★NYブルックリン・シーンの最前線で精力的に活躍し、過去10余年来、Palmetto、FSNT、Criss Cross、SteepleChase他から続々と意欲作を発表してブイブイ云わせてきた、現代テナーサックスの個性的逸材:ノア・プレミンガー(1986年米コネチカット州カントン生まれ)の、今回はベース&ドラムとのシンプルなトリオによる雄渾の一編。
★野太くドスの利いたヘヴィーウェイト感十二分なトーンのテナーが、武骨で剛健、それでいて流麗滑脱でもある、渦巻きを描くが如き苦味走ったハード・ドライヴィング咆哮を豪快かつ泰然と繰り出して鷹揚なる華を成し、重厚さと鋭敏さを併せ持ったドラム&ベースのドッシリ感みなぎるウネり揺れ躍り様も、頼もしげにグルーヴを強化しきった、全体を通じ男臭くゴツい硬派サックス・トリオの本道たる熱演が貫かれて理屈抜きに昂揚させてくれる、中々の濃密内容。
★精悍で雄々しく逞しげな"タフガイの驀進"然とした分厚い強靭敢闘が、幾分か荒削りなゴツゴツ感を伴いながら雄大かつ勇猛に展開されるが、大凡のアウトライン・イメージはハード&ワイルドな武勇派っぽいものの歌心やブルース・フィーリングにも決して事欠く様子はなく、何げに上手い按配でバランスのとれたテイスティー&ハード・バピッシュな堂々たる道程の中、キャス(b)&スチュワート(ds)のブットくもキレのある猛烈スイング攻勢に強力にプッシュされて、プレミンガー(ts)の、腰を据え肝を据えて伸びやかに雄叫びを上げるかのような、豪放磊落にして抒情味あるアドリブ奮戦がこってりコク旨に豊作ぶりを見せて壮快だ。
→ロリンズやジョーヘン辺りに通じる太いハード・ドライヴ感に溢れたスクリュー・ブロウ・スタイルを根幹としつつ、ちょっとブレッカーっぽくもあるモーダル・テイストを強めて、ブルージー&アグレッシヴに引き締まった表情でシリアスなダイナミック・スウィンギン轟音を体現してゆくその、ストロングかつエネルギッシュでありながらどこか悠然と構えた風な仄かな脱力感やソフト・スムースさをも垣間見せる吹鳴のあり様は、結構懐も深そうで、頑強にして余情豊かな魅力に満ちており、また、バラードやリリカル路線のトラックにおいては繊細な思索瞑想性や内省型の詩的センスも発揮されるなど、そうした緩急自在で硬軟併せ持った揺るぎないサウンド・キャラは実に芳醇で説得力も絶大。
1. FTGOP 6:41
2. High Or Booze 4:54
3. The Late 90's 5:39
4. Iris 6:55
5. You'll Never Win 7:27
6. Armor 7:32
7. Sky Continuous 6:12
8. Jamz 6:03
9. Little Melonae 4:33
Noah Preminger (tenor saxophone)
Kim Cass (bass)
Bill Stewart (drums)
2021年11月9日ニューヨーク市クイーンズ区アストリアのthe Samurai Hotel Recording Studio録音
レーベル:
Criss Cross
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