★ハリー・アレン(1966年ワシントンD.C.生まれ)、ケン・ペプロフスキー(ペプロウスキー)(1959年オハイオ州クリーヴランド生まれ)、スコット・ハミルトン(1954年ロードアイランド州プロヴィデンス生まれ)、という、いずれもその芸風に共通したところのある(寛ぎ、端正、趣味のよさ、レスター〜ズート・タイプの系譜とか・・・)
現代洒脱筋テナーサックスの三大巨匠が一堂に会した、リズム・セクションを伴ってのセクステットによる快編。
★フォア・ブラザーズを思わせるところもある、息の合ったカラフル&クールな重層的3テナー・アンサンブルが爽快に響き渡り、各人の、まろやかでスムースな中にパンチも利いた、哀愁とガッツを多々感じさせる波乗り調子のメロディック・プレイがスモーキー・テイスティーに、超芳醇なる華を成した、心地よさ抜群の好演内容。
★ウォーム&インティメイトな寛ぎが絶えず底流し、ミディアム・テンポやスロー・バラードなど、ゆったり構えた落ち着きや悠々さある調子がメインの、歌心も満点な親しみやすいリリカル奏演、が和やかに、テンダーに展開され、リズム隊の手堅く歯切れよく律動するツボを心得たサポートにガッチリ支えられながら、フロント3者の優しく伸び伸びと、かつ中々イナセに情感を唄い上げる、ちょっと渋めな「美旋律の泉」然とした終始楽しげなアドリブ活躍が、何ともアジに豊作ぶりを呈してゴキゲンだ。
★ハミルトンの、レイジー・ブルージーな燻りっぽさの中に結構スッキリ澄みきった清爽感をも滲ませる、さすが懐深い、そして高度に安定したテクニックを有する瀟洒滑脱ブロウや、アレンの、ゲッツ・ライクな力強いドライヴ感とベン・ウェブスターにも底通する掠れヴィブラート傾向、を併せ持った、けだるくもあり雄々しくもあるスケール充分の泳ぎっぷり、そしてペプロウスキーの、折り目正しく背筋が伸びていてカチッとした精緻でイキのいい鮮明吹鳴など、いずれも一貫して嬉々溌剌と得意技を繰り出し続けて揚々たるその、格段においしい極上の名場面が連続して云うことなし。
01. あなたと夜と音楽と
02. ライク・ザ・ブライテスト・スター
03. サムバディ・アイ・ジャスト・メット
04. トプシー
05. イット・ワズ・ソー・ビューティフル
06. ダス・ブルース
07. いそしぎ
08. ザット・オールド・ブラック・マジック
09. オールド・フォークス
10. スリープ
Harry Allen ハリー・アレン (tenor saxophone)
Ken Peplowski ケン・ペプロフスキー (tenor saxophone)
Scott Hamilton スコット・ハミルトン (tenor saxophone)
Tom Ranier トム・ラニア (piano)
David Stone デヴィット・ストーン (bass)
Kevin Kanner ケヴィン・カナー (drums)
2019年2月19,20日Hideaway Studio(カリフォルニア)録音
レーベル:
ヴィーナスレコード (CD)
在庫有り
W紙ジャケット仕様CD