★新版 ECMの真実 著者 稲岡邦彌
▼目次
まえがき
巻頭に寄せて(マンフレート・アイヒャー)
【第 I 部 ECMの軌跡】
●第1章 トーチを受けて 黎明期
1 リンダウ、ベルリン、ミュンヘン
2 マル・ウォルドロン
3 ディストリビューション
4 ポール・ブレイ
5 初プロデュース
●第2章 異端としての出発 1970年代
1 ヤン・ガルバレク
2 ヤン・エリック・コングスハウク
3 デイヴ・ホランド
4 チック・コリア
5 独占契約
6 アンソロジー
7 デイヴ・リーブマン
8 ジョン・アバークロンビー
9 キース・ジャレット
10 スタンダーズ
●第3章 新たな挑戦 1980年代
1 アート・アンサンブル・オブ・シカゴ
2 ジャック・ディジョネット
3 フォト・セッション
4 契約終了
5 コリン・ウォルコット
6 ドン・チェリー
7 ニュー・シリーズ
8 パット・メセニー
●第4章 メディアを超えて 1990年代
1 ECMと映画
2 『レインボー・ロータス』
●第5章 創立40周年を迎えて 2000年以降
1 オスロの虹
2 ECMと日本(日本人)
3 ニュー・シリーズを総括する
4 創立40周年を迎えて
5 ECM——A Cultural Archaeologyと周年イベント
【第 II 部 ECMの伝説】
●第6章 証言
01トーマス・ストゥーヴサント/02ハンス・ヴェンデル/03スティーヴ・レイク/04リー・タウンゼント/05デイヴィッド・ベイカー/06カーラ・ブレイ/07中野雄/08鯉沼利成/09及川公生/10矢野泰三/11大江旅人/12福井亮司/13大村幸則/14五野洋/15丸茂正樹/16内藤忠行/17菅野沖彦/18オノ セイゲン/19原田和男/20佐々木吉彦/21斉藤嘉久/22海老根久夫/23多田雅範/24堀内宏公/25ヤン・ガルバレク/26デイヴ・ホランド/27キース・ジャレット/28ジャック・ディジョネット/29ゲイリー・バートン/30ラルフ・タウナー/31デイヴ・リーブマン/32ジョン・アバークロンビー/33リッチー・バイラーク/34トーマス・スタンコ/35エグベルト・ジスモンチ/36ミロスラフ・ヴィトウス/37ジョン・サーマン/38ディノ・サルーシ/39アルヴォ・ペルト/40小曽根真/41キム・カシュカシャン/42ハイナー・ゲベルス/43マルクス・シュトックハウゼン/44チャールス・ロイド/45ドロシー・ダー/46ギヤ・カンチェーリ/47ケティル・ビヨルンスタ/48レーナ・ヴィッレマルク/49ヘルベルト・ヘンク/50ヨン・バルケ/51アリルド・アンデルセン/52スタンリー・カウエル/53スティーヴ・キューン/54トム・ファン・デア・ゲルト/55シュテファン・ミクス/56ポール・ブレイ/57マリリン・クリスペル/58ビル・フリゼール/59加古隆/60エンリコ・ラヴァ/61ステファーノ・ボラーニ/62ニック・ベルチュ/63ジョルジュ・グルンツ/64タイガー大越
●第7章 対話
01 マンフレート・アイヒャー
02 スティーヴ・レイク
03 ロベルト・マゾッティ
04 サン・チョン
05 ポール・ブレイ
06 ヴァネッサ・ブレイ
07 アリルド・アンデルセン
08 キース・ジャレット
09 トーマス・モーガン
10 マティアス・アイク
11 ヤコブ・ブロ
12 イーサン・アイヴァーソン
13 菊地雅章
14 福盛進也
15 田中鮎美
16 デュオ・ガッザーナ
17 J.A.ファーバーとJ.E.コングスハウクを継ぐエンジニアたち
●第8章 エッセイ広告
詩誌『ユリイカ』と『カイエ』の裏表紙に連載した30本のエッセイのアーカイヴ
あとがき
索引
四六判並製:576頁
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書籍
★著者:稲岡邦彌(いなおか・くにや)
1943年伊丹市生まれ。早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。1973年、トリオ・ケンウッド時代に独ECMとライセンス契約を交わし、以来10年間、レーベル・マネジャーとしてECMの市場開発に尽力する。その間、洋楽部長、制作部長を歴任。2004年、web-magazine「JazzTokyo」を共同創刊、編集長に就任。音楽プロデューサーとして1998年、ジャズ・レーベル Transheartを設立、菊地雅章、ポール・ブレイ、リッチー・バイラークなどのアルバムを、2020年、King International内にNadja21レーベルを創設、中牟礼貞則&三吉功郎、渋谷毅&仲野麻紀などのCDをそれぞれ制作。共著に『ジャズCDの名盤』(文春新書)、編著にCD-ROM/BOOK『及川公生のサウンド・レシピ』(ユニコム)『増補改訂版 ECM Catalog』(東京キララ社)がある。
1973年にECMがECMレーベルをまとっての国内プレス盤の発売以来50周年を迎える2023年。一度は発作に倒れた総師マンフレート・アイヒャーが不死鳥のように蘇り80歳を迎える。河出書房新社より2001年(初版)、2009年(増補改訂版)と刊行され、日本の音楽ファンに読み継がれてきた『ECMの真実』をさらに大幅に増補改訂した『新版 ECMの真実』。
1969年にマンフレート・アイヒャーによって設立されたECM(Edition of Contemporary Music)Recordsは、“沈黙に次ぐ最も美しい音(The Most Beautiful Sound Next to Silence)”をコンセプトに50余年にわたって今なお唯一無二の存在であり続けている。ドイツ・ミュンヘンで20代の若者が始めた小さなレーベルは、いかにして世界を牽引するレコード会社となったのか。本書はECMの初期10年間にレーベル・マネジャーとして尽力した著者による無類の歴史物語=ECMの真実であり、とりわけ日本とのかかわりがECMにとって強力な起爆剤となっていたことが克明に描き出される。マンフレート・アイヒャーを軸として浮かび上がる「ECMの軌跡」、さまざまな関係者の証言による「ECMの伝説」の2部構成。今回の「新版」では、ECMと深い関わりのある人物のインタヴューを多数追加し、また日本におけるECM受容の一端を示す資料を掲載する。約200ページ増の大ヴォリューム。現代音楽としてのジャズ、前衛音楽としてのクラシック、“沈黙に次ぐ最も美しい音”に迫る。