★お馴染みカナダ・モダン・アルトサックス(テナーを吹くこともある)の大ヴェテラン:PJ・ペリー(1941年カナダ-アルバータ州のカルガリー生まれ)の、今回は、トランペットとの2管フロントのクインテット(途中1曲でトロンボーン加わる)を率いての、新たに書き下ろされた自身とニール・スウェインソンとの共作オリジナル曲集。
★ピタリと息の合った2ホーンのシャープな張りやキレを呈したしなやかにウネるアンサンブルがファンファーレの如く勇ましげに旗めいた後、キュッと絞りの利いた筋肉質トーンのアルトがエネルギッシュ&パッショネートに熱い情動の様を活写する感じのハード・ドライヴィング・ブロウを炸裂させて、実に精悍で雄渾たる華を成し、ピリッとした鋭利な切れ味と敏捷さをもって明朗で晴れ晴れした立ち回りを見せるトランペットや、ソリッド&スクエアーな殺陣の型っぽい純バップらしさにモーダルなスケールのデカさ並びにファンキーな吟醸感を適宜盛り込んでくるピアノ、らの追撃攻勢も凛々しげに魅力を際立たせた、全編迷いなく潔い直球勝負の敢闘が続いてスカッと胸のすくような壮快な昂揚感を満喫させてくれる会心打内容。
★歌心とスイング感にポイントを絞り、ブルース・フィーリングも潤沢に備わった、全般にオールド・ファッションっぽさとアップデート性が絶妙のバランスで共存並立する粋でイナセな正統派ハード・バップ大会、が嬉々溌溂と歯切れよく展開され、リズム・セクションの確たる安定律動性と機略縦横の遊撃力を兼ね備えた堅固なサポート、にガッチリ頼もしく支えられ、触発されながら、圧倒的なまでに気力の充実しきった(←本アルバムのプロデュースはペリー本人ゆえ気合の入り方も違う?)正々堂々ポジティヴ躍進で抜きん出た颯爽たる花形ぶりに終始するペリー(as)以下、各人の腰を据えて完全燃焼する気合の入りまくったソロ合戦コーナーが豊饒この上なしの盛り上がりを示してゴキゲンだ。
★ペリー(as)の、激烈で熱っぽく猛々しいモーダル・アグレッシヴなダイナミック・アクション咆哮で武勇肌の迫真力をみなぎらせ、並行してアーシーなブルース由来の旨味を豊富に含んだ小節を随所に滑り込ませてイキで渋い醸熟の妙味をも軽々揮う(加えて、バラードでの繊細な耽美的ロマンティシズムに満ちた哀愁の唄い上げ様が余情深くまた絶品)、その抜群の鮮度を維持しつつ繰り出される徹頭徹尾エンターテイニングな活劇的即興至芸〜熟練した語り口が誠にアザやかに冴え渡っていてとりわけ卓越しており、一方ティルデスリー(tp)の生粋ハード・バッパー然とした勇壮なスウィンギン吹奏や、アンドリュー(p)のカッチリした堅実な抑え役に徹する風な鋭角的弾奏、といった辺りも各々果敢に拮抗を見せていて好インパクト。
1. Too Soon Gone
2. Agoraphobia
3. So Long
4. March Of The Covidians
5. No Hugs
6. The Kestrel
7. Scaredy Cat
8. Gring's Dilemna
PJ (P.J. = Paul John) Perry(alto saxophone)
Bob Tildesley (trumpet)
Chris Andrew (piano)
Paul Johnston (bass)
Dave Laing (drums)
Brad Shigeta (trombone on 2)
2021年10月24&25日カナダ-アルバータ州シャーウッドパークのDanLyn Studio録音
レーベル:
Cellar Music (Cellar Live)
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見開き紙ジャケット仕様CD