★母国:南アフリカにおいて、1960年代にクリス・マクレガー、モンゲジ・フェザ、ニッケル・モヤケ、ジョニー・ダイアニ、ルイス・モホロらとの強力グループ:The Blue Notesで名を上げ、当グループはやがてヨーロッパへ移住し、フランスやスイスを経由して英ロンドンに定住、そこでロニー・スコット、エルトン・ディーン、キース・ティペットらと親交を結ぶ他、ミシャ・メンゲルベルク&ハン・ベニンクとも即興共演、またジョン・スティーヴンスともコラボしつつ、自身率いる幾つかの企画バンド(アサガイ、スピアー=Spear、Zila他)を強力に推進するも、肝不全のため51歳の若さで他界した突出個性派アルトサックス名手:ドゥドゥ・プクワナ(1938年南アフリカ共和国ポート・エリザベス、ウォルマー・タウンシップ生まれ、1990年英国のロンドンで死去)。
★本盤は、盟友のモンゲジ・フェザやルイス・モホロを含む2種のコンボによる、1975年秋ロンドンで吹き込まれた傑作「Diamond Express」(Freedom原盤)に、同セッションで録られながら当時オリジナルのLPには収録されなかったトラック群=CD1枚分の6曲(※アルバム:「Black Horse」としてBlack Lion/1201 Musicより既発)、を加えて2枚組としたコンプリート復刻版。
★1970年代ならではの、賑々しくノリにノッたダンサブルなビートの上で、キュッと引き締まっていながら軽やかさ・滑らかさにも事欠かない何ともアジなトーンのアルトサックスが、「ファンキー歌謡グルーヴ」とも云うべきばっちりコブシの利いた豪快リズミカル・ブルージー咆哮!、を朗々と伸びやかにブチかまして実にイキでイナセな華を成し、一方、張りとキレある鮮明な鳴り様とくぐもったスモーキーな音響を巧みに使い分けつつアーシー・バピッシュにすばしっこく躍動するトランペットや、妖しさと熱っぽさ混合でスリリングに迫るエレピ、アブストラクト&アナーキーにフリー路線を突き進む硬質ピアノ、鋭くも圧迫力充分に斬り込み攻勢を掛けてくるスピーディーなギター、らの活躍もそれぞれ濃厚に魅力を際立たせて、渾沌にして芳醇な音空間を形成、かと思えば一転してスピリチュアル系フリー・ジャズ・スタイルで切迫した雄叫びを上げる爆裂トラックが現れたり、4ビートでグルーヴィーにスイングするド真っ当なハード・バップ演奏もあったりと、中々振り幅に富んだカラフルな展開で飽きさせず、この時代特有の荒削りな生々しさある極めて高密度な道程に仕上げられた敢闘内容。
★本命のdisk1では大半がエレクトリック・ファンク・ロック的様式に乗せた熱血でソウルフル&ダウン・トゥ・アースなアクション大会が繰り広げられ、終盤に入るとよりアコースティック傾向の強いフリー・ジャズまたはハード・バップ調へ転回を見せるが、全体を通じてプクワナ(as)のアフロ・リズミック・ブルースマンとでも云えそうな、黒い吟醸味たっぷりで至って流暢な晴れ晴れとした歌いっぷりが鮮やかに冴え渡っていて壮快。
★同セッションのアウトテイクを集めたとされるdisk2は更に雑多・雑色的でゴッタ煮風の内容だが、プクワナの、アルトの他ソプラノも吹くアグレッシヴな畳み掛け疾駆の様や、K・ティペット(p)の手加減なく鬼気迫るような過激な暴走ぶり、辺りがとりわけ凄まじいインパクトを残す。
Disk 1
1. Ubaguile (See Saw) ウバキリ
2. Diamond Express ダイヤモンド・エクスプレス
3. Madodana (The Young Ones) マドダナ
4. Tete And Barbs In My Mind テテ・アンド・バーブス・イン・マイ・マインド
5. Bird Lives バード・ライヴス
Disk 2 :【オリジナル・アルバム未収録】
1. Hidden Spirits ヒドゥン・スピリッツ
2. Ducking Darkness ダッキング・ダークネス
3. Dmnt Freeze DMNT フリーズ
4. Blessing Light ブレッシング・ライト
5. Blue Nick ブルー・ニック
6. Black Horse ブラック・ホース
Disk 1
Dudu Pukwana ドゥドゥ・プクワナ (alto saxophone)
tracks 1-3, 5:
Mongezi Feza モンゲジ・フェザ (trumpet)
Lucky Ranko ラッキー・ランコ (guitar)
Frank Roberts フランク・ロバーツ (keyboard = electric piano) (piano on 5)
Ernest Mothole アーネスト・モソール (bass, electric bass)
James Mene ジェイムズ・メネ (drums)
Louis Moholo ルイ(ス)・モホロ (drums, percussion)
track 4:
Mongezi Feza モンゲジ・フェザ (trumpet)
Nick Evans ニック・エヴァンス (trombone)
Elton Dean エルトン・ディーン (saxello)
Lucky Ranko ラッキー・ランコ (guitar)
Keith Tippett キース・ティペット (piano)
Victor Ntoni ヴィクター・エヌトーニ (bass)
Louis Moholo ルイ(ス)・モホロ (drums, percussion)
Disk 2
Dudu Pukwana ドゥドゥ・プクワナ (alto saxophone, soprano saxophone, 笛?)
Mongezi Feza モンゲジ・フェザ (trumpet)
Nick Evans ニック・エヴァンス (trombone)
Elton Dean エルトン・ディーン (saxello)
Lucky Ranko ラッキー・ランコ (guitar)
Keith Tippett キース・ティペット (piano, electric piano?)
probably Frank Roberts? フランク・ロバーツ? (keyboard = electric piano)
Victor Ntoni ヴィクター・エヌトーニ (bass)
Louis Moholo ルイ(ス)・モホロ (drums)
1975年秋、英国ロンドンのIsland Studios録音
レーベル:
Muzak
*統一ライナーノーツ:片岡 文明
*オリジナル・デザインE式紙ジャケット
在庫有り
国内制作・W紙ジャケット仕様2枚組CD