★日本のフリー派・即興派リード(本盤ではテナーサックスに専念)の第一人者のひとり:高木元輝(1941年大阪生まれ、2002年死去)(1939年神奈川県横浜市生まれ説もあり?)、を中心とした、金剛督(as,ss,fl,bcl)、竹内直(ts,fl,bcl)、小山彰太(ds)、という強力な顔ぶれのカルテットによる、1999年9月25日横浜のLittle Johnでのライヴ録音を初ディスク化。
★バスクラやフルートらのちょっと怪しく不気味な鳴動に導かれながら、空間の中心に確固と据わるテナーの、美しさと異形さがごく自然に共存した徒然気ままっぽい即興ブロウが中々風流に悠然と華を成し、かと思えばテナーとドラムのスリリングなデュオ対決や、テナーとフルートのミステリアスなインタープレイ交感、テナー2本のフリーキー激突、更にはサックス3本+ドラムのワイルド・ヴァイオレントな大暴れ大会、一転してバスクラとフルートの落ち着いた怪奇バラード風のやりとり、そしてまた、甲高くも端麗なアルトもしくはソプラノの囀りにテナー、バスクラ、ドラムが猛然とぶつかってゆく混戦乱闘状態、などなど、刻々とカラフルに縦横無尽・緩急自在な様変わりを見せるが、何より先ず一貫して主役格テナー(高木)のわりかし飄々とマイペースを保ってスピリチュアルなアプローチにほぼ終始する、そのしっかり吟醸された吹鳴のあり様がとりわけ味わい深い、人情味満点の敢闘内容。
★奇異で頓狂なフリー・インプロヴィゼーションの応酬が手を代え品を代え変幻に展開されるが、そのサウンドはシュール&アブストラクトな面もあるものの、それ以上に情魂味=スピリチュアリティや武骨な人間臭さが濃厚で、聴く者の情にダイレクトに訴えかけてくる切迫力・生々しいヒューマニティに溢れており、ダーク&パッショネートに情動を活写していささかもブレるところのない高木(ts)を始め、空間底部からシャープ&スピーディーに爆撃攻勢をカマしてくる小山(ds)の地雷ぶり、容赦ない爆発を見せながら決して美を損わない金剛(as,ss,fl,bcl)、アナーキーさと端正さが渾然と表裏を成した竹内(ts,fl,bcl)、と銘々の気合と誠心こもった悔いなき奮戦も奏効して、実に感動的なエキサイティング世界が創出されている。見事!
1. Yokohama Isezaki Town 40:37
2. Yokohama Yamashita Town 12:06
3. Yokohama Yamate Town 20:34
*improvised & composed by Mototeru Takagi, Susumu Kongo, Nao Takeuchi and Shota Koyama
高木 元輝 Mototeru Takagi (tenor saxophone)
金剛 督 Susumu Kongo (alto saxophone, soprano saxophone, flute, bass clarinet)
竹内 直 Nao Takeuchi (tenor saxophone, flute, bass clarinet)
小山 彰太 Shota Koyama (drums)
1999年9月25日神奈川県横浜市、Little Johnでのライヴ録音
レーベル:
NoBusiness ちゃぷちゃぷレコード
在庫有り
限定盤CD