CATFISH RECORDS

★NYシーンで過去凡そ10年来活躍し、Ropeadope、SMK Jazz、Ring Road Recordings等からリーダー・アルバムも着々と発表して評判を上げてきたベーシスト：アレクサンダー・クラッフィーの、今回は2管(ベニー・ベナック三世-tp＆ニコール・グローヴァー-ts)フロントのクインテットを率いての一編。

★太く重厚なトーンでドライヴ感も全開にビンビンの突撃躍動を見せるベースや、シャキーンと鋭い刀剣を振り回すように空を斬り刻んでゆくドラム(さすが!J・ファンズワースの鉄板至芸)、らの猛烈な押せ押せ攻勢、に頼もしく捲し立てられながら、ピリッとした敏捷な立ち回りでハード・バップのエッセンスを毅然げに体現するトランペットや、アグレッシヴな速射砲撃的アクション・ブロウに凛々しく本領を発揮するテナー、熱くパッショネートな音数も多い疾駆アタックで畳み掛けてくるピアノ、らの活躍が色彩豊かで賑々しく華やいだ旨味もこってりの見せ場を堂々飾りきった、全編に圧倒的な迫真力がみなぎって壮快に昂揚させられる中々の濃密内容。

★2管ハード・バップの王道を迷いなくまっしぐらに突き進む、硬派で意気軒昂かつ歌心も充分のスカッとした活劇エンタテインメント・タイプのダイナミック・スウィンギン熱演、が晴れやかに、愉しげに展開され、シンプル・ストレートに雄々しく行軍する「みんな揃って勇み肌」な道程の中、各人が腰を据えて伸び伸びと完全燃焼するソロ合戦コーナーに潔くポイントを絞り込んだ趣向が徹底されて、とことん分かりやすく大いに沸かせる。

★グローヴァー(ts)の、コルトレーン〜ブレッカー系統のシーツ・オブ・サウンド的な激烈猛襲を最得意の切り札とし、一部ではR&B調の粋なグルーヴ節にも「味」を見せるスケールの大きな躍動の様が風格満点に魅力を際立たせており、また、ロドリゲス(p,elp)の、マッコイ的なエネルギッシュ疾走型の沸騰ワザを基調としながら、ダウン・トゥ・アースなイナセ筋っぽいブルージー文体や、エレピによるクール・メロウなムーディー・ファンク・プレイ、などで巧みに変化をつける役者ぶりも好調、そうした「モーダル」を基本とした2人に比して唯一人「純バップ」指向の歯切れよく渋い立ち働きで昔ながらの吟醸的グルーヴ感を効果的に齎す、ベナックIII(tp)の勇躍も一際キラリと光っている。
★温かな音色でブルース色濃厚に唸り唄うクラッフィー(b)の立ち振る舞いも美味アクセント。

1. Inner Glimpse
2. For The Great Gerald Cannon
3. I Will Wait For You (p-b-ds trio)
4. There But For The Grace Of
5. Isotope
6. Beeb's Lament
7. Beijo Partido
8. Straight Life
(※includes songs from jazz legends including Freddie Hubbard, Joe Henderson and Harold Mabern.)

Benny Benack III (trumpet except 3)
Nicole Glover (tenor saxophone except 3)
Julius Rodriguez (piano except 7, 8) (electric piano on 7, 8)
Alexander Claffy (bass)
Joe Farnsworth (drums)

2021年2月7日ニューヨークシティのGB's Juke Joint録音

レーベル：Cellar Music (Cellar Live)

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見開き紙ジャケット仕様CD