★クラシックの修練を十全に積んだ後、ジャズに転向し、ソロ、トリオ、カルテット、クインテットなど、幾種かのフォーマットで精力的に活動しつつ、アルバムも着々と発表(Buta、Multisonic、Bee Jazz、Jazz Village他)、特に先年出たJazz Villageからの近作「From Baku To New York」が大好評を得ていた、アゼルバイジャン出身の個性派ピアニスト:シャヒン・ノヴラスリ(1977年アゼルバイジャンのバクー生まれ)の、本盤は、アリ・ホーニグ(ds)参加のトリオによる、2013年1月にロンドンで吹き込まれ2014年(2013年12月とも?)にフランスのBee Jazzからリリースされた秀作の、ジャケット・デザインを一新した日本制作のアナログLP化版(但しオリジナルのCD版より2曲少ない)。
★陰影濃く硬質強固な堅牢さと歯切れよさを湛えた、流れるようであり中々慎重にも感じられる、石を転がしてゆくような鋭角的タッチのピアノが、情感を排して純粋に立体力学的アクションの本質を探究する風な凹凸に富んだダイナミック・フレージングと、それとは真逆に詩趣たっぷりにロマネスクな哀愁的情景を映し出す美メロ満載のリリカル節、を巧みに使い分け、或いは細かに融合して滑脱に歩を進める、トータルとしては翳りあるビタースウィートな味わいの、微妙に独特のエキゾティズムをも含んだ躍動型抒情傾向プレイをシャープ&ソリッドに紡いで、端麗でいてキリッとした雄渾なる華を成し、ベース&ドラムの精確に安定律動しつつジワリジワリと躙り寄り静かに猛襲してくる感じのインタープレイ感ある機動的サポートも、迫真のスリルとグルーヴを的確に醸成して魅力を際立たせた、全般にちょっと不思議な憂きスピリチュアル世界にフレッシュ・サスペンスフルかつ心地よくハマらせてくれる独創内容。
★モード系アクション・リリカル派の典型スタイルと、伝統的アゼルバイジャン流と思しきエスニック・フォーキーな色合い〜情魂テイストが掛け合わされた、ワン&オンリーの決して甘すぎないドラマティック快演がイキイキと精悍に、そして端正に展開され、ペック(b)やホーニグ(ds)の瞬発力に長けた機略縦横の遊撃的バックアップ、に上手く触発されながら、ノヴラスリ(p)の、実に多彩な表情変化を見せるアドリブ妙技が瑞々しくも含蓄豊かに冴え渡って卓抜だ。
→先ずはハンコック辺りの流れを汲んだ硬派モード・ピアノ奏法の「力学性」に特化してのハードコアなゴツゴツしたパーカッシヴ・アクション(時にアクロバティカル)!、に揺るぎなく濃い本領が発揮されて聴く者を理屈抜きに圧倒し、かと思えば生粋ハード・バッパーが寛ぎ小唄を奏でるが如きちょっとオールド・ファッションで瀟洒味溢れるバラード表現に軽妙な魅力を滲ませたり、ヨーロッパ系耽美浪漫派の正統らしいマイルドな詩情描写がまた殊の外清々しかったり、一転して民族性も強いやや暗めの瞑想的音景色が甘さのない殺陣風の強硬ダイナミズム攻勢で剛健に描破される様も、気魄&極太い重厚なノリのよさ満点だったりと、その硬軟併せ持った極端から極端へ自在に推移する芸風は全く鮮やかで説得力も絶大。
Side A:
1. Nocturne For Natavan
2. From Mill To Station
3. Prelude In E Minor
4. Baga Girdim Uzume
Side B:
1. Insomnia
2. 1001 Nights
3. Elinde Sazin Qurbani
4. F & Giz (Fir & Giz)
*CDより収録曲が2曲少なくなっています。
Shahin Novrasli シャヒン・ノヴラスリ (piano)
Nathan Peck ネイザン・ペック (bass)
Ari Hoenig アリ・ホーニグ (drums)
2013年1月18-21日英国ロンドンのAir-Edel Studios録音
(2014年または2013年フランス作品)
*原盤:Bee Jazz BEE 063
レーベル:
Eight Islands Records
在庫有り
国内制作・限定生産LP
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