★母国イスラエルの芸術高校に学んだ後、アメリカ-ニューヨークへ移り住んで(2004年)、シーラ・ジョーダンに師事し、NYライヴ・シーンで精力的に活動、2009年にSmallsから初アルバムを、その後GalleryやGut Stringからもリーダー作を発表して好評を得ていた、確かな実力ある正統派女性歌手:Yaala Ballin(1983年イスラエルのGiv'at Shmuel生まれ)の、
久しぶりのアルバムとなる本盤は、マイケル・ケイナン(p)、クリス・フローリー(g)、アリ・ローランド(b)、という腕達者揃いのドラムレス・トリオの伴奏によるアーヴィング・バーリン名曲集。
★軽妙で小気味のいいスイング感と渋いバップ(または中間派?)・テイストを嬉々溌剌げに提供するバックのトリオの、温もり&旨味溢れる職人芸的好サポートに上手くノセられながら、澄んだ清潔感や爽涼味に富み、しなやかな張りや伸びそしてキレを呈する、重心のしっかり安定した中音域(やや高めか)の程好く厚いクリーン・ヴォイスが、中々勢いよくリズムに乗って躍動的グルーヴを体現する一方、真心こめて誠実に詩の情感を優しく描出してゆく、アクティヴ・リリカル指向とも云うべきハートウォームで元気一杯な気さくげ演唱を滑脱に綴って、生鮮度抜群のフレッシュ・スウィンギンな華を堂々と成した好演内容。
★インティメイトな和気あいあいの寛ぎと敏活で力強い骨太なノリのよさ、を併せ持った、趣味よく瀟洒なラウンジ休憩気分やウィットっぽさ溢れる小唄セッション風の行き方が愉しげに続き、インスト陣の結構パワフルで機動性に長けた手加減なき濃い口のグルーヴィー熱演も、しっかり芳醇に魅力を際立たせる中で、Ballin(vo)の、凛々しく勇ましい鉄火肌らしさと清楚可憐なテンダネスがすんなり一体化した感じの、イキイキ爽やかに宙を舞い、青嵐駆け抜けるが如き真っ直ぐな歌い回しが軽快に、そしてテイスティーに冴え渡って誠に清々しい。
→ダイナミックなアクション熱唱型の筆致や、イキで渋い吟醸的ブルージー・ソウルを潤沢に滲ませたり、などのノリノリな面も多々見せるが、決して器楽的になることはなくあくまで情感とメロディーを大切にした、極めて真摯な言霊派・抒情派たる基本姿勢にブレるところはなく、どんなに豪快にシャウトしていようと親しみやすい人情味・切々とした哀歓や優しい温もりは自ずと維持される、その巧まずして絶妙のバランス感覚を顕した歌声のあり様は、好感度バツグン、説得力も充分だ。
★スクエアー&ストイックに抑え役に回ったケイナン(p)や、音量もデカく強気に威勢よく攻め込んでくるフローリー(g)、らのツボを心得た匠の助演も光る。
01.
It's A Lovely Day 3:17
02. They Say That Falling In Love Is Wonderful 3:36
03. Be Careful, It's My Heart 3:15
04. Blue Skies 2:40 (vo & b duo)
05. How Many Times? 3:55
06. This Year's Kisses 4:09
07. Remember 2:50
08. How Deep Is The Ocean 3:48
09. Say It Isn't So 2:42 (vo & g duo)
10. Fools Fall In Love 3:19
11. Change Partners 4:13
12. All Alone 3:21
13. Cheek To Cheek 4:44
*total playing time 46:34
Yaala Ballin (vocal)
Michael Kanan (piano)
Chris Flory (guitar)
Ari Roland (bass)
2019年10月録音
レーベル:
SteepleChase
在庫切れ
可能な限りお取り寄せ致します
CD