★過去の作品群も好評だった、デンマークで活躍するノルウェー出身の敏腕ドラマー:スノーア・キアク(スノッレ・シルク)(1981年生まれ)の、Stuntでの4作目となる本盤は、前作と同じくスティーヴン・ライリー(ts)やヤン・ハルベック(ts)、マグヌス・ユート(p)ら参加のカルテット基本(※テナーサックスは1曲につきいずれか一人のみが登場し、2管クインテットになることはない。)による自作曲集。
★精確巧緻かつ表情多彩に歯切れよくも波乗り調子の快適なスイング感をシャキシャキ・キビキビと提供し続ける、何げに芸の細かいドラムのノリにノッた律動ぶりに上手くプッシュされながら、カウント・ベイシー辺りに近似した「間の妙が命」のシンプルなスイング・スタイルとよりイナセっぽいファンキー・モダン・スタイルとを的確自在に交差させる、何とも軽妙小粋なピアノや、レスター・ヤング、ベン・ウェブスター、コールマン・ホーキンスらの影をチラつかせたテナーサックスのスモーキーでデカダン・レイジーな寛ぎブロウ、などがひたすら渋く洒脱に滋味ある見せ場を飾ってゆく、明朗簡潔で中々含蓄深い好演内容。
★極めてレトロでオールド・ファッション、そして気さくそうな人情味に溢れた、スイング・ジャズ・タイプのハートウォーミングこの上なき娯楽指向の邁進が溌溂と続き、スイング系ならではの素朴さや晴れやかな牧歌性に富む反面、洒落たモダニズムやウィットっぽさも十二分に備わった親しみやすさも格別な道程の中で、ユート(p)の音数を徹底して絞り込みながらもしっかり潤沢に歌うブルージー・メロディック・プレイや、テナー陣のけだるさとタフネスが自ずと混ざり合った武骨でこってりコク旨な煙霧の趣ある燻し銀咆哮、が実にノリよく風流に冴え渡ってゴキゲンだ。
★テナー勢の、物憂さや疲労感・頽廃性と野太い逞しさ・豪快雄渾さが一体化した滑脱吹鳴、その大胆不敵げでいてニュアンス濃やかでもある独特のユル渋〜い味わいは絶品で、一方ユート(p)の、さりげなく慎重に音を選んでわりかし簡素にファンキー・スイング節を綴り、後には大層瀟洒な余韻が残る、という、あくまで軽みや脱力感を失わない飄々たる語り口もこれまた雅趣豊かで卓抜。
SIDE A
1 Right On Time
2 Streamline
3 Going Up
4 Dive
SIDE B
1 Bright & Early
2 Highway Scene
3 Call To Prayer (solo tenor saxophone)
4 Blues Arabesque
5 The Grind
*CDと収録曲は同じです
Stephen Riley スティーヴン・ライリー (tenor saxophone)
Jan Harbeck ヤン・ハルベック (tenor saxophone)
Magnus Hjorth マグナス・ヨルト (マグヌス・ユート) (piano)
Anders Fjeldsted アナス・フィエルステズ (bass)
Snorre Kirk スノッレ・シルク (スノーア・キアク) (drums)
2020年3月デンマーク-コペンハーゲン録音
レーベル:
Stunt
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輸入盤LP