CATFISH RECORDS

★地元の米西海岸でボビー・ハッチャーソン、J.R.モンテローズ、ハロルド・ランドらと共演した(1960年代後期)後、兵役に就いて韓国に滞在していたところを金井英人に見出され、東京でのリーダー録音が実現、その後はニューヨークの主にフリー派の人脈〜アヴァンギャルド・シーンで活躍するようになり(サニー・マレイ、ビーヴァー・ハリス、サム・リヴァース、ギュンター・ハンペルらと共演)、しかしやがては再びオーソドックスなハード・バピッシュ路線へ回帰して行った、という風な遍歴を持つ個性派・実力派のアルトサックス奏者：アラン・プラスキン(1948年米カリフォルニア州ロサンジェルス生まれ)の、本盤は、当時の日野皓正クインテットのリズム隊であった三人、＝杉本喜代志(g)＆池田芳夫(b)＆日野元彦(ds)と組んだカルテットによる、1971年5月6日東京AOI Studioで吹き込まれた初リーダー・アルバム(three blind mice TBM-7)、のCD化・新装再発版。

★キュッと引き締まり絞りも利いた精悍隆々そうな筋肉質トーンのアルトが、質実剛健に決然としてエネルギッシュ&パッショネートな圧倒的ダイナミズムを呈した燃えに燃え盛る速射砲撃的大咆哮!、をこれでもかと屈強不屈に炸裂させまくって猛々しさ満点の荒ぶる闘士の如き華を堂々飾りきり、一方、苦味走ったハードで鋭角的な迫真のバップ・アクションやダウン・トゥ・アースなブルース・ロックとかにも通じる濃い口のソウルフル攻勢、などでアルトに負けず凛々毅然と拮抗して見せるギター以下サイド陣の、一切手加減なくシビアな面持ちで主役アルトに挑みかかってゆくかのような、起伏烈しく好戦的なサポートもこの上ないスリルとグルーヴそして白熱性を強力に高めて、痛烈なるインパクトと無双の魅力を放った、全編正に血沸き肉躍るパワー全開な武勇肌敢闘の連続で、問答無用に昂揚させてくれる壮快内容。

★徹底して硬派で武骨で覇気軒昂な、悔いを残さず完全燃焼するストレートアヘッド体質のモーダル・バピッシュ大熱演が、幾分か獰猛な野性味をもって荒々しく豪快に展開され、ひたすらアツく煮えたぎるスケールもドデカい雄渾の驀進が続く中、リズム隊の極太く重厚に捨て身の体当りをカマしてくる感じの猛襲バックアップに頼もしくプッシュされながら、プラスキン(as)の、腰を据えて全力全霊で潔く沸騰し、危ういまでに登り詰め疾駆爆走する極めてエモーショナル純度の高いアドリブ奮戦が、スカッと胸のすく清々しいまでの鮮やかな冴えを示し、又ただならぬ超エキサイティングな興奮を齎して、全くゴキゲンだ。

→ジャッキー・マクリーンやフィル・ウッズ辺りの硬質面・熱血面を踏襲した印象のある、即ち、元を辿ればチャーリー・パーカー型のバップ・イディオムが認められ、と同時にジョン・コルトレーン・ライクな音の洪水的モーダル・アグレッシヴさも多々顔を出す、という、パーカーとコルトレーンがごく自然に共存したモード以降の現代ジャズ・アルトの王道をまっしぐらに突き進む男気満点なその芸風は好感度も抜群で、雄大かつおおらかな抜けのいいタフネス&ワイルドネスを爽快に湛える一方、独特の生々しく切迫した鬼気や濃厚なシリアス感をもほとばしらせる吹鳴のあり様は、聴く者の胸をビシビシとダイレクトに打ち壮絶に訴えかけるものがあって、ちょっと蠱惑的ですらある。キレ味シャープに「バップ＋アーシー」風のハードボイルド技をぶつけてくる杉本(g)の、ソリッド&スピーディーな立ち回りも旨み十二分で高得点。

1. 朝日のようにさわやかに
2. ザ・ハイト・オブ・スプリング
3. エンカウンター
4. リフレクターズ
5. ブルース・コノテーション

Allan Praskin アラン・プラスキン (alto saxophone)
杉本 喜代志 (guitar)
池田 芳夫 (bass)
日野 元彦 (drums)

1971年5月6日東京AOI Studio録音
(原盤：Three Blind Mice スリー・ブラインド・マイス TBM-7)

レーベル：Craftman Records

在庫有り

国内制作CD