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ホーム2023年7月REVIEW壮大なスケールとドラマツルギーを有したビッグ・バンド鳴動をバックにメランコリック&ソリッド・バピッシュな哀愁ピアノやクール・ドライ&スモーキー・テンダーな物憂く蒼き柔和トランペットが悠々と見せ場を飾る白眉の充実作 CD ENRICO PIERANUNZI, BERT JORIS, FRANKFURT RADIO BIG BAND エンリコ・ピエラヌンツィ ベール(バート)・ヨリス フランクフルト放送ビッグ・バンド / CHET REMEMBERED チェット・リメンバード
商品詳細
★好評だった先年の一作「Afterglow」に続いて、イタリアの大御所:エンリコ・ピエラヌンツィ(p)(1949年イタリアのローマ生まれ)とベルギーの逸材:ベール(バート)・ヨリス(tp)(1957年ベルギーのアントワープ生まれ)、というヴェテラン名手コンビの再びのコラボ作品が登場。今回は、フランクフルト放送ビッグ・バンドを伴っての、ピエラヌンツィがかつて幾度も共演を重ねたチェット・ベイカーへのオマージュが込められた一編。

★精確巧緻に整った巨大建築を思わせるカラフルなホーン・アンサンブルが一糸乱れぬ呼吸をもって奥行き深くスケールの大きい劇的背景音響を織り成す中で、歯切れよくダイナミック&ブルージーに哀愁情緒や硬質バピッシュ・グルーヴを体現するピアノや、幾分乾いたスモーキーなトーンでちょっとアンニュイに憂き浪漫を映し出すトランペット、らがスター性満点で悠然と構えた風なゆとりと貫禄ある華を軽やかに飾ってゆく、全般にビッグ・バンドの醸すアーキテクチュラルなドラマツルギー傾向・ストーリー傾向とピエラヌンツィ(p)やヨリス(tp)の自然体で伸びやかな正攻法即興の迫真力並びにフレッシュネスそして旨味、が上手いバランスで掛け合わされた雄渾の抒情詩世界を瑞々しく清やかに愉しませてくれる会心打内容。

★アレンジや構成(→ヨリスの手による)は周到に練り上げられてはいるものの必ずしもそれと意識させることなく、一貫して歌心=メロディーの美や詩情と安定律動的な小気味のいいスイング感を何より大切にした、アクティヴ・リリカル系ハード・バップの大型版といった趣のごく親しみやすいエンターテイニングな行き方が続き、ビッグ・バンドの重層的鳴動が何げに手の込んだ壮大深遠さやドラマティックさを演出する一方、ピエラヌンツィ(p)とヨリス(tp)はあくまで肩肘張らずゆったり伸び伸びと得意技の披露に興じきる、という、フロントとバックのコントラストも絶妙にひたすらデリシャス・グルーヴィーな音景色が創出されていて全くゴキゲンだ。ピエラヌンツィ(p)の、ここでは先ずストレートアヘッドなメインストリーマー〜現代ハード・バッパーの一典型たるキレ味シャープかつソリッド&スクエアーな堅牢アクションでもって硬派筋のノリ&気魄を凛々しく醸成、がしかしそれと並行して独特の翳りあるメランコリック&センシティヴなポエティシズムの発露という十八番至芸も随所にそれとなく潤沢に盛り込んで、何とも云えぬ幽玄の漂う文脈と軽々とマイペースで形作って見せる、そうした普段着感覚で当セッションをとことん楽しもうとの、さすが王者の余裕と風格ある匠のワザがわりかしハートウォーミングに冴え渡っていて好感度(並びに説得力)も抜群で、かたやヨリス(tp)の、背筋の伸び具合とルーズな脱力感とが渾然一体となった、チェットに通じるクール・ドライで煙霧の如きブルーな陰影を纏ったややけだるくもある哀感とバピッシュ&ブルージーなウマみの描出ぶりがまた、機微や含蓄に富んだ中々懐の広い魅力を放って秀逸。

★この両雄の、各々一ソロイストとして別々に現れ悠々と個人プレーに終始しているようでありながら、さりげなくキッチリ繋がりのあるストーリー風の流れを共作しているところもあったりと、その巧まざる緊密コンビネーションの妙がこれまた卓越している。加えて、ソウルフル&ハード・ドライヴィングなテナーや、ウォーム&アーシーな濃い口トロンボーンなど、楽団構成員らのそれぞれ割り振られた短い尺の中にエッセンスを凝縮し、決死の気合を爆発させたような敢闘が光る好場面も度々あって巧いアクセント。

1. From E. to C. (7:25)
2. Lost And Found (5:55)
3. Chet (8:14)
4. Soft Journey (6:45)
5. Fairy Flowers (8:35)
6. Night Bird (6:50)
7. Echoes (7:20)
8. Brown Cat Dance (6:08)
9. The Real You (5:01)

Enrico Pieranunzi エンリコ・ピエラヌンツィ (piano)
Bert Joris ベール(バート)・ヨリス (trumpet)
Frankfurt Radio Big Band フランクフルト放送ビッグ・バンド

2023年作品

レーベル:Challenge

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◎輸入盤CD (スリーブケース仕様) ← 在庫切れ、可能な限りお取り寄せ致します
◎国内仕様輸入盤CD (スリーブケース仕様)(日本語帯、解説付)原田和典書き下ろしの日本語解説 ← 在庫切れ、可能な限りお取り寄せ致します

こちらで試聴可能です。


壮大なスケールとドラマツルギーを有したビッグ・バンド鳴動をバックにメランコリック&ソリッド・バピッシュな哀愁ピアノやクール・ドライ&スモーキー・テンダーな物憂く蒼き柔和トランペットが悠々と見せ場を飾る白眉の充実作 CD ENRICO PIERANUNZI, BERT JORIS, FRANKFURT RADIO BIG BAND エンリコ・ピエラヌンツィ ベール(バート)・ヨリス フランクフルト放送ビッグ・バンド / CHET REMEMBERED チェット・リメンバード

販売価格: 2,400円~2,800円(税込)
オプションにより価格が変わる場合もあります。
仕様:
数量:
商品情報
CHALLENGE

☆イタリアの至宝エンリコ・ピエラヌンツィが再びバート・ヨリスと共演!
☆フランクフルト放送ビッグ・バンドをバックに、チェット・ベイカーへのトリビュートを描く!
☆国内仕様盤は、原田和典書き下ろしの日本語ライナーノーツ付き!

■イタリアが生んだ現代最高のジャズ・ピアニストの一人エンリコ・ピエラヌンツィが、欧州最高峰との呼び声も高いベルギーの名トランぺッター、バート・ヨリスと再び共演!2021年にリリースされた『アフターグロウ』(OCR73460/CR73460)以来となるヨリスとのコラボレーションでは、フランクフルト放送ビッグ・バンドとも共演し、ウェストコースト・ジャズを代表するトランぺッター&ヴォーカリストの偉人チェット・ベイカーへと捧げるトリビュート・プログラムを収録。
エンリコ・ピエラヌンツィは1979年にチェット・ベイカーと出会い、すぐに彼の音楽人生のターニング・ポイントとなり、共に多くのコンサートやレコーディング・セッションで活動してきました。ピエラヌンツィがチェット・ベイカーから大きな影響を受けた重要な数年間に生み出されたエンリコ・ピエラヌンツィの作品を中心に、チェットのために作曲された数々の名曲が、バート・ヨリスによる鮮やかなビッグ・バンド・アレンジで吹き込まれています。(新譜インフォより)