★Sharp NineやCellar Live、Smalls Liveよりの諸作で好評を得てきた、NYシーンで活躍するニューオーリンズ出身のオールラウンドなマルチサックス奏者:イアン・ヘンドリクソン=スミスの、今回は、自身はアルトサックスに専念したリック・ジャーマンソン(p)&ジョン・ウェバー(b)&ジョー・ファンズワース(ds)との最強布陣に、当レーベル・オーナーのコリー・ウィーズ(ts)も加わった2サックス・フロントのクインテットによる一編。
★キリッとしなやかに伸張しつつまたスイスイと流線的に波打ちもする中々ニュアンス細やかな美味トーンのアルトが、勢いよくドライヴ感を渦巻かせながらアーシー&ソウルフルにブルース色濃く勇み肌っぽい哀愁躍動節を朗々と、かつ悠々と歌い上げて誠に粋な華を成し、一方、レイジー・スモーキーで潤沢にコクを含んだ渋〜いテナーや、ばっちりツボを心得てハード・バップの王道を突き進む(職人気質っぽい)ピアノ、らの活躍も頼もしく清やかにおいしい彩りを添えた、全編一貫してシンプル・ストレートな真っ当演奏の連続にノリノリで壮快にハマらせてくれる会心打内容。
★徹底してメロディアス&スウィンギンな、大衆娯楽派街道のド真ん中を迷いなく嬉々として驀進する、気さくな人情味と力強くタフなノリのよさに溢れた晴れ晴れムードのおおらかテイスティー・バップ大会、が溌剌調子でひたすら愉しげに続き、幾分かモード色が加味されるところもあるがその根は、その本性はあくまで純正ハード・バップ体質っぽく、単純明快直球型のイキイキ熱演が全体をほぼ埋め尽くしており、スカッと胸のすく爽やかな昂揚気分を満喫させてくれる。
★ヘンドリクソン=スミス(as)の、豪快雄壮でありながらジェントルマンな節度や気品も絶やすことなく、ダウン・トゥ・アースでファンキーな吟醸味とイナセさがハジけるが如き滑脱ドライヴィング・ブロウを澱みなく繰り出し続けるその、イキはいいが肩の力は絶妙に抜けているという吹鳴のあり様が清々しさ格別で、かたやウィーズ(ts)の、こってり芳醇で微妙に気だるい頽廃テイストを孕んだ燻し銀風の余裕あるブローイングがまた、何とも懐深そうで大いに魅力的だ。
1. The Lowdown
2. Savin' Up
3. 10:30
4. Nancy (With A Laughing Face)
5. I Should Care
6. Don't Explain
Ian Hendrickson-Smith (alto saxophone)
Cory Weeds (tenor saxophone)
Rick Germanson (piano)
John Webber (bass)
Joe Farnsworth (drums)
2019年11月3日 米ニュージャージー州イングルウッド・クリフのRudy Van Gelder Studios録音
レーベル:
Cellar Music (Cellar Live)
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見開き紙ジャケット仕様CD
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