★1980年代後期よりイタリア主流派シーンで活躍し、本盤にも参加している女性サックス奏者カルラ・マルシアーノ(マルチアーノ?)のサイド等で辣腕を揮ってきたピアニスト:アレッサンドロ・ラ・コルテ(1969年生まれ、サレルノ出身)の、2サックス入りクインテット基本での2017年リリースの旧作。
★骨太く硬質堅牢なストーン・タッチ・ピアノの熱のこもった力強いダイナミック・アクションが実に頼もしくパッショネートに迫力満点の強行突破的先陣ぶりを見せ、ホット・スピリチュアルに囀り鳴くソプラニーノや、タフ&ストロングに体当たりをカマしてくるような分厚いベースとドラム、コク深くまろやかかつアーシーに哀愁を歌うドライヴ感溢れるこってり味の吟醸テナー、キュッと絞りの利いたエネルギッシュなアルト、らの腰の据わった伸びやかな活躍も各々圧倒的鮮烈さで堂々魅力を際立たせた、全体を通じちょっと壮絶なまでの気魄に貫かれた完全燃焼の奮戦が続いて、スカッと昂揚させてくれる敢闘内容。
★リーダーであるラ・コルテ(p)の、マッコイの流れをストレートに汲んだ、情魂がグツグツとアツく煮えたぎってゆく様を激烈に描破する感じの力学性と疾走感に満ちたその躍動、に象徴されるが如き硬派勇猛な頑としたモーダル熱演がスケールも雄大に展開され、質実剛健の男気がみなぎるパワフルでマッチョな驀進態勢を基調とする反面、ラ・コルテがエレピを弾くトラックではよりスマート&リズミカル・グルーヴィーなコンテンポラリー・ファンク・タイプの軽やかさ・涼やかさも齎される、という上手くメリハリの利いた半劇的道程の中で、ラ・コルテを始めとする銘々の気合の入りまくったアドリブ勇躍が色彩感も豊かに濃密な盛り上がりを、豊作ぶりを呈してゴキゲンだ。
★ラ・コルテ(p)の、肝を据えて雄渾のモーダル・エモーショナル街道を迷いなく突き進む、ハードボイルドで熱血そしてブルースの旨味にも富んだ豪快ダイナミズム攻勢!、が問答無用っぽく聴く者を壮快に圧する強靭この上なき妙味を振るっていて先ずは卓抜で、一方、ポポロ(ts)の、モード奏法も使うもののどちらかと云えばこのグループの中で唯一純正ハード・バップ的なマイルド・ブルージー・テイストやリラクゼーションを醸成する任を担っているイメージの滑脱ブロウの様、が絶妙の清涼剤効果を発揮しており、またマルチアーノ女史(sopranino,as)の、前半では甲高くトンガったソプラニーノで、後半ではテナーと聴き違うような重厚なアルトで、コルトレーンやD・リーブマンのスタイルを継承した甘さのない奔放苛烈なアグレッシヴ咆哮を爆発させる結構男っぽい大暴れぶり、もそれぞれ濃厚旨口な存在感を放つなど、個人プレーの見せ場は極めて充実している。
1. Smile In Winter
2. The Sound Of Silence (p-b-ds trio)
3. Unknow Tone (Annotone)
4. Yesterday (ts-p/elp-b-ds quartet)
5. One For McCoy
6. Live On Keaps
7. Blues At 25 CM
Carla Marciano (alto saxophone except 2, 4) (sopranino saxophone on 1, 3)
Jerry Popolo (tenor saxophone except 2)
Alessandro La Corte (piano except 3) (electric piano on 3, 4)
Marco de Tilla (double bass)
Luigi Del Prete (drums)
*horn ensemble section on 1, 5:
Ciccio Verrengia (trumpet)
Nicola Coppola (trumpet)
Raffaele Carotenuto (trombone)
Carla Marciano (alto saxophone) (sopranino saxophone ; overdubbed)
Peppe Plaitano (tenor saxophone)
Alfonso Deidda (baritone saxophone)
2017年イタリア作品
レーベル:
Alfa Music
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スリーブケース仕様CD
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