night Lights
5. So Tired
6. The Groove Merchant
7. Watch What Happens
Brett Jackson (baritone saxophone)
Jamie Anderson (guitar)
Chris Hazelton (hammond B-3 organ)
John Kizilarmut (drums)
Pat Conway (conga on 1, 5, 7)
2022年2月19&20日米ミズーリ州カンザスシティのWeights & Measures Soundlab録音
レーベル:
Cellar Music (Cellar Live)
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見開き紙ジャケット仕様CD
★ジャズ・オルガンの巨匠Everette DeVanの演奏を聴き、ハモンド・オルガンに魅了されたクリス・ヘイゼルトン。NYでの音楽修行中に、オルガンの権威、ロニー・スミスに師事。その後、故郷カンザス地方を拠点にアメリカ中西部でジャズ〜ソウル畑で活発な演奏活動を続け、ソウルミュージックのレーベルを設立、EP,LPをリリースしている。又、Centennial United Methodist Church(かつてカウント・ベイシーやチャーリー・パーカーも演奏していた教会)でオルガニストの席を務める。 また、人気のソウル・アンサンブル、フリーダム・アフェアのベース・ギターを務めるなど、ジャズ&ソウルな活動に余念がない。(HPのBIOGRAPHYから抜粋)