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ホーム2021年9月REVIEWアンニュイ&メランコリックな妖しく翳った物憂き詩的ロマンティシズムの世界を硬質感あるダイナミック・スタイルで描ききったビタースウィート系ピアノ・トリオの会心作! CD OLGA KONKOVA TRIO オルガ・コンコワ / OPEN SECRET
商品詳細
★旧ソ連出身、モスクワ音楽アカデミーと米バークリー音大に学び、1994年にノルウェーへ移り住んで以来オスロを拠点にヨーロッパ全域で精力的に演奏活動、過去、Curling Legs、Candid、Alessa、Caprice、Losenからそれぞれにユニークなリーダー・アルバムをリリースして高い評価と人気を得てきた、個性派女性ピアニスト:オルガ・コンコワ(1969年旧ソ連のモスクワ生まれ)の、本盤は、夫君であるノルウェー人ベーシスト:ペール・マティセン&英国のドラマー:ゲイリー・ハズバンドとのトリオによる、2015年の「The Goldilocks Zone」以来となるアルバム2作目、=自作曲集。

★端正で精緻な風合いの内側から濃やかな潤いや温もり感がじんわり滲んでくるような、何とも味わい深くニュアンスに富んだ繊細タッチのピアノが、慎重に音を選びながら優しくメロウな哀愁やリラクゼーションをしっとりと映すバラード表現であったり、一転して硬質堅牢なガキゴキ轟く岩石っぽい音色に様変りしてハードに迫る力学的アクション攻勢であったり、或いはその両方の特徴を兼ね備えた暗影濃いややニガみを利かせてのサスペンスフルなロマンティック趣向であったり、更にはまたエレピによる妖しいファンク色も仄めくダークな蠢きであったりと、適度に振り幅大きく硬軟自在でいて根底には絶えず一定の詩情や端麗美を堅持した、アクティヴなリリカル・プレイを滑脱に綴って瑞々しくも中々毅然とした余情豊かな華を成し、
★一方、インタープレイ型のトライアングル感や研ぎ澄まされた緊迫性も十二分に立ち昇らせながら絡んでくる、ベース&ドラムの瞬発力・機動力抜群のフレキシブルな遊撃的サポートも、確固たる揺るぎないグルーヴや生々しいハラハラ・ドキドキ感を的確に醸成して頼もしく魅力を際立たせた、全編を通じ奥行きある深遠な欧州文学的テイストと硬派筋の圧倒的スリルとがそれぞれ目一杯に満喫できる、極めて密度の高い敢闘内容。

★現代ヨーロッパ抒情派ピアノ・トリオの一つの典型を示した、ちょっとアンニュイ&メランコリックな程好い内省カラーを含ませつつの詩的浪漫の香りや耽美性に溢れるも、決して甘くないソリッドで鋭角的な感触をもって、結構モーダル・バピッシュにド真っ当なるダイナミズムの体現も多々差し挟まれる、概ねミステリアスに翳りピリッとした硬質的リリシズムの顕し様が実に凛々しくて聴いているこちらの背筋もピンと伸びる思いの、躍動的ロマネスク奏演が抜群の生鮮度を伴いつつ精悍に、シャープに展開され、マティセン(b)&ハズバンド(ds)のエッジを効かせて懐にえぐり込んでくるが如きアタッキングな立ち働きに上手く触発されて、コンコワ(p)の、気力も充実しきった、妥協なくシリアスに仄暗く奥深い、幽遠なるポエトリーの情景を力強く描破してゆくアドリブ妙技が、しっかり気魄(=凄味?)のこもった鮮烈な冴え渡り様を見せて素晴らしい。

→物憂くちょっぴりけだるい心象空間の薄闇の中を手探りで彷徨ってゆくかのようなノワール&ビタースウィートな独自の鬱なるロマンティシズムの描出に、さすが十全に練り上げられた幽玄漂う妙味を発揮する反面、ストレートアヘッドなモード系ハード・バップのオーソドキシーにキッチリ則ったパーカッシヴなストロング・スタイル(またある時はセロニアス・モンクの奏法に倣った変則リズミカル様式)のアプローチにも、バッチリ熟達した骨太いノリと頑強な説得力が感じられ、何げに懐広く隙のない濃密な流れがブレなく創出されていて見事。

01. Hymn For My Brother (Olga Konkova)
02. Loved Before (Olga Konkova)
03. All Sorts Of Weird And Wonderful (Olga Konkova)
04. Rest In Motion (Olga Konkova)
05. Darwin's Point (Olga Konkova)
06. No Rules (Olga Konkova)
07. The Man With The Van (Olga Konkova)
08. Les Hommes Des Sables (Olga Konkova)
09. Open Secret (Olga Konkova)
10. Grande Capitano (Olga Konkova)
11. Discovering The Truth (Olga Konkova)
12. Triste Realidad (Olga Konkova)

Olga Konkova オルガ・コンコワ (piano except 08) (electric piano on 03, 07, 08, 10)
Per Mathisen ペール・マティセン (bass)
Gary Husband ゲイリー・ハズバンド (drums)

2020年3月13日ノルウェー-アスケルのMusikkloftet録音

レーベル:Losen

在庫有り
三つ折り紙ジャケット仕様CD

アンニュイ&メランコリックな妖しく翳った物憂き詩的ロマンティシズムの世界を硬質感あるダイナミック・スタイルで描ききったビタースウィート系ピアノ・トリオの会心作! CD OLGA KONKOVA TRIO オルガ・コンコワ / OPEN SECRET[LOS 244 2]

販売価格: 2,350円(税込)
数量:
商品情報
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LOSEN

★ノルウェーのジャズシーンを中心に活躍するピアニスト、オルガ・コンコヴァ Olga Konkova が、夫君のペール・マティセン Per Mathisen とイギリスのパーカッション奏者ガリー(ゲーリー)・ハズバンド Gary Husband と組んだトリオの第2作。前作の『The Goldilocks Zone(ゴルディロックスゾーン)』(LOS 134-2)は、「人の心の内にある、美しい思考の生まれ育つ場所」の暗喩をタイトルに採って作られ、「ジャズの地平線」を広げた音楽が共感を呼びました。
新しい『Open Secret』も、その延長線上に作られたアルバムです。三人の音楽家は、それぞれのパートを演奏しながら音の減衰に神経を集中、次の瞬間の「沈黙の音」に耳を傾ける。そうした音楽づくりは、「音楽家たちの間の音楽による会話という次元にとどまらない、思考と夢と半ば忘れられた記憶の交感」として耳に届き、聴く者は、そうした彼らの音楽の中に誘いこまれていきます。「内省」から推進力のある激しさまで、「トリオ」の音の限界に挑戦する広い領域のなかで「形と色と模様が、いままでに聞いたことのない何かに向かってゆっくりと、とめどなく進化していく」。《Hymn for My Brother》(わが兄弟への賛歌)、《Loved Before》(好きだった)、《All Sorts of Weird and Wonderful》(ありとあらゆる気味悪く素晴らしいもの)、《Triste Realidad》(悲しい現実)(不愉快な真実)。それぞれに「背景」をもった12曲はすべて、コンコヴァの作曲した作品です。(新譜案内より)

オルガ・コンコヴァ・トリオ
オルガ・コンコヴァ(ピアノ、フェンダーローズ)
ペール・マティセン(ベース)
ガリー・ハズバンド(ドラムズ)

録音 2020年3月13日 Musikkloftet(アスケル、ノルウェー)
制作 オルガ・コンコヴァ、ペール・マティセン、ガリー・ハズバンド
録音・ミクシング・マスタリング ヴィーダル・ルンデン