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ホーム2022年7月REVIEWストレートアヘッド&ブルージー・テイスティーな60年代ならではの新主流派的ハード・バピッシュ熱演が大豊饒世界を創出する傑作2編! CD GEORGE RUSSELL ジョージ・ラッセル / EZZ-THETICS & THE STRATUS SEEKERS REVISITED
商品詳細
★当初はドラマーとしてベニー・カーターのバンドでプレイした後、1940年代後期にディジー・ガレスピー楽団へのスコア提供で注目を集め、以降も孤高の研鑽を重ねて1953年には革新的理論「リディア・クロマチック・コンセプト」を発表、のちのモード・ジャズへと繋がってゆく数々のアイデアを提示し、その後もラージ・アンサンブル物を中心に、フリーやサード・ストリーム的要素あるいはエレクトリック・サウンドも大胆に注入しつつ、全く独自のアグレッシヴ&ダイナミックな「破壊と創造」をひたすら野心的に探究し続け、数多くの優れたレコーディングを残した、ジャズ界きってのラディカルな理論派コンポーザー&アレンジャー&コンダクター:ジョージ・ラッセル(1923年米オハイオ州シンシナティ生まれ、2009年マサチューセッツ州ボストンで死去)の、本盤は、自身もピアノで演奏に参加した精鋭揃いのコンボによるRiverside時代の代表作2枚、→エリック・ドルフィー(as,bcl)をフィーチュアしての3管セクステットによる1961年5月NYC録音作「Ezz-thetics」(RLP 9375)と、4管セプテットによる1962年1月NYC録音作「The Stratus Seekers」(RLP 9412)、という2つの名盤を2in1カップリング収録したCD化版。

★フロント管楽器陣の勇壮でピリッとした息もピッタリのアンサンブルと、圧倒的推進パワーをもって猛烈にスイングするリズム隊の躍動ぶりが合わさって、所謂「新主流派」的テイストのフレッシュで爽やかな空気感が醸し出され、続いて現れる各人のハード・バピッシュだったりこってりブルージーだったり少々アブストラクトだったりのソロ・リレー・コーナーも、ばっちりメリハリの利いた濃密な充実具合を見せた、全体を通じ作編曲面のユニークさが光るところもあるもののどちらかと云うと"60年代のストレートアヘッドなハード・バップ"として、あくまでエンターテイニング&テイスティー・グルーヴィーに愉しめるわりかしスッキリした会心打内容。

★硬派で苦味走った凛然さを湛えつつブルース由来の旨味や歌センスにも事欠かぬ、アレンジ構成面にはひとヒネり工夫が凝らされていて適度に意表も衝いてくるが、トータルとしては直球型のバピッシュ・スウィンギン快演が精悍敏活に展開してゆき、重厚な安定感を伴いつつ力強くドライヴするスワロー(b)や、シャープ&スピーディーかつヘヴィーウェイトに突きorパンチ・キックをカマしてくるハント(ds)、らの「スイング命!」的サポートにガッチリ支えられて、銘々の腰を据えて伸び伸びと完全燃焼するアドリブ奮戦がノリよく華やかに、そしてコクのある盛り上がりを呈し、大豊饒地帯を形成してゴキゲンだ。

★ベイカー(tb)のダウン・トゥ・アースでソウルフルなブルース色濃く陰影深い霧笛風ブロウが芳醇に映え、エリス(tp)の晴朗で溌溂とした鋭敏さとまろやかさを併せ持つ純正ハード・バッパー・タイプの立ち回りも清やかな妙味を発揮、ピアース(as)のパーカーとマクリーンまたはウッズの間を往来する滑脱咆哮はイナセげに際立ち、プラマー(ts)のグリフィン辺りに底通する渦巻きウェイヴっぽいハード・ドライヴィング吹奏も好調、そして、ドルフィー(as,bcl)の結構悠々とマイペースでアブストラクトに片足突っ込んだ奔放激烈なハード・アクションを炸裂させる飄遊ぶり(#5辺りではごく親しみやすい旨口ブルースマン面をも余裕で披露)がさすが一際突出した特異なる個性を強烈に放ち、加えてラッセル(p)の、モンクとかとはまた一味違った硬質パーカッシヴ弾奏も独特の暗く怪しいオーラを発散、と、このドルフィーとラッセルの暗躍が全体に激辛スパイス効果を齎しているところも絶妙で、個人プレーの見せ場は極めて高密度に奮っていて全く鮮やか。

★この2つのアルバムを通して聴いてみると、ドルフィーの入っている前半の「Ezz-thetics」よりもむしろ後半の「The Stratus Seekers」の方が、アルバム全体の楽想として半抽象型ニュー・ジャズ路線のコンポジション物っぽいシリアスなイメージが強く(要するに前半作ではドルフィーとラッセル以外の人達はフツーにハード・バップを演っていて、後半作では本来生粋ハード・バッパー気質の人達がラッセルの厳重指令により敢えてちょっぴりダークでコワモテな役をこなしている感じ、か)、地味に意表を衝かれるも、しかしながら両作品を通じて割とストレートなブルース・テイストが濃厚に貫かれている辺りも、ごく取っ付きやすい興趣〜娯楽傾向に繋がっていて、好もしい魅力のポイントとなっている。

01. Ezz-thetics
02. Nardis
03. Lydiot
04. Thoughts
05. Honesty
06. ‘Round Midnight
07. Pan-Daddy
08. The Stratus Seekers
09. Kige's Tune
10. Blues In Orbit
11. A Lonely Place
12. Stereophrenic

01-06:"Ezz-thetics" (Riverside Records – RLP 9375原盤)
Don Ellis (trumpet)
Dave(David) Baker (trombone)
Eric Dolphy (alto saxophone, bass clarinet)
George Russell (piano)
Stephen(Steve) Swallow (double bass)
Joe Hunt (drums)
1961年5月8日ニューヨークシティのPlaza Sound Studios録音

07-12:"The Stratus Seekers" (Riverside Records – RLP 9412原盤)
Don Ellis (trumpet)
Dave(David) Baker (trombone)
John Pierce (alto saxophone)
Paul Plummer (tenor saxophone)
George Russell (piano)
Stephen(Steve) Swallow (double bass)
Joe Hunt (drums)
1962年1月31日ニューヨークシティのPlaza Sound Studios録音

レーベル:Ezz-thetics

在庫有り
見開き紙ジャケット仕様CD


ストレートアヘッド&ブルージー・テイスティーな60年代ならではの新主流派的ハード・バピッシュ熱演が大豊饒世界を創出する傑作2編! CD GEORGE RUSSELL ジョージ・ラッセル / EZZ-THETICS & THE STRATUS SEEKERS REVISITED[EZZ-THETICS 1132]

販売価格: 2,450円(税込)
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EZZ-THETICS

★マイルス・デイビスにも影響を与えるなどジャズの理論に貢献した鬼才ジョージ・ラッセルの1961年録音の問題作「Ezz thetics」と1962年録音「Stratus Seekers」が2in1でCDリリース。(メーカーインフォ)