★Yellowbird(Enja)やECMよりの過去作品群がいずれも好評だった、ニューヨーク・シーンで活躍するイスラエル出身の個性派コンポーザー肌テナーサックス奏者:オデッド・ツール(1984年イスラエルのテル・アヴィヴ生まれ)(オランダ生まれ説もあり?)の、ECMからの2作目となる今盤は、前作「Here Be Dragons」と同じ顔ぶれの緊密カルテットを率いての、全曲自身のオリジナルで固めた一編。吹き込み場所も前作と同じスイス-ルガーノのコンサート・ホール:Auditorio Stelio Molo(恐らく非ライヴ録音)で、エンジニアも前作から続投のステーファノ・アメーリオが担当している。
■2020年のECMデビュー作品『Here Be Dragons」以来2年ぶりの本作でも前作同様、ピアニストのニタイ・ハーシュコヴィッツ、ベーシストのペトロス・クランパニス、ドラマーのジョナサン・ブレイクが、オデッドの音楽の旅に再び加わり、その個性的音楽性をより鮮やかに掻き立てる想像力を与えている。コンテンポラリー・ジャズ界を牽引し、このジャンルの伝統的な形式を超えたつながりを持つこのサックス奏者の共同作業者には、楽曲の構成と可能性の中で「どのように音楽を発展させてもよい」という自由が与えられているという。このグループは、常に新しいコミュニケーション方法を発見し、その過程で音楽のボキャブラリーを広げている。ニタイの繊細なピアノの筆致、ジョナサンの激しく自信に満ちたパーカッション・ワーク、そしてペトロスの深い部分での信頼できる基盤によって特徴づけられており、"まるで川の上にいて、川岸には木が茂っているから、どこに向かっているのかよくわからないけれど、きっといいところに導いてくれるはず"と自らの音楽を定義している。