★お馴染み、現代メインストリーム派ベースの第一人者:クリスチャン・マクブライド(1972年ペンシルヴェニア州フィラデルフィア生まれ)の、本盤は、自身の主導するオールスター・クインテット=Inside Straight(withスティーヴ・ウィルソン-as,ss、ウォーレン・ウルフ-vib、ピーター・マーティン-p、カール・アレン-ds)を率いて2014年12月、NYCのヴィレッジ・ヴァンガードに出演した折の未発表ライヴ音源、の発掘・初ディスク化。
★鋭敏な跳躍力に富みバネを利かせてドライヴ感も満点に大きくウネり波打ちながらシッカと律動スイングする中々押しの強いベースや、シャープに、精確に空を刻む一方で荒々しくドシャバシャと豪快にけたたましい轟音アタック!もカマしてくる雷神の如きドラム、らの手加減抜きの攻めた猛襲に頼もしくプッシュされて、アグレッシヴな灼熱の突撃パワーや生々しいエモーションとブルージーな旨味や洒脱さを併せ持ったアルトの流麗ブロウ、清涼感や滑らかさと固い打撃性を交錯させつつブルース色濃い粋で芳醇な歌いっぷりを見せるヴィブラフォンのテイスティー妙技、骨太くキレのいいストーン・タッチでモーダル・パッショネート&パーカッシヴに怒涛っぽく押し寄せてくるピアノのアツいダイナミズム攻勢、などが各々存在感も鮮烈にこってり濃い口な見せ場を分け合い、競い合ってゆく、全編中身のギッシリ詰まったエキサイティングこの上なしのハイテンション敢闘が横溢して壮快に昂揚させてくれる、問答無用の威勢や迫真味に満ち満ちたカタルシス編。
★硬派で軒昂それでいて歌心やブルース感覚にも決して事欠かぬ、今日流モード系ハード・バップの本道ド真ん中を迷いなく全力で突き進む風な、「潔し!」の活劇アクション的エンタテインメント熱演が力強くもおおらかに、そして毅然とした勇猛さ・凛々しさをもって雄々しく展開され、一貫してただならぬ圧倒的熱量と凄味めいた気魄に覆い尽くされた道程の中で、ウィルソン(as,ss)、ウルフ(vib)、マーティン(p)らの悔いを残さず腰を据えて燃えに燃え盛るソロ・リレー合戦が、理屈抜きにスカッと胸のすく超絶エキサイトぶり・豊作ぶりを呈して、全くゴキゲンだ。
★ウィルソン(as,ss)の、時折ファンキーな軽妙瀟洒さも垣間見せながら、しかし大筋ではスピリチュアルでエネルギッシュな沸騰型・疾走型の(音数も多い)熱情的猛攻を基本身上とする縦横無尽の大立ち回りが漢たる本領を殊の外精悍に、鋭く揮いきっていて(ソプラノでのショーターやリーブマンにも通じるちょっとミステリアスな幻視的フレージングも◎)絶好調で、また、マーティン(p)の少々粗っぽく半ばワイルドに重厚な力学的激震プッシュを仕掛けてくる一撃必殺の驀進荒波ワザ!も冴えており、以上の二人をざっくり「モード係」とするならばこれに対して「ブルース(&バップ)係」「美メロ係」を一手に担っているのがウルフ(vib)であり、その、常にアーシー・テイスティーな親しみやすい抒情的フレーズをひたすら滑脱に紡ぎきる生粋メロディスト&生粋ブルースマン然とした活躍は誠に鮮やか、誠に爽快で、加えて要所要所にソロイストとして浮かび上がってくるマクブライド(b)の、コクの効きまくった大吟醸的唄いっぷりも熟成味十二分でこれまた絶品。
1. Sweet Bread 12:01
2. Fair Hope Theme 13:41
3. Ms. Angelou 10:02
4. The Shade Of The Cedar Tree 8:18
5. Gang Gang 14:54
6. Uncle James 10:57
7. Stick & Move 9:52
Steve Wilson (alto saxophone except 3, 6) (soprano saxophone on 3, 6)
Warren Wolf (vibraphone)
Peter Martin (piano)
Christian McBride (bass)
Carl Allen (drums)
2014年12月ニューヨークのジャズクラブ:the Village Vanguardでのライヴ録音
レーベル:
Mack Avenue
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